「古家付土地」と「更地」古家い家が建っている土地の売却、どちらが良い方法ですか?
「古い家が建っている物件を土地として売却する場合、『古家付き土地』として売却するのと、建物を解体して『更地』にしてから売却するのと、どちらの方法がいいのでしょうか?」・・・・よくいただくご質問です。
その多くは、更地にすると解体費用が掛かることと、解体時期をいつにしたらいいのか、で悩んでいらっしゃいます。
そこで今日は、古家付き土地での売却と更地での売却の
メリット・デメリットについて書いてみたいと思います。
古家付きのメリットその1 イメージしやすい!
建物があると、敷地に対する建物の配置状態がわかりやすいので売りやすい場合があります。
それは、更地の状態では、実際に建物を建てるときのイメージがしにくいということがあるからです。
建物があることで、実際に今、建っているの建物の広さでの陽当り、2階からの眺望、あるいは騒音の程度など、建物の内部から知ることもできる情報があるのです。
また、駐車スペースへの車の出し入れ、敷地面積に対する建築面積のバランス(建ぺい率)はどのくらいが良いのか、隣家との距離がどれくらいとれるのか、などもイメージしやすいのです。
古家付きのメリットその2 解体費用が掛からない!
古家付きの土地のまま売却する場合、売主が古家を解体する費用や手間が省けるというメリットがあります。
解体費用は坪単価3万円~、が相場といわれており、100坪で300万円かかる計算です。
古家付きのままで売却できれば、大幅な費用節約になります。
古家付きのメリットその3 固定資産税の軽減措置を受けられる!
住宅用地の負担調整措置によって建物付き土地の固定資産税額は、200㎡までは更地に比べて6分の1に減額されます。
200㎡を超える部分についても、更地に比べて3分の1に減額さるのです。
しかし、建物を解体して更地にしてしまうと、住宅用地の負担調整措置が適用されなくなります。
ですから、売却活動が長引くような場合は、固定資産税額が軽減される古家付きの土地の方が税金的に有利ということになります。
古家付きのデメリットその1 値引き交渉の可能性が高い!
契約前の購入申込み段階で、解体費を見越した値引き交渉が入る可能性が高くなります。
そのため、古家付きで土地を売却する場合は、販売価格設定について、不動産会社の担当者と入念な打ち合わせが必要になります。
解体費用をあらかじめ差し引いて価格設定をするのか、解体費用をプラスして価格設定をするのか、値引き交渉に対しては、どのように対応してもらうのか、などの打合せになります。
このような打合せをしておくことで、不動産会社の担当者が、買主様の現地案内時に説明や打合せがしやすくなるのです。
古家付きのデメリットその2 地中埋設物の存在で、瑕疵担保責任を問われる可能性があります
物件の引渡し後に、買主様が建物を解体したら、地中から埋設物が出てきた、と言うケースがたまにあります。
この場合、建物の解体費用の他に、地中埋設物の撤去費用が掛かる場合などは、売主様の瑕疵担保責任が問われる可能性があります。
古家付の土地として売却する場合、地中の調査ができないこともあり、埋設物についてのリスクは認識しておくようにしましょう。
さらに埋設物だけでなく、地盤の調査や汚染調査などの調査も難しいので、過去に何があったのか、土地の歴史をたどって調査しておくことが重要になります。
更地のメリットその1 売却しやすい!
更地になっていると、購入した後に買主はすぐ新しい建物の建設が始められます。
買主としては、古家を解体する必要がないため、購入しやすい物件ということになるでしょう。
また、更地の場合は、地下埋設物や土壌汚染などの調査ができますので、買主に安心感を与えることで売却しやすくなるはずです。
更地のメリットその2 瑕疵担保責任を問われる可能性が低くなります
建物を解体して更地にして売却すると、買主様が購入後に家を建てる計画でしたら、すぐに家を建てることができますし、買主様にとっては、解体費用がかからないというメリットがあります。
さらに、更地にすることで、地中埋設物の確認もできますので瑕疵担保責任でのトラブル防止にもなります。
それは、古家付土地を購入した買主様が、引渡し後に解体をしたときに、地中埋設物が出たことで、後々売主様が責任を負うことになりトラブルになることが多いからです。
更地のデメリットその1 費用が掛かる!
解体費や廃棄物処分費、場合によって地盤改良費がかかります。
古家を解体して更地にして売却する場合は、解体費や廃棄物処分費といった費用が発生します。
一般的に解体費用は木造建築の場合で坪単価3万円から5万円が相場。鉄筋コンクリート造の場合は、坪単価5万円~となっています。
古家の解体だけでなく解体して更地になった後、地盤に何か問題があった場合は埋設物の除去や地盤改良といった施工が必要になります。
地盤の調査にはスウェーデン式サウンディング試験やボーリング調査を実施し、調査や施工には費用がかかりますが、しっかり調査を行って何も問題がなければ、土地の売却がしやすくなるでしょう。
ただし、最近の売買契約では、
地盤調査や地盤改良工事費は、買主様が建築する建物の種類や、ハウスメーカによって違いが有り、費用も異なり、不確定な部分がありますので、引渡し後の買主負担とする特約をつけることが一般的になっています。
更地のデメリットその2 固定資産税の軽減措置が適用されなくなります!
建物を解体して更地にすると、「古家付きのメリットその3」で書きました住宅用地の負担調整措置が受けられなくなり、翌年の固定資産税が上がります。
土地に建物が建っている場合は、土地面積200㎡までは固定資産税額が6分の1に減額されるのですが、更地にしてしまうと、負担調整措置が受けられないため、翌年の固定資産税額が6倍になるのです。(※200㎡を超える広さは3分の1に軽減)
売却活動が長引きそうな場合、解体時期については慎重に検討する必要があります。
物件の引渡し前に古家の解体をする場合の注意点
古家付き土地の状態で売買契約を締結し、その後、建物を解体して更地の状態で引渡す「更地渡し」が条件になっている場合には、売主様が残代金の受領日までに建物を解体することになります。
ただし、契約の約定事項に「融資利用の特約(ローン特約)」のようは白紙解除条項がある場合には、融資承認後、すなわち、白紙解約の可能性がなくなった後に解体工事に取り掛かってください。
また、「更地渡し」の場合には、引渡し日までに建物を解体するだけではなく、解体で出た廃材等も撤去し、更地に整地をすることまでが更地渡しの原則です。
その場合、解体工事は天候に左右されますので、日にちに余裕を持った契約内容の打合せと、工事工程を決めてください。
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