一戸建てが売れない理由 その2 購入検討者への演出的魅力が少ないのかもしれません
昨日のブログで、不動産に限らず、どの業界においても、売買の基本原理は、ニーズの多い商品は売りやすく、ニーズが少なければ売れないのが基本です。と言うお話をしました。
しかし、ニーズが有って内覧希望者が多いのに、なかなか決まらないケースもあるのです。それは、購入検討者を『お招きする』と言う演出的魅力が少ないことが原因かもしれません。
内覧の申し込みも入らないような状況であれば
あなた自身が『いい』と思って購入、あるいは建築した家ですから、私と同じように『いい』と思ってくれる人が必ずいるはず。そのお気持ちは良くわかります。
でも、甘い気持ちで臨んでいては、売れるものも売れなくなってしまいます。購入検討者は、常に『他の物件と比較検討している人は、シビアな目で見ている』ことを忘れないでいてください。
もし、内覧の申し込みも入らない状況であれば、広告媒体に掲載する紹介写真よる、演出的魅力に問題があるかもしれません。
多くの人は、明るくて開放感のある空間に魅力を感じるものです。できるだけ明るい雰囲気で撮影できる天候や時間帯を選び、できるだけ片付けて、スッキリ見せるなど、紹介用写真をひと工夫することも大切なのです。
内覧希望は多いけれど一向に決まらない状況であれば
次に、内覧の申込みはあるのに、なかなか決まらない状況であれば、内覧時の部屋の状態に問題があるかもしれません。
お住まいの状態で売りに出している場合で、特に多い失敗談が、普段の生活そのままに内覧を受け入れているケースです。
モデルルームのように、とまでは言いませんが、玄関の靴が散乱していたり、食後の片付けができていなかったり、洗濯物の山がそのままだったりすると、内覧者の購入意欲が、しぼんでしまいます。
普段、生活していると気づきにくいこともありますので、内覧の前に不動産会社の営業マンに客観的なアドバイスをもらい、演出的魅力を高めることが大切です。
空き家の状態で売りに出しても決まらない状況であれば
逆に、すでに退去し空き家の状態で売りに出しているけど、決まらない場合は、暮らしのイメージがつき辛いことが考えられます。
家を見慣れている人や、具体的なイメージをお持ちの人は別ですが、一般的には、家具などを置いていない空間を見ても、暮らし方のイメージが見えてこないのも事実です。少しでも暮らし方のイメージを持っていただく工夫が必要になるかもしれません。
そんなときにひとつの解決策となるのが『ホームステージング』と言う方法です。これは、数年前から注目されているのですが、家を演出(ステージング)する販売方法です。
住宅展示場のモデルハウスの簡易版をイメージしていただければ分かりやすいと思います。新築よりも中古住宅の売買が活発な欧米では、家の価値や魅力を的確に伝えられることから、良く利用されている販売方法です。
ホームステージングって、具体的にはどうすればいい?・・・入居中の場合
ホームステージングと言っても、具体的に何をしたらいいのでしょう? まずは、入居中の場合は、物を減らすことからスタートすることが一般的です。
ほとんどの場合、暮らしてきた時間が長ければ長いほど、家の中には、物が増えてしまうものです。使用していないものは、思い切って処分し、出しっぱなしのものは、収納スペースにしまい、居住空間をできるだけスッキリさせることがポイントです。
そのときに、効果的なのが、フローリングや畳などの床面をなるべく多く見せることです。ラグやホットカーペットも内覧時にはないほうが、スッキリと見えます。
それだけで、お部屋が広く見えて、スッキリ感を伝えることができます。そのうえで、モデルハウスにあるような、花や緑などで演出を加えることも、ひとつの方法です。
友人や親戚が遊びに来るときに、水周りやお部屋を掃除して片付けると思いますが、要はそれと同じこと。お客様を『お招きする』という意識を持つことが大切になります。
ホームステージングって、具体的にはどうすればいい?・・・空き家の場合
空き家の場合は、リビングやダイニングのように生活の中心となる空間には、家具や照明を入れて、モデルハウスの簡易版のような演出をしてみましょう。
このときに、注意したいのは、次に入居して欲しい人は、どんな人かと言うことです。建物の広さや、立地条件によって、次に住む人のイメージが見えてくると思います。
例えば、ファミリー層であれば、子ども用の家具を用意するなど、イメージ層に合わせたスタイリングを心がけてください。
2017年に日本ホームステージング協会が発表した資料によると、ホームステージングを行った場合の一戸建ての販売期間は37日で、行わない場合の210日と比べて約五分の一に短縮されたというデータもあります。
ひとつの解決策としては、有効な方法だと思います。
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