「売買の目的物および売買代金」の条項とは?不動産売買契約書
不動産(土地・建物・マンション)を売買する際の契約書には「売買の目的物および売買代金」という条項があります。
そこで今日は、「不動産売買契約書における売買の目的物および売買代金の条項とは?」について書いてみたいと思います。
契約書には、全宅連・FRK・全日・全住協、それぞれ独自のものがあり、書式や記載方法は微妙に異なっていますが、用語の意味や記入すべき内容は基本的に同じです。
このブログでは、全宅連とFRKの条項を参考に説明したいと思います。
筆、新築一戸建て購入応援「仲介手数料・無料・0円・ゼロ・サービス」の加古川の不動産売買専門会社、未来家(みらいえ)不動産株式会社、代表、清水 浩治
売買の目的物および売買代金の条項
【全宅連の契約書】
第●条 売買の目的物及び売買代金
売主は、標記の物件(A)(以下「本物件」という)を標記の代金(B1)をもって買主に売渡し、買主はこれを買受けた。
【FRKの契約書】
第●条 売買の目的物および売買代金
売主は、買主に対し、表記土地(以下「土地」という)および表記建物(以下「建物」といい、土地および建物を総称して「本物件」という)を表記売買代金(以下「売買代金」という)で売渡し、買主は、これを受けました。
売買の目的物および売買代金の条項の趣旨
売買の目的物および売買代金の趣旨は、売買契約の締結を宣言する条項です。
売買契約は、売主が、買主に対して不動産の所有権等を移転することを約束し、買主が、売主に対して代金を支払うことを約束することを内容とする契約です(民法第555条)。
売買契約において、契約の当事者である売主様と買主様が誰なのか、また、不動産および売買代金の表示を明確にすることは、契約を特定するための基本的事項になります。
本物件の表示
本物件とは、売買の対象不動産のことです。
売買対象となる本物件である土地や建物の表示は、登記事項証明書(登記簿)の表示どおり正確に記人してください。
土地や建物が、数筆、数棟に分かれているならば、売買対象となる土地、建物はすべて記入しなければなりません。
未登記の建物、現況が登記簿の表示と異なる
建物が未登記のときや、本物件の現況が登記簿の表示と異なっているときは(建築)確認済証、固定資産税評価証明書、実測図などを参考にして、本物件を特定することが必要になります。
例えば「登記簿の表示は〇〇です。ただし、現況は××です。」と表示します。
また、本物件が一筆の土地の一部のときは、参考図面を添付して、売買の対象となる部分を斜線などにより特定してください。
建物には付帯設備表に記載した設備を含みます
売買の対象は土地と建物ですが、
建物には、付帯設備表(別紙)に記載した設備を含むことになります。
中古建物を売買する場合、売買対象には設備を含まないとする契約方法もありますが、新築住宅や建物請負では、一般に設備は当然建物に含まれていて、建築基準法第2条第1号の定義規定でも、建築物には建築設備を含むとされています。
また近年、設備はグレードも良くなり高価格化していて軽視できないので、本条項では建物に設備を含 むものとしています。
建物に含まれる設備とは
設備のうちでも、売買対象に含まれるのは、付帯設備表の「設備の有無」欄に「有」と記載した設備に限られます。
付帯設備表に「無」と記載したもの、または記載されていないものは、売買対象の範囲には含まれません。
なお、売主は、買主に引渡す設備のうち、故障・不具合「無」と記載した主要設備については、使用可能な状態で引渡さなくてはなりません。
付帯設備表に記入するときの注意点
万一、売主様が設備の故障や不具合等を知りながら買主様に告知しなかった場合には、売買契約書において売主様が故障や不具合等の責任を負わないとする取決めをしていたとしても、修繕や損害賠償などの法的責任を問われることがありますので、ご注意ください。
また、「設備の有無」は、あくまでも買主様に売買物件を引渡す時点の状況を記入するものであり、売買契約締結時点の状況を記入するものではありません。
このため、売買契約時には存在していた設備であっても引渡しまでに撤去する設備については、「設備の有無」の欄を「無」にしてください。
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