「不動産の査定」と「車の査定」は全くの別ものです!
不動産の査定って、分かりづらくないですか?
車の査定やリサイクルショップの査定など、いろいろな場面で査定は行われています。しかしそれらの査定と不動産会社の行う査定は、別もので全く違うのです!
では、何が違うのか?
それは、査定する側(中古車販売店、リサイクルショップ、不動産会社)が直接買取るかどうか、ということです。
※不動産会社が直接買取る「買取り査定」もありますが、ここでは「仲介査定」について書きます。
査定を行う不動産会社」が物件を買取るわけではないのです!
「車の査定」も「リサイクルショップの査定」も、自社で買い取り、それを再販売して利益を出すことを前提に行っています。
買取ることが出来なければ、仕入れが出来ず、商売につながらないのです。
ですから、中古車販売店やリサイクルショップは「どこよりも高価買取りします!」と、アピールして、高価買取りを期待するお客様を、まずは集めているのです。
では、不動産会社が行っている査定とは、どういった性質のものなのでしょうか?
まず大前提として、中古車販売店やリサイクルショップのように、「査定を行う不動産会社」がその物件を買取るわけではない、ということです。
あくまでも、過去の取引事例や現在の市場の動向、地域特性などを踏まえ、「3ヶ月以内に売れると予想される金額」を提示するのが、不動産会社の査定です。
それでも、売主から売却依頼(媒介契約)を受けることが、不動産会社にとっての仕入れであり、売却依頼物件を増やし預り物件を増やすことが売上に直結するということでは、中古車販売店やリサイクルショップとほぼ同じです。
ご希望の売却価格はいくらですか? 思わず答えてしまうのはダメです!
査定に来た不動産会社の担当者から、「ご希望の売却価格はいくらですか?」と聞かれて、思わずその金額を答えてしまうことがあります。
その価格が市場相場からかけ離れた高い金額でも、自社の仕入れを優先する不動産会社は、「ご希望金額で売れるかどうかは分かりませんが、その金額で売りに出してみましょう」と提案して売却の依頼(媒介契約)を受けてしまうことがあります。
つまり売主様は、査定を受ける前に、自分の物件が市場相場と比べても割高であることを知らないまま「自分の希望価格で売れる」と思い込んでしまい、売却することを決断してしまうのです。
あなたは、不動産会社の査定に何を求めていますか?
あなたは、希望金額で売りに出すことを望んでいるのでしょうか?
あなたは、不動産会社が持つ経験や知識で算出した「本当に売れる金額」を知りたいのではありませんか?
それが、不動産会社が本来行う査定であり、売りたい人が期待する査定であるはずです。
それでは本来の意味での査定を行ってもらうためには、どのような対策、心構えが必要でしょうか?
査定と媒介契約は別物です! 本来の査定とは?
媒介契約締結することの前提に査定があるわけではありません。
査定はあくまでも「現在の相場・市況で売れる価格を知るためのもの」だと考えてください。売主様によっては、複数の不動産会社に査定を依頼する人もいるでしょう。
査定に来ると、自社に売却を依頼してもらおうと「当社に任せてもらえれば他社より高く売ります!」と、露骨に言い切る会社もあります。
しかし、査定は不動産会社同士の高値アピールの場ではありません。
しかし、媒介契約締結を誘導するために、高い金額で売却をスタートすることが完全にダメかと言うと、そうでもありません。
近隣の成約事例や、周辺の売出し物件、不動産市況を踏まえた適正な査定価格を提示することが前提です。
そのうえで「多少時間がかかっても良い」というような売主様の事情を踏まえ「最初は少し高くてもご希望の金額で売却活動を始めてみましょう」と売却方法を提案する。
これは、短期間で取引をまとめてしまおうと急がせているわけではなく、時間がかかったとしても売主様の希望に近づけてあげたいという不動産会社の真摯な姿勢であり、売主様にとっても利にもかなったことなので、悪くないと思います。
ただし、これは査定ではなくて、「査定後の提案」という意味合いです。
満足いく売却を行うためにも大切に扱ってくれる不動産会社を選びたいですね
不動産会社が提示した査定価格が適正なのかどうかは、分からないものです。
そこで、質問をしてください。
「その査定価格は3か月以内に確実!に売れる金額ですか?」と。
担当者は多分「可能性の問題なので確実とは言い切れません」と言うでしょう。
そこですかさず
「では、あなたが80%の確率で売れると思う金額はいくらですか?」と再度、質問をしてください。
ここの質問で、その担当者の本音、売れると思う金額が出てくるはずです。
もしかしたらその金額は、あなたが想像する以上に安い金額かもしれません。ご自宅の売却でしたら、たくさんの想い出が詰まっていて、安く評価されたことで悲しくなるかもしれませんが、勇気をもって質問してみてください。
それでも、曖昧な回答をするようでしたら、その不動産会社はやめた方がいいでしょう。
それが結果的に幸せな不動産売却につながるのです。
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