尾上神社・尾上の松(おのえじんじゃ・おのえのまつ)私の住む街「加古川」の紹介です
加古川市加古川町長田に、「尾上神社(おのえじんじゃ)」はあります。山陽電鉄本線「尾上の松駅」の南東に、謡曲高砂で有名な相生霊松「尾上の松(おのえのまつ)」があります。
祭神は、海の神様「住吉大明神(すみよしだいみょうじん)」です。その昔、「神功皇后(じんぐうこうごう)」が、航海の無事を住吉大明神に感謝したことにより建てられたとされています。
国の重要文化財「朝鮮鐘(ちょうせんしょう)」
境内の西側の収蔵庫には、古い「朝鮮鐘(ちょうせんしょう)」が収められています。これは、国の重要文化財に指定されている、11世紀前半ごろの釣鐘です。高さおよそ1.2メートル、周囲3メートル、厚さ7センチメートルの大きさです。
この鐘には、蓮の花に乗った如来を中心に、その上に天界と六つの小さな楽器が描かれています。その左右に天女が衣を翻し、楽器を奏でながら天から降りてくる様子が刻まれています。
おのえへ、いの~・・・・尾上へ帰ろう~
江戸時代には、この装飾を写し取った版画が贈り物として珍重されたそうです。この鐘は、神功皇后が、三韓から持ち帰ったものだとされ、その昔、海賊に盗まれて海に沈められました。
その後、漁師の手によって引き上げられ、高野山に奉納されましたが、鐘を撞くたび、「おのえへ、いの~(尾の上へ、いの~)」と聞こえたため、尾上神社に戻されたという話が伝わっています。
この鐘のひび割れは、鐘を海から引き上げたときにできたと言われています。また、この鐘の音が聞こえる範囲の海を「響きの灘(ひぎきのなだ)」と呼んでいます。
相生の霊松「尾上の松」と「片枝の松」
境内には、謡曲高砂に謡われた、相生の霊松「尾上の松(おのえのまつ)」が植えられています。現在の松は7代目です。
霊松の伝統を引く次ぐため、平成23年3月、8代目、尾上の松の植樹が行われ、大きく育つように願いを込め、神事が執り行われました。
社殿に寄り添って枝を張っている松があります。この松が、「片枝の松」と呼ばれ、神功皇后の後を慕って、枝が全て東の方向を向いていると言われています。
現在、三代目で、あたかも竜が蹲った(うずくまった)かのように見えます。
「筆塚」と「筆塚奉納競書展」
収蔵庫の横には、「筆塚」が有ります。地元の書家樋口尾山(ひぐちびざん)氏ゆかりの筆塚保存会によって、毎年、筆塚供養祭が行なわれています。
同時に、「筆塚奉納競書展」が開かれ、子供から年配の方まで書道に励むたくさんの人が出店しています。
明るい陽ざしに尾上の松の緑が美しく映え、尾上神社には多くの人々が訪れます。
マップ(尾上神社)
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