自己資金ゼロでマイホームが買えるなんて嘘!
ある不動産業者に、
「物件価格に対しては住宅ローンを利用して、購入に必要な諸費用には諸費用ローンを利用すれば、自己資金ゼロでも、マイホームを購入できますよ!」と言われたお客様のお話です。
住宅ローンと諸費用ローンの事前審査を受けて承認(OK)が出たので、いざ、売買契約へ。しかし、売買契約を締結することができなかったのです。何故でしょう????
そこで今日は、「自己資金ゼロでマイホームが買えるなんて嘘!」について書いてみたいと思います。
売買契約時には「手付金」の準備が必要!
ひとつ知っていて欲しいことが有ります!
それは、売買契約を締結するときに「手付金」が必要になるということです。
手付金の額については、契約案件ごとで異なりますが、おおむね売買価格の5%から10%前後に設定することが多いですね。
この「手付金」は、住宅ローンや諸費用ローンが融資実行される前に必要ですので、おのずと「自己資金」でのご準備が必要となります。
物件価格の100%を、住宅ローンで借入し、購入の諸費用も、諸費用ローンで全額借入することは可能ですが、「手付金」を支払うときには、住宅ローンも諸費用ローンも利用することはできないのです。
ですから、「手付金」は、一時的ですが「自己資金」での準備が必要となりますので、知っておいてください。
諸費用ローンについて少し詳しく説明します
物件価格以外にも家の購入には諸費用が必要になります。
その諸費用も住宅ローンとは別にローンに組み込むことは可能です。
マイホームを購入する場合、物件価格以外に諸費用として、ローン保証料、火災保険料、登記費用、収入印紙代、そして仲介手数料、引越し代金や家具の購入費用などが必要になります。
そして、諸費用ローンの借入限度額は、金融機関によって違いますが、だいたい、物件価格の約10%程度です。
住宅ローン+諸費用ローンの返済能力が審査基準を満たしていますか?
諸費用ローンについて、少し詳しくご説明をします。
便利に感じる諸費用ローンですが、当然、住宅ローン同様に審査があり、これに通らなければ、借りることはできません。
具体的には、住宅ローンと諸費用ローンの返済額が、金融機関の定める返済比率などの基準を超える場合は、借りることができません。
諸費用ローンを借りるためにも費用がかかり、金利負担もありますから、出費が増えることは間違いないのです。
諸費用ローンを借りることで、住宅ローンの金利が高くなる場合も
金融機関の審査は三段階あります。
1.頭金(物件価格の10%~20%)と諸費用を準備して、マイホームを購入する場合
申し込むのは、住宅ローンのみ 借入額は、物件価格の80%~90%
2.諸費用のみを準備して、マイホームを購入する場合
申し込むのは、住宅ローンのみ 借入額は、物件価格100%
3.自己資金ゼロで、マイホームを購入する場合
申し込むのは、住宅ローンと諸費用ローン
借入額は、物件価格100%、そして諸費用も100%
段階を追うごとに「金融機関の審査が厳しくなるだろう」と言うことは分かっていただけると思います。
また、段階を追うごとに、店頭金利からの優遇率が低くなり、実際に、諸費用ローンも借りることで住宅ローン自体の金利も多少高くなる傾向もあるのです。
いずれにしましても、将来の生活設計をお考えになられて、その上で、諸費用ローンを利用するか、ご決断ください。
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