一戸建てが売れない理由 その4 タイミングが間違っているかもしれません
売却のタイミングはいつがいいのか知りたい、価値が下がらないタイミングで売却したい、何を判断基準にしてタイミングを考えれば良いのか知りたい、と思っている方も多いと思います。
ことわざにも、「千載一遇」「鉄は熱いうちに打て」「物にも時節」「好機逸すべからず」など、昔からタイミングは大切とされてきました。不動産の売却も同様で、有利に売るにはタイミングが重要なのです。
今日は、不動産を売却する五つの「タイミング」について書いてみたいと思います。
1.市況からみた売却のタイミング ただし、見極めるのは難しい!
ひと言で「タイミング」と言っても、その視点にはいくつかの要素があります。もっとも大きなタイミングは、不動産マーケット、市況です。
不動産価格は経済と密接な関係がありますから、景気の上下によってマーケットの動きが活発になり、またその逆の時期も当然あります。
ただし、景気の波はいつの時代も定期的に起こり、オリンピックなどの国際的な大イベントをはじめ、自然災害や海外の政局にも大きく左右されるため、プロでも読み切れない部分もあります。
そしてもちろん、あなた自身が売りたいタイミングと合致するかどうかは正直、運も左右するします。市況のタイミングは非常に大切ですが、完璧に合わせることは困難でしょう。
2.季節からみた売却のタイミング
これは、毎年訪れる引っ越しシーズンに合わせる、と言うことですので、非常に分かりやすいと思います。
日本では、4月と9月に季節的大移動が発生します。特に4月は子供の新学期が始まることから、大きな移動となります。特に、転勤は会社から直前に言われることが多いので、2月から3月に購入する人は、焦りながら購入をします。
そのため、一戸建てやマンションなどの居住用財産は、2月から3月にかけて最も高く売れます。逆に、4月に入ると、新生活が始まっているので、パッタリと売れなくなります。
ですから、売り出しを1月頃からスタートさせ、2月から3月を狙って売却をするのがタイミングとしてはベストです。またこの時期は売却活動期間も短くなる傾向もあります。
もしタイミングを合わせられるのであれば、1月、2月、3月の時期に売却活動を行うようにしよう。
3.築年数からみた売却のタイミング
一戸建てについては、築11年から15年目までは、ゆるやかに減額していきますが、築15年を過ぎると、下落のカーブが急にきつくなります。築15年から25年にかけても、価格の下落が続き、その後はほぼ一定の水準で推移します。
一戸建ては築15年以上になると、設備の修繕費用が大きく発生するため、急激に価値を落とします。築25年を過ぎると価格がほとんど下落しないのは、建物価格がゼロと評価され、ほぼ土地価格で取引されるからです。
一戸建ての場合は、築15年までが売り時です。また築26年以降はいつ売却しても、価格的影響は、ほとんど受けないことになります。
4.修繕履歴からみた売却のタイミング
築15年を過ぎた一戸建てを購入される買主様が気にすることは、「少しでも安く」と言う価格的なことよりも、修繕履歴を気にする人が多いのです。
修繕履歴は、築年数とも大きく関係します。築15年を過ぎると、買主が購入後、改装するための費用負担が大きくなるため、自ずと価格は下がります。
逆に、築15年を過ぎていても修繕をこまめに行っていて、それを買主へ説明できれ履歴資料があれば、価格は大きく下がることはないのです。
そのため築15年を過ぎていても、修繕した直後は、売却の良いタイミングと言えます。修繕した後は、その履歴資料をきちんと残しておくことも大切なのです。
5.税制からみた売却のタイミング
税制と言っても、具体的には所有期間です。
個人が不動産を売却しても、譲渡所得(利益)が発生すると、所得税を納めることになります。この所得税は、所有期間によって、以下のように税率が異なります。(復興所得税は加味してません)
◆所有期間:10年超の場合(居住用財産のみ)
税率は、所有期間が5年以下の短期譲渡所得と、5年超の長期譲渡所得で分けられます。さらに売却対象が居住用財産の場合は、さらに税率が下がります。そのため、税制のタイミングとしては、少なくとも所有期間が5年超のタイミングで売却するのが良いでしょう。
ただし、売却対象が居住用財産の場合は、「3,000万円の特別控除」の適用で、利益が3000万円を超えていなければ、所得税は発生しません。ですから、居住用財産であれば税制はあまり気にしなくても良いでしょう。
売却時期を見直して、状況を見極めてみましょう
もし、売り出し時期をコントロールできるのであれば、その時期を見計らうのもひとつの方法です。
そのほかにも、築年数からみた売りやすいタイミングや、購入検討者にとっても買いやすい時期(減税制度や低金利等)など、さまざまな視点があります。
もし、現時点で動きが鈍く、さらに売り急いでいないのであれば、一度、売却時期を見直して、状況を見極めるという選択も考えられるのではないでしょうか。
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