今夜は見られないかもしれません。秋の風物詩『中秋の名月』
秋の夜長を楽しむ行事といえば、十五夜のお月見です。
十五夜の月を「中秋の名月」と呼んで、お月見を楽しみますよね。
お仕事や家事が忙しくて、心に余裕がなくなっているかもしれない、あなた! お供物などは、気にしないで、お月見をして、少し心を休ませてあげてください。
月が見える縁側や窓辺に、月見団子や里芋、枝豆や季節の果物を供え、
秋の七草やススキを飾って、満月を鑑賞します。
昔の人は、なぜお月見をしたのでしょう?
旧暦の8月に、お月見をするのは、
夏の農作業が一段落し、稲刈りまでの、少し手が空くこの時期に、
稲の豊作を祈って宴を行ったことが始まりと言われています。
また、稲の豊作祈願ではなくて、
芋類の収穫祭、畑作儀礼だったと考えられている説もあります。
ちなみに、『お月見』についての日本で最古の記録は、
延喜9年(909年)に、醍醐天皇が初めて、月見の宴を開いたとの記録だそうです。
しばらくは、高級貴族達だけの風習でしたが、
江戸時代になると一般庶民にも広まりっていったそうです。
『中秋の名月』と『仲秋の名月』、どちらが正しいの?
『中秋』と『仲秋』どちらも『ちゅうしゅう』と読みますが、
まず、『仲秋』とは、旧暦の秋の真ん中の時期をさします。
昔は、旧暦7月、8月、9月(現在の8月、9月、10月頃)を秋としていました。
そして、
7月を、初秋(しょしゅう)または孟秋(もうしゅう・孟は「はじめ」の意味)
8月を、仲秋(ちゅうしゅう)
9月を、晩秋(ばんしゅう)または季秋(きしゅう・季は「末」の意味)と
呼んでいました。
このように、旧暦8月を表すときには、『仲秋』と書き、
『中秋』は、秋の丁度真ん中の日である、旧暦8月15日だけ をさすことになります。
『ちゅうしゅうのめいげつ』は、旧暦8月15日に見える月のことですから、
漢字では『中秋の名月』と書くのが正しいということになります。
つまり、旧暦8月15日の月は、『中秋の月』で、
旧暦8月全体の月を『仲秋の月』というわけで、
『中秋の名月』 (旧暦8月15日の月)は、
『仲秋の月』 旧暦8月全体の月)の1つということになります。
ちなみに、『十五夜』は、旧暦8月15日の夜のことを言います。
『中秋の名月』と十『五夜』の違いは、『中秋の名月』は、旧暦8月15日の夜の月
『十五夜』は、旧暦8月15日の夜
ですから、中秋の名月は、十五夜のお月さま、となるわけですね。
まとめてみました。
お月見にも、いろんな意味や思いが込められています。
真っ黒な夜空を明るく照らす月は、昔の人々にとっては、
かけがえのない大切な、そして神秘的なものだったのかもしれませんね。
秋の収穫期とも重なり、1年で最も美しく輝く月は、
特別な存在で人々に愛され、現在でも受け継がれていて、
お月見の風習として残っているのだと思います。
もしかしたら、今夜は見れないかもしれませんが、
一瞬でも見れたら、秋の季節を感じてみてください。
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