不動産の売却「値引き交渉って、応じなければいけないものですか?」 売主様からの切実な質問です
家の売却を行っている売主様からの切実な質問です。
「値引き交渉って、応じなければいけないものですか?」
この売主様は、買主様からの不動産購入申込みとともに、かなり厳しい値引き交渉が入っていて、担当の不動産業者から「このチャンスを逃すと売れ残りますよ!」 とまで言われているようです。
そこで今日は、「不動産の売却「値引き交渉って、応じなければいけないものですか?」 売主様からの切実な質問です」について書いてみたいと思います。
筆、新築一戸建て購入応援「仲介手数料・無料・0円・ゼロ・サービス」の加古川の不動産売買専門会社、未来家不動産株式会社 代表 清水浩治
家を売るときの「買主様からの値引き交渉」 に関する売主様の悩み
今日のブログは、少し長くなりますが、最後まで読んで頂ければ、売買契約に至るまでの交渉が、実際、どのように行われているのかが「へぇ、そうなんだぁ!」 って分かっていただけると思います!
この売主様は、購入申込みとともに、かなり厳しい価格交渉が入っていて「このチャンスを逃すと売れ残りますよ!」と言う不動産業者の常套句に悩んでいます。
家を売るとき「やっぱり、価格交渉は入ってくる」という予感は、残念ながら、高い確率で当たってしまいます。
では、
◆価格交渉はどこまで受けたらいいのか?
◆断ってしまってもいいのか?
◆断ることでチャンスを逃してしまわないか?
購入申込をもらった喜びと同時に、こんな悩みを抱える売主様がほとんどです。
そこで、買主様からの値引き交渉に悩める売主様へのアドバイスを書いてみたいと思います。
値引き交渉は90%以上の確率であるものです!
私の経験では、90%以上の確率で、購入申込と同時に値引き交渉が入ります。
ダメもとでチャレンジしてくる人もいますし、悪いところを指摘して安く買いたたこうとする人もいます。
価格交渉が入ると気分的にはあまり良くありませんが、逆の立場だった「そりゃあ、交渉するわなぁ」と受け止められるかもしれません。
もし、自分が購入する立場だったらどうでしょうか?
100万円未満の端数部分、たとえば、80万円でも値下がりしたらすごく嬉しくないですか?
そのお金で家具家電を買えると思ったら、購入意欲が増しませんか?
相手の立場を考え値引き交渉が入る前提で準備をしておくことが大事!
値引き交渉で多いのは、100万円未満の端数、或いは100万円+端数、という金額です。値引き交渉することが当たり前と言う考え方が蔓延しているような気もします。
「とりあえず、値引き交渉」と考える人が圧倒的に多いと言うことも知っておいてください。
実際、最初の問い合わせで「この物件、値段なんぼまで下がるの?」と聞いてくる人もいるくらいです。
仲介業者は売主ではないので、いくらまで下がるかは分からないので「まずは、物件を実際にご覧いただき、購入の意思を示すことで初めて売主様の本音がわかるものです。」とお答えをすると、ほとんどの場合メールの返信すらありません。
例えば「この物件は300万円値引きできますよ」という回答を期待しているのでしょうか。・・・・困ったものです。
後で書きますが、安く購入することしか考えない 「自己中心的な人」は相手にせず「値引き交渉は一切お断り!」という姿勢を示すのも一つの方法です!
物件によっては500万円以上の交渉が入ることも
1億円を超える物件であれば、500万円の値引きは5%程度ですので「まぁそれもアリかな?」と思いますが、5,000万円前後の物件でも500万円、1割以上の値引き交渉をいれてくる人もいるものです。
もちろん、即お断りしても構いませんが、値引き以外の他の契約条件は聞いてみてください。
残留物の処分・瑕疵担保責任・契約解除条件・手付金額・ローン審査内容・引渡し条件などに関しては、こちらの条件を全て受け入れてくれるなら一考の余地があるかもしれません。
特に、チャレンジ価格で販売しているときは冷静に考えてみてください。
事前に値引き交渉分を見越して販売活動をスタートするのもOKです
初めから 「相場+α」での成約を目指なら、相場からかけ離れないことに注意をして、値引き交渉分を見越した金額を上乗せして販売するのも1つの方法です。
査定金額に100万円~200万円くらいの金額を上乗せするイメージです。高く売れたら良い結果ですし、交渉が入れば、上乗せ範囲で交渉を受ける方法です。
ポータルサイトは500万円単位で条件を絞り込めるので、例えば、3,000万円が相場の物件であれば、3,500万円未満を販売スタートの上限とすると、検索にはヒットします。
ただし、この場合1割以上、上乗せしていますので、案内に至るかは疑問です。
この点も考慮して設定してください。
価格交渉を受ける代わりに、こちらから、交換条件をだすのもOKです。
いずれにしても、不動産は高額ですから、いつの間にか金銭的感覚が麻痺してしまい「100万円未満の端数」と言っても「数十万」にもなります。
ですから、値引き交渉を受ける代わりに、売主としての条件を提示することは、極当り前の話です。
例えば、引渡し日を1ヶ月以内にしてもらうとか、手付金を10%にしてもらうとか、こちらの条件を提示するのも良いと思います。
また、大きな交渉を受けるのであれば、引渡し後の契約不適合責任を免責にしてもらうなどの条件提示をするのも良いと思います。
この場合、売買契約書の特約条項に「売買契約書第○条の、売主の契約不適合責任は免責とします。」などの文言を入れておくことをお勧めします。
強気でお断りするのもOK!或いは粘ってキャッチボールするのもOK!
1年以上も高値で販売を続け、価格交渉も全て断り、最終的に10万円の値引きだけで成約に至った売主様もいました。
最初の価格交渉は200万円値引きでした。・・・・即、お断りをしました。
その後、端数の80万円だけでも値引いてくれませんか? という再交渉も断り、
50万円では、という再々交渉に対して、10万円が限界ですと回答。
最後的に買主様が了承した、という経緯です。
一回の値引き交渉で決めなければいけないというルールはありません。
上記のように、何度かキャッチボールをしてみることも交渉方法の一つです。ただし、売れ残り物件になってしまう、或いは現金化が遅れるリスクは伴います。
不動産屋さんに「値引き交渉は一切受けません!」と言い切っておくことで、意外とすんなり満額で成約することもあります。
不動産のご縁って不思議なものです。
「値下げに応じたんやから、それくらいは我慢してよ」は通じません
売買契約時には判明していなかったことが、物件引渡し時に発覚し、買主様が怒り心頭、というトラブルが良くあります。
例えば、洗濯機をどかしたら巾木が腐っていたり、家具をどかしたら壁に大きな穴が開いていたり。
このような時、売主様は、
「こっちは価格交渉に応じたんやから、それくらいは我慢すべきやろう!」と言います。
それに対して買主様は、
「そのことが分かっていたら、もっと価格交渉をしていた!」「後出しで不利な話は許せない!」と言います。
このトラブルは、残念ながら売主様が不利になる可能性が高いでしょう。
値引き交渉を受けて契約したら、売主様は「売ってあげた」と思いがちですが、買主様は、そんな思いは感じていません。
余計なトラブルを避けるために、先ほども書いた通り、提示した交換条件と物件の状況などの合意内容は売買契約書に明記するようにしてください。
つまり、値引き交渉は売買契約時で完結し、引渡し以降の話は別である、と言うことを理解しておきましょう。
まとめてみました!
値引き交渉は必ず入るという前提で、販売価格を設定してみてください。
そして、価格交渉は、いくらまでなら受けるのかを決めておき、断ったり、何回かキャッチボールをしたり、交換条件を出すことで調整したり、といろんな選択肢があるので、自分の要望を不動産屋さんに遠慮なく伝えておきましょう。
交換条件を出すためには、あなた自身の売却理由に基づいて、何を優先すべきか、引渡し時期なのか、契約不適合責任の免責なのか、残留物の処分をどうするのか、などの希望を事前に確定させて、不動産屋さんと十分に打合せをしておくことをお勧めします。
このブログで、
不動産取引における交渉が、実際にはどのように行われているかが、お分り頂けたのではないでしょうか。
スムーズな交渉で成約を目指す計画を立てて、良い条件でご売却ができますよう、頑張ってください! 応援しています!
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