不動産取引で頻繁に起きる、お客様と不動産業者との「言った、言わない」トラブル! それを防ぐ方法です!
不動産の売買では、重要事項説明書にはじまり、売買契約書、それに付随するいろんな書類があります。そして、その全ての書類に署名捺印が必要です。
それでなくても緊張する売買契約です。たくさんの書類を前にするだけで、それはピークに達します。
中でも不動産業者の担当者と口頭だけで約束した内容が、契約書面に記載されていないと、本当に大丈夫なのか不安になります。
後から「言った、言わない」のトラブルになることだけは避けたいものです。
そこで、今日は、「言った、言わない」トラブルを回避するための方法について書いてみたいと思います。
これは、不動産業者の立場から見ても「非常に効果的」です!
脳ほど当てにならない器官はありません!メモを取って再確認を!
脳ほど当てにならない器官はないと思います。
記憶力のいい人でも「勘違い」や「思い込み」は起きるものです。その勘違いや思い込みで、「話したつもり」「聞いたつもり」のトラブルを引き起こします。
また、やっかいなことに、脳は自分の都合のいいように記憶を書き換えます。
自分の脳を過度に信用しないで、メモを取って再確認することが「言った 言わない」トラブルを防ぐ最大の方法なのです。
気持ちよく契約するためにトラブルを回避する「メモを取ること」と「その方法」について書きます。
不動産売買での「言った 言わない」トラブルの一例
不動産の売買で、不動産業者と口約束だけで、書面で交わしていないと、次のようなトラブルが発生することがあります。
ほんの一例です。
■トラブル①:約束が果たされないケース
内見したときに、「部屋が少し汚れていたので、引渡しまでに売主様は掃除をしてくれるのでしょうか?」と質問したとします。
担当者は「引渡しまでに掃除をしていただくように、売主様にお願いしておきますので、大丈夫です。」と答えたとします。
引渡し日に室内を確認したら、内見したときと全く変わっていなかった。これが口約束だけで終わってしまう典型的なトラブルです。
担当者が忙しくて売主に伝えるのを忘れたのか、売主から清掃会社の手配をお願いされていたのに依頼することを忘れてしまったのか、分かりませんが、
脳ほど当てにならない器官はなく、口約束は聞いたことすら忘れてしまうのです。
■トラブル②:聞いていた内容と違う
給湯器は3年前に交換していると聞いていたのに、実際は10年前に交換していた
近所にクレーマーはいないと聞いていたのに、実際はお隣がクレーマーだった
契約前に不動産業者から聞いていた内容が、実際とは違っていてトラブルになることもあります。
トラブルを防ぐためには「メモ」を取る!
では、トラブルを回避するためには、どのような対策をとれば良いのでしょうか? それは、当り前のことですが、「メモ」を取るということです! メモを取ることで、後で確認することができます。
「そんなん、当り前やん?!」と
思った人も多いと思いますが、ここからが重要なポイントです。
この「メモ」の取り方にも、効果的な方法があるのです!
ここからは、「メモの取り方ポイント」について書きます。
ポイント①「いつ!」「だれが!」「どこで!」
メモを有効な証拠とするためには、詳細な情報が必要です。
それが「いつ」「だれが」「どこで」です!
最低でもこの三つの情報は、約束した内容や質問した内容と一緒に記録してください。
もし、不動産業者と事実関係でもめた場合でも、「いつ」「だれが」「どこで」言ったことなのかを明確に指摘できることで、不動産業者の対応は激変します。
曖昧な記憶で話をするのと、日時や場所までも正確に指摘するのとでは、相手に与える信憑性やプレッシャーが違います。
①いつ(正確な日時)
②だれが(担当者の名前は必ず明記する)
③どこで(例えば、物件の玄関前)
ポイント2:営業マンの目の前でメモを取る
営業マンの目の前でメモを取るのは気がひけるので、後で思い出しながら書き出す、という人もいるかもしれませんが、これでは全く効果はありません。
その場でメモを取るという行為は、メモ自体が証拠になるだけではなく、メモを取っているという行動が相手にプレッシャーをかけてくれるのです。
そして、相手が言ったことを確実に実行してもらうことができ、無責任な情報による営業トークをさせないという「抑止力」にもなるのです。
相手の目の前でメモを取ることは、決して失礼な行為ではありません。堂々とメモを取りましょう。
そして最後に、メモの内容を担当営業マンと再確認をしてください。
メモは「メモの内容」と「メモを取る行為」の両方に意味があるのです!
不動産取引における「言った、言わない」トラブルを回避するためには、口頭ではなく「メモ」しておくことが重要です。
「信頼しているので、大丈夫だろう!?」と油断していると、思わぬトラブルに巻き込まれるかもしれないので十分気をつけましょう。
「信用・信頼」と「トラブル回避」は別物です。
それでも不安な場合は「重要事項説明書」に明記してもらいましょう!
売買も賃貸も契約をする前には、宅地建物取引士による重要事項の説明をすることが義務化されています。そして、その際に用いられる書面が「重要事項説明書」です。
不動産会社は「重要事項説明書」に記載する内容に責任を持たなければなりません。
もし、営業マンと約束した内容が、あなたにとって重要な内容であれば、重要事項説明書に追記することをお願いすると良いでしょう。
そうすることで、不動産会社の責任の基で確実に実行してもらうことができます。
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