中古住宅(一戸建て)を査定するとき、私たち不動産業者はどこを見ているのでしょう?
ご自宅を売却するときに、少しでも高く売りたいと思うのは当然のことだと思います。
では、実際に査定をするときに、不動産業者はどういった視点で査定をしているのでしょう?
今日は、査定の際に、私たち不動産業者が何を見ているか、そのポイントについて書いてみたいと思います。
まずは、中古住宅の定義とは、何でしょうか?
中古住宅と新築住宅の定義は明確になっています。
中古住宅は、建築後1年以上経過している物件のことです。
新築住宅は、建築後1年未満で、まだ誰も住んでいない物件のことです。
建築後1年未満でも、誰かが1日でも入居すると中古住宅になります。
誰も入居していなくても、1年を経過すると中古住宅になり、その場合「建築後未入居」というような表現で販売します。
売却するときの中古住宅と新築住宅の違い 買主様の判断基準
新築も中古も一長一短です。
将来の生活スタイル、家族の成長や老後の人生プラン、ご予算や地域によって、新築、中古の選択が変わってきます。
「安いから」、「新しいから」といった表面的な情報だけで判断するのではなく、長い人生を考えたときに、どちらにメリットがあるのかで判断する必要があると思います。
それでは、中古住宅と新築住宅のメリット・デメリットについて、例を上げてみたいと思います。
中古住宅のニーズ、売却時のメリット・デメリット
メリット:購入価格が新築と比べると安い・実際の物件を確認できる・物件価格の値下がり率が低い・すぐ入居できる・住みたいエリアに住める可能性が高まる
デメリット:住宅ローン審査が厳しい、設備が古い、欠陥・不備・老朽化がある、リフォームをすると意外に費用がかかる可能性がある
新築住宅のニーズ、売却時のメリット・デメリット
メリット:最新の設備のため維持費が中古と比べて安い、新品である、中古と比べると住宅ローンを受けやすい、税制優遇を受けやすい
デメリット:購入価格が中古と比べると高い、エリアが限られる、新しいエリアだと入居イメージがわきにくい、すぐ入居できない、売却時の価格が大幅に下落しやすい
中古住宅の売却査定に影響する情報
それでは、中古住宅を売却するにあたり、査定結果に影響を与える要素について書いてみます。
建築年数
建築年数は、全部事項証明書を見れば誰でも分かるので、どの時期の耐震基準をクリアしているかも分かります。そのため査定に大きく影響します。
また、木造の中古住宅で住宅ローン減税が受けられるのは、原則、建築後20年以内と決められているので「築20年」で資産価値が変わります。
建築年数は、ローンや購入価格に影響を及ぼしますが、築20年、30年でも生活するにあたっては全く問題のない物件も多くあります。
ただ、買主は築年数を一つの基準として物件を探しますので、築年数の新しい物件が有利になる傾向にあります。
耐震基準
建築基準法が昭和56年(1981年)に改正されたことで、住宅の耐震基準が、旧耐震と新耐震に区分され、さらに2000年には木造住宅に対する基準が変更されました。
◆旧耐震基準の建物(旧耐震):昭和56年(1981年)5月31日以前に建築確認申請の許可がおりた建物
◆新耐震基準の建物(新耐震):昭和56年(1981年)6月1日以降に建築確認申請の許可がおりた建物
◆2000年基準の建物:2000年6月1日以降に建築確認申請の許可がおりた建物
耐震基準は、建築確認済証や検査済証に記載されている建築確認申請日で判断します。なお、旧耐震の物件はすでに38年を経過しますので、建物の資産価値は無くなり、土地としての価格になる傾向にあります。
最近では地震が頻発していることもあり、耐震の重要性が再認識され、建物が古いほど、地震に対するリスクは上がります。築年数は、ただ「古い」というだけでなく、耐震面でも評価が変わるのです。
最近の地震では、築年数の浅い建物でも倒壊した事例があり、耐震基準をクリアしているから絶対安心だとは言えませんが、耐震基準の確認をするためにも築年数は重要な指標となります。
間取り
一般的な間取りは、3LDK(個室3部屋+LDK) と4LDK(個室4部屋+LDK)です。
こだわりの強いデザイン重視の物件は、ユニークすぎて生活しにくい場合や、段差が多い、デッドスペースがある、使いにくいサイズの部屋など、
シニアやお子さんのことを考えたユニバーサルデザインの観点での使いやすさ、実際に生活しやすいかどうかという点も査定に考慮されます。
また、キッチンや浴室、洗面やトイレが2つずつある二世帯住宅もニーズとしては低い傾向があります。
設備
設備では、水回り、収納スペース、生活動線のスムーズさ、天井の高さなどを確認ポイントとしてあげられます。
また、太陽光パネルなどの設備も評価対象になります。
駐車場がある場合に重要になるのが、その広さと道路幅と交通量です。
家の前の道路幅が狭く交通量が多いと、車庫入れの難易度が上がりデメリットになる一方、車の通りが少なく、道路幅が十分にあると、車を持つ人にとってはメリットになります。
経年変化・劣化具合
建物の劣化状態、ひび割れ、水回りの傷みや悪臭、シロアリや雨漏りの状況などを確認します。
カビや湿気の発生、壁や天井にシミは雨漏りの可能性があるので、修繕が必要な場合もあります。
使用状況が悪く、傷みが広範囲に確認される物件は、築年数が浅くても、買主側の印象に影響がでるので、価格にも反映されます。
リフォーム状況、リフォーム履歴
リフォームとは、キッチンやユニットバス、洗面台やトイレの交換、壁や天井のクロス、フローリングの張り替え、間取りの変更など、綺麗な状態にし、建物の価値を上げることです。
リフォーム済みの物件は、中古にも関わらず機能性が上がり、綺麗な状態であれば評価されます。
新築や築浅物件に劣らない内装であれば、物件価値は高く査定される傾向です。
リフォームしてから売却するということも可能ですが、リフォーム費用が高額になる、買主のニーズに合わない、などのリスクがあります。
その場合、リフォームせずに売りに出した方が、出費が少なくてすむ場合もあります。
物件の劣化具合によって、リフォームをするかどうか判断が必要です。
リフォーム、リノベーションの可能性
古い物件は、現代生活スタイルに合わないため、住みづらいというイメージを持たれがちです。
一方では、購入後のリフォームやリノベーションなどの需要が高まっています。
また、多少古くてもリフォームやリノベーションが可能な物件を不動産業者が購入し、フルリフォーム、イノベーションして再販売するケースも増えています。
立地条件、陽当りと風通し
陽当りや風通しの良さは、戸建て、マンションに共通の確認ポイントです。
開口部やバルコニーの方位や、周辺に日照の妨げになるような建築物がないかどうかも見ます。
陽当りの良さ、風通しの良さは、単に明るいとか気持ちいいという理由ではなく、湿気やカビの防止、室内環境の向上という観点からも重要な確認ポイントです。
周辺環境
スーパーマーケット、コンビニ、病院、学校、銀行、郵便局、交番、役所、最寄り駅は、生活する上で重要な施設です。
特に、ファミリー層は、通勤・通学のための交通の便、スーパーマーケットや病院の近さ、周辺環境と生活が密接に関係しているので、周囲にどんな施設があるか、どれくらいの距離があるかを重要視します。
小さな子どもがいる家庭では公園や幼稚園が近い方が好まれますし、若いご夫婦だと、飲食店や商業施設が近いことにメリットを感じるでしょう。
また、最寄り駅が徒歩20分より、徒歩5分の物件の方が査定ポイントとしては高くなります。
近隣環境の変化・物件の将来性
周囲に大型ショッピングモール、教育施設や病院の建設が予定されていたり、駅周辺が再開発の予定があったりすると、人の流れが増えてそのエリアが活性化します。
エリアの価値やニーズが高まるため、多少古い物件でも、大幅な査定額のマイナスを避けられる可能性が高いです。
大企業が移転し、駅周辺の人の出入りや飲食店など生活に必要な施設が増え、エリアとしての価値があがり、結果、物件の価値が数年前に比べて上昇または維持しているケースもあります。
過去、現在では、評価対象にならなかったものが、周辺環境の変化により、新しい魅力として評価されることもあるのです。
一方、過疎エリアや施設の閉鎖など衰退しているエリアであれば、価値が下がりやすい傾向です。
近隣住民とのトラブル
クレーマーや過去にトラブルを起こしたことがあるなど、近隣住民トラブルが発生しているなど問題がある場合は、やはり物件としての魅力は下がり、査定のマイナスポイントになります。
風俗街、繁華街が近かったり、治安が悪かったりするエリアも同様に評価は低くなります。
事件・事故物件
敷地内での事件事故は、査定においてマイナス要因です。事故物件の告知は、宅地建物取引業法により義務付けられていて、これらを隠して売却を行うと、告知義務違反になります。
大手ハウスメーカーの建築、地元工務店の建築
大手ハウスメーカーの物件だと、建物自体の信頼性が高い傾向にあります。
また、地元の工務店さんの建築だと、地域密着や地元での信用も有り、評価も高くなります。
一方、無名や規模の小さいメーカーの建物だと、その会社の財務状況を調べて信頼性を確認することが必要です。
再販売時の売却の可能性
築年数が古くなるほど資産価値は確実に下がりますが、リフォームされている、エリア環境が大幅に改善されている、次回の買い手がみつかりやすい条件を備えているかどうかも考慮します。
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