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2019年02月16日
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不動産売買契約書 第17条(契約違反による解除)この条項は、契約違反と契約解除、違約金の請求を定めた内容です。

(契約違反による解除)

第17条 売主又は買主がこの契約に定める債務を履行しないとき、その相手方は、自己の債務の履行を提供し、かつ、相当の期間を定めて催告したうえ、この契約を解除することができる。

  2 前項の契約解除に伴う損害賠償は、標記の違約金(F)によるものとする。

  3 違約金の支払いは、次のとおり、遅滞なくこれを行う。

① 売主の債務不履行により買主が解除したときは、売主は、受領済の金員に違約金を付加して買主に支払う。

② 買主の債務不履行により売主が解除したときは、売主は、受領済の金員から違約金を控除した残額をすみやかに無利息で買主に返還する。この場合において、違約金の額が支払済の金員を上回るときは、買主は、売主にその差額を支払うものとする。

  4 買主が本物件の所有権移転登記を受け、又は本物件の引渡しを受けているときは、前項の支払いを受けるのと引換えに、その登記の抹消登記手続き、又は本物件の返還をしなければならない。

 

この条項は、契約違反があったとき、売買契約が解除できること、解除された場合には、当事者の合意によって定められた『違約金』を請求できることを定めた内容です。

 

※売買契約書(土地建物公簿用)の見本は、こちらから

 

契約違反による解除の、三つ要件

1.契約違反の事実があること

この条項では、解除の事由として『この契約に定める債務を履行しないとき』と定めています。

そのため、全ての義務違反が解除の事由になるのでは、と考えられがちですが、各条項の義務内容は、千差万別で、解除事由になるかどうかの見方からすると、軽重があります。

 

例えば、残代金決済日に

買主が、売買代金の支払いをしてくれない、

売主が、引渡しに応じてくれない、

売主が、抵当権等の抹消をしてくれない、

売主が、所有権移転登記に応じてくれない、

売主が、引渡し前の滅失毀損で修復してくれない、

などの場合は、契約内容の重要性から見て、原則、契約解除の事由になると考えられます。

その他の条項では、特に実損がでればともかくとして、解除事由に成りえない場合もあることに注意しなければなりません。

 

※こちらもご覧ください!

「違約解除」と「合意解除」 不動産会社の責任者にも認識間違いが多い不動産売買契約の「違約解除」

 

2.契約違反が違法であること『同時履行の関係』

売主、または、買主が契約違反をしても、それが違法でなければ解除権は発生しません

例えば、売主の不動産の引渡しと、買主の代金支払いは、原則、同時履行の関係にあります。

また、売主の所有権移転登記申請と、買主の代金支払も、原則、同時履行の関係にあります。

そこで、買主が代金の支払いを怠るという契約違反の事実があったとしても、売主が不動産の引渡し、所有権移転登記手続きを怠っていたら、この契約違反は、違法にはなりません

 

分かりやすい例でご説明すると、

決済日(所有権移転の日)到来する前に、買主から「この契約をキャンセルしたいとの申し出があったとしても、この段階では、まだ契約違反にはならないのです。

決済日までは、残代金を支払わなくても契約の違反にはならないからです。

これを「期限の利益」と言います。

また、決済日がまだ来ていないので、売主も物件の引渡しや所有権移転登記に応じる準備ができていなければ、同時履行の関係は成立していないのです。

契約違反になっていないものに、契約の履行を催告することはできないからです。

逆の場合も同様です。

 

3.催告したこと『配達証明付き内容証明郵便』

催告とは、違約をした相手方に対して、相当な期間を定めて、契約の履行を促すことを言います。

相手方が契約に定める債務の履行を怠ったとき、その債務の履行を催告し、それでも履行してくれないときは、約を解除して違約金の支払いを請求できるのです。

 

通常は、『配達証明付き内容証明郵便』で、

例えば『代金を本書面到着後7日以内にお支払いください。お支払いただけないときは、右期間経過をもって、本契約を解除します。』という内容で通告することになります。

 

契約解除の効果

1.違約金の請求・・・ここは、かなり重要です

違約金として、売主と買主の合意で定めて、売買契約書の表記に記載した違約金を請求できます。

 

この違約金の額を、一律、売買代金の20%相当額と定めている契約書がありますが、違約金の額が高額に成りすぎると、違約金の支払いができずに、契約の解除自体ができないケースがありますが、全宅の契約書では、売主と買主の合意により違約金の額を定めることができるようにしています。

 

民法では、契約違反を理由とする解除では、契約違反と相当因果関係にある損害を請求できることになっていますが、損害のうち、どの部分が相当因果関係にあるかを明確にすることは、かなり困難です。

 

そこで、この条項では、あらかじめ、損害額を契約時に、売主、買主が合意した金額に決めて、実損害が、その額を上回っても、下回っても、その差額は互いに請求できないことにしています。

 

違約金の額は、債務の履行を怠ったとき、その当事者に相応のペナルティとして課せられるよう、ある種、抑止力を持たせる必要があります

違約金の額があまり少ないと、その抑止力が働かず、簡単に契約解除ができる可能性が高くなり、売主も買主も、契約上も法律的にも不安定な状態になります。

 

そのような状態をできるだけ避けるために、違約金の額は、手付金額、または売買代金の10%から20%くらいを目安として設定することが望ましいと思います。なお、この契約書では、違約金を請求するにあたって、実損害の発生等の証明をする必要はありません

 

2.原状回復とは・・・原状回復義務

契約解除により、この契約の効力は失効します。

 

そこで、買主側に解除前に所有権移転等の登記がなされているのであれば、その抹消登記を行い、不動産の引渡しを受けているのであれば、その明け渡しを、

売主側に解除前に受領している金銭(申込金、手付金、中間金等)があれば、その返済を、それぞれ速やかに行わなければなりません。

 

民法では、これを『原状回復義務』と呼んでいます。なお、売主、買主に、原状回復義務があるときは、違約金の授受と同時履行の関係にあります。

 

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