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2020年07月30日
ブログ「未来の家」

不動産業者が売主となる売買契約で「契約不適合責任」を免責にする特約の有効性

不動産の売買契約を締結したときに、売買の目的である土地や建物が契約内容に適合しない場合は、買主は、売主に対して、「追完請求」「代金減額請求」「契約解除」「損害賠償請求」の請求ができ、売主は厳しい「契約不適合責任」を負います。

ただし「契約不適合責任」は契約特約で免責にすることは有効とされているのですが、全てが有効になるわけではありません。

 

そこで今日は、不動産業者が自ら売主となり、個人である買主と契約を締結する場合の「契約不適合責任」を全部、あるいは、一部を免責にする特約の有効性について書いてみたいと思います。

 

契約不適合責任を契約特約で免責することができるか

令和2年(2020年)4月1日に施行された改正民法では、旧民法の瑕疵担保責任に相当する規定として「契約不適合責任」が定められました。

 

「契約不適合責任」には、瑕疵担保責任で買主に認められていた解除権、損害賠償請求権に加えて、追完請求権、代金減額請求権が認められています。

また、種類又は品質に関する契約不適合を理由とする場合に、買主が、売主の契約不適合責任を追及するためには、契約不適合を知ったときから1年以内に売主に通知をする必要があります。(改正民法第566条)

 

以上のような「契約不適合責任」も、瑕疵担保責任と同様に

当事者(売主と買主)の合意により特約を定めることで、民法上の責任を免責したり、責任の範囲や行使期間を制限したりすることが可能になります。

 

ただし、不動産の売買は、売買金額が大きな取引となることから、買主保護の観点に立ち、契約不適合責任を免責、または、制限する特約を定めることに対して、法律上一定の規制があるのです。

 

不動産業者が自ら売主となる契約において民法よりも買主に不利になる特約は無効

不動産業者(宅地建物取引業者)が、自ら売主となり、宅地または建物の売買契約を行う場合、不動産業者から宅地や建物を買い受ける買主(消費者)を保護する観点から、以下の規制があります。

 

まず宅地建者取引業法には、不動産を「宅地建物取引業者が自ら売主」となって売買する場合は、その宅地建物取引業者は、売主の瑕疵担保責任の規定を民法よりも買主に不利に設定することができない、という規程があります。

 

売主が宅地建物取引業者、買主が個人の場合、「種類、または、品質に関する契約不適合を担保すべき責任」に関して、買主が売主に通知する期間を、引渡し日から2年以上にする特約を除き、民法566条の定めより買主に不利となる特約はしてはならないのです。

 

新宅地建物取引業法第40条での制限

新宅地建物取引業法第40条(担保責任についての特約の制限)

 

宅地建物取引業者は、自ら売主となる宅地又は建物の売買契約において、その目的物が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない場合におけるその不適合を担保すべき責任に関し、民法第566条に規定する期間についてその目的物の引渡しの日から二年以上となる特約をする場合を除き、同条に規定するものより買主に不利となる特約をしてはならない。

 

宅建業法に反する特約は全て無効

新宅地建物取引業法第40条に反する特約は全て無効になり、民法の規定が適用されます。

例えば、

◆契約不適合責任を免責とする特約、

◆権利行使期間を引渡し日から、例えば3か月以内とする特約、

◆契約不適合責任により買主が行使できる権利を追完請求権に限る特約、

などは、買主に不利となる特約ですので無効になります。

 

ただし、買主も宅建業者である場合は、宅建業者同士の取引となり特に買主を保護する必要がないため、宅建業法第40条第1項、第2項の規制は受けません。

 

品確法の規定に反する免責特約は無効

品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律)では、

新築住宅の売買契約においては、売主は、買主に引き渡した時から10年間、住宅の構造耐力上主要な部分又は雨水の侵入を防止する部分の瑕疵について、改正民法415条(債務不履行による損害賠償)、541条(催告解除)、542条(無催告解除)、562条(買主の追完請求権)及び563条(買主の代金減額請求権)に規定する担保の責任を負う

と定められています。

この規定より買主に不利となる特約は無効と定められています。

 

また、当然のことですが、「契約不適合責任免責」の特約を付しても、売主が契約不適合を知りながら、これを買主に告げずに売買契約を締結した場合も無効となります。(改正民法572条)

 

まとめてみました!

売主に対する「契約不適合責任」は必ず負わなければならないものではなく、当事者(売主と買主)がこれを免除する特約を付すこともできます。

ただし、不動産業者が自ら売主になる場合の「契約不適合責任」免責特約には制限が有ります。

 

宅地建物取引業法の規定による免責特約の無効
担保責任の期間を2年以上とする場合を除き、売主の責任規定を民法の規定よりも買主に不利な特約は無効になります。

品確法による瑕疵担保責任期間
品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律)により引渡しの日から10年間義務付けられていあるので、この規定より買主に不利となる特約は無効になります。

民法の規定により免責特約の無効
売主が契約不適合を知っていながらこれを告げずに売買契約を締結した場合は無効になります。

 

この記事を書いた人
清水 浩治 シミズ コウジ
清水 浩治
◆ブログ「 未来の家」では、私の住む街「加古川」の魅力を紹介、不動産に関する豆知識や、トラブル解決など、情報発信を日々行っております。◆「家や土地の物件情報も大切です。しかし、もっと大切な情報があるはず!」と、私は、いつも考えています。◆加古川市で暮らしていただくうえで、大切な子育てや、お役立ち地域情報、不動産の取扱いについて知っていて欲しいことを最優先で発信しています。
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