融資利用の特約: 不動産売買契約書第19条:この条項は、融資が否認されたとき、契約が自動的に解除になることを定めた内容です
不動産売買契約書 第19条(融資利用の特約)ローン特約
この条項は、住宅ローンの融資の承認が、期日までに得られない、または否認されたときに、この契約は自動的に解除になることを定めた内容です。
この条項による解除は、いわゆる「白紙解除」で、原状回復のみです。違約金の問題は生しません。
「白紙解約」とは、その契約が当初からなかった状態に戻すことから、互いに債権債務が無いことになります。
※住宅ローンの承認が得られなかったとき、その事実をもって自動的に契約が解除される場合と、買主に選択権を与える場合があります。
後者では契約解除の申入れ(意思表示)をしてはじめて解除として扱われますが、そのどちらに該当するかは、契約書の条項により異なりますので、事前に確認することをお勧めします。
筆、新築一戸建て購入応援「仲介手数料・無料・0円・ゼロ・サービス」の加古川の不動産売買専門会社、未来家不動産株式会社 代表 清水浩治
融資利用の場合の、ローン特約の趣旨
融資審査の結果、住宅ローンの借り入れができなかった場合、買主は売買代金を支払うことができず、最終的には契約違反となってしまいます。
このような状況は、買主には酷ですので、買主が、住宅ローンを利用して住宅を購入する場合、売買契約にローン特約を付すことが一般的です。
買主は、住宅ローンの審査が不調に終わった場合に、売買契約を無条件で解除となります。
この条項において、表記の融資利用の場合の欄に記入されたローンについては、ローン特約の適用があり、記入されないローンについてはローン特約が適用されない(現金扱いになる)ということになります。
また、買主には、買主の義務として、不動産売買契約締結後速やかに、融資の本申込みしていただきます。これは、ローンの結果が出るまでは、売主の立場が不安定なものであるためです。
ただし、買主がローン審査に必要な手続きを怠った場合など、買主の落ち度でローンを借りることができなかった場合には、この特約は適用されません。
売主は、買い主の資金調達が不調であった場合には、契約を解除されるリスクがありますので、買主の信用力にもできるだけ留意して契約することが大切です。
ローン特約(融資利用の特約)によるトラブル!不動産業者の認識間違いで白紙解除が認められずトラブルに!
融資承認予定日と、融資未承認の場合の契約解除期限の設定
融資承認予定日の設定には、買主が利用する住宅ローンについて、スケジュールを十分把握し、さらに売主・買主と十分な協議をしながら、利用するローンごとに期日を設定します。
契約解除期限については、融資承認が得られないとき、買主との協議、売主への通知にかかる日数を十分考慮して、売主・買主双方の合意により決定しなければなりません。
標準的な契約解除期限は「融資承認予定日」の最終日より1週間から10日後です。
融資承認が得られない、または否認されたときについて
この条項は、融資承認予定日までに、融資承認が得られない、または否認された場合、不動産売買契約は、自動的に解除となります。その場合、表記の契約解除期限までに、売主に解除の通告をしなければなりません。
表記の契約解除期限までに、売主に解除の通告をしない限り、契約を履行しなければなりません。
※ただし、買主が、予定通りの融資を受けられなくても、他で資金繰りがつくことで、契約の履行を勧めたい場合は、別途、変更契約書、或いは、覚書を交わすことで、契約を続行することは可能です。
第2項の「融資の全部もしくは一部について承認が得られないとき」とは
『融資の全部もしくは一部について承認が得られないとき』とは、融資機関等からの融資審査の結果が、融資承認取予定日の時点で得られない場合や、申込金額全額についての承認が得られず、一部減額という条件で承認を得た場合を指しています。
第3項の「受領済の金員を無利息で遅滞なく」とは
ローン特約により、契約が白紙解除となり、契約の効力が無くなった場合、売主は受領済みの金銭(手付金や中間金など)を、買主へ返還しなければなりません。
もちろん、宅地建物取引業者が受領済している報酬(仲介手数料)も同様です。
契約条項に『無利息にて返還する』という旨の記載がなければ、受領時期から返還時期までの期間に応じた利息を付けなければなりませんが、実際には、ほとんどの場合、『無利息で~』と書いてあるのです。
第4項の「買主自主ローン」とは
買主自主ローンとは、宅建業者の斡旋を受けずに、買主自ら金融機関を選択して、住宅ローンを申し込むことです。
そのため、買主は、融資利用に必要な書類を、売買契約書の標記に定めてた期日までにに金融機関等に提出し、その提出書類の写しを売主に提出しなければなりません。
写しが必要なのは、ローン特約による不正解除に備えて提出を求めています。
申込の遅延や、故意に虚偽の証明書等を提出した結果、融資の全部又は一部について承認を得られなかった場合には、ローン特約の規定は適用されませんので、注意が必要です。
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