瑕疵担保責任:不動産売買契約書第20条:この条項は、瑕疵(欠陥)に対する売主の責任を定めた内容です
この条項は、例えば、売主が契約から決済までの間に、雨漏りの瑕疵(欠陥)に気づかず、買主への引渡しが完了してから発覚した場合、一定の期間を定め、売主にその責任があるとすることが、定められた内容です。
『隠れた瑕疵』とは、売主も知らない物件の不備、欠陥です。例えば、シロアリの被害、雨漏り、水漏れ、給排水管のつまり、主要な木部の腐食等々です。
瑕疵担保責任の一定の期間とは
瑕疵担保責任の期間について、もし記載が無ければ、民法上の『発見してから1年』が適応されます。そうなると売主は、売却不動産について半永久的に、その責任を負うこととなるため、責任期間は、売主、買主合意の上、必ず設定するべきです。
また、不動産業者が売主となる場合は、引渡しから2年未満の期間を設定した場合は、無効となります。万一、買主に不利になるような期間(2年未満)を設定した場合は、その設定期間は無効となり、民法の『発見してから1年以内』が適応されますので、知っていてください。
隠れた瑕疵(欠陥)とは
売主も瑕疵について知らず、買主もその瑕疵について告知を受けていない場合が、隠れた瑕疵となります。
付け加えると、売主は知っていたが、買主に告知をしていない場合も、隠れた瑕疵に該当します。
売主が、その瑕疵について把握していて、買主に説明告知している場合は、隠れた瑕疵には該当しません。もちろん、その責任範囲も売主には及びません。
付帯設備に対する瑕疵担保責任は?
さて、ここで問題となるのは、付帯設備についてです。例えば、給湯器やキッチン等の扱いはどうなるのかということです。
第3項では、付帯設備は、瑕疵担保責任の範囲には含まれないことを定めています。付帯設備は、あくまでも中古品なので、故障すれば買主の責任において修復することが基本としています。
大手仲介業者の契約取引においては、引渡し後、使用していきなり故障した、使用できなかった場合に、その責任が買主側となると、あまりにも酷なので、7日~2週間ぐらいの期間を定めて、売主に修復義務を負わせることが、主流になっています。
民法の取決めよりも優先される、お互いの合意
中古物件の契約取引は、個人対個人(民民取引)となることが多いので、お互い合意の上、取り決めを行えば、それは、民法の規定よりが優先されます。もし、取り決めが無ければ、民法が適応されるということです。
いずれにしても、後々、もめごととならないよう、仲介業者を通じてしっかりとした取り決めが必要です。
まとめてみました
売買物件に、隠れた瑕疵(欠陥など)が発覚した場合、売主は、物件の修補や損害を賠償する義務を負います。また、瑕疵が重大で、住むこともままならない場合などは、契約を解除されることもあります。
売買契約では、売主が、瑕疵担保責任を負うか否か、負う場合は、物件の引き渡しからどのくらいの期間で責任を負うのか、などが取り決められます。
瑕疵担保責任の期間が短いほど、買主に不利となり、逆に長いほど、売主に不利となります。隠れた瑕疵をめぐるトラブルは、非常に多いことから、しっかりと契約内容を確認しましょう。