金剛寺浦公園界わい(こんごうじうらこうえんかいわい)私の住む街「加古川」の紹介です
加古川市加古川町木村に、「旧加古川図書館」を中心に北隣に広がる「金剛寺浦公園(こんごうじうらこうえん)」があります。
この公園の周辺は、面白い空間を提供してくれます。
ここはかつて「金剛寺」という寺院があった一帯で、昭和10年(1935年)に「旧加古川町公会堂」として建てられた「旧加古川図書館」を中心に、昔ながらの市場や古民家を活用した店舗が集まる地区です。
公園の南にある「旧加古川図書館」
「金剛寺浦(こんごうじうら)」という名称は、お寺の名前に由来します。
地誌播磨鑑によると、江戸時代、木村地区に真言宗の寺「医王山金剛寺」があったと書かれています。
その寺が、いつ無くなったかは分かりませんが、昔、近くに入江か船が出入りするような場所があったため、寺の名前に浦が付けられてと思われます。
公園の南にある「加古川図書館」は、昭和10年に「加古川公会堂」として造られました。
公会堂が建てられる以前、周辺には加古川役場をはじめ、町立尋常高等小学校や町立幼稚園、県立加古川高等女学校などがありました。
旧加古川図書館は加古川公会堂として建てられました
旧公会堂では、演劇や講演会などが開催され、戦前から東播磨の文化の中心的存在でした。
この建物は、大正から昭和にかけ関西を拠点に活躍した建築家「置塩 章(おしおあきら)」の設計です。
アールデコ風の幾何学模様にデザインされたステンドクラスの大アーチ窓をはじめ、スクラッチタイル張りの1階正面、シンメトリーの中央にそびえる搭屋など、ゴシック様式の重厚なデザインになっています。
近代工業都市として発展しつつあった加古川
当時、公会堂や役場庁舎などの建築物は、「日本毛織」の進出をはじめ、近代工業都市として発展しつつあった時代、加古川市の象徴的存在でした。
祖父の出身地だったことから加古川が本籍地の作家「三島由紀夫」が、徴兵検査を受けた場所とも言われています。
※旧公会堂は、昭和10年(1935年)に竣工し、平成20年(2008年)には兵庫県の「景観形成重要建造物」に指定されました。
しかし、老朽化のため、令和3年(2021年)6月23日を以て一時休館となり、同年10月1日に加古川駅前に建つカピル21ビル(ヤマトヤシキ加古川店)6階へ移転しました。
図書館移転後の旧公会堂は書庫として利用されています。
金剛寺浦公園の界わい
旧加古川図書館を出ると様々な光景が広がります。
金剛寺浦公園は、ゆったりとした空間の中を、よく親子連れが散歩しています。
公園の北には、廉売市場があります。戦後の混乱期に開設され、今も市民の台所的存在で、夕方には多くの買い物客で賑わいます。
旧加古川図書館の前の路地を入って、すぐ右手に在るのは、古民家を改造したBook Cafe。コーヒーやケーキを味わいながら弾む会話、様々なジャンルの図書と出会える楽しい空間が広がっています。
近くには、古民家を利用したうどん屋さんや、甘味処などもあって、どこか懐かしさを感じます。
金剛寺浦公園周辺は、新旧の文化を肌で感じることができる一角です。
マップ(旧加古川図書館)
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