不動産の売買にかかる「消費税」課税されるものと、課税されないもの、個人と事業者
いよいよ10月の消費税増税までカウントダウンが始まりました。
不動産の売買では、消費税が課税されるもの、課税されないもの、また、不動産を売る人が、個人か事業者によっても、課税、非課税があります。
今日は、不動産の売買で消費税がどのように課税されるのかについて、書いてみたいと思います。
もしかしたら、「へぇ~そうなんだ!」と思われることも多いかもしれません。
これから不動産の売却を検討されるときには、是非参考にして欲しいと思います。
まずは、「消費税」について、ちょっとおさらいしてみたいと思います
「消費税」は、消費する行為に対し広く課税される間接税です。
納税する人は消費者になるのですが、事業行為をしている事業者が、消費者から「消費税」を一旦預かり納付する納税義務者になります。
つまり、消費者からすると「事業者を通して間接的に納付する税金」と言うことになります。
そして、令和元年10月1日以降は10%の税率で課税されます。
消費税の課税の対象は、どのようなものでしょうか?
国内で事業者が事業として「対価を得て行う」資産の譲渡や貸付、サービスの提供(資産の譲渡等)が消費税の課税対象になります。
事業者とは、個人事業者と法人を指しますが、具体的な内容は以下になります。
「対価を得て行う」とは、売主が商品の販売、サービスの提供をし、それに対して買主が代金を支払う取引のことです。
事業者が事業として行う取引とは、どのようなものでしょうか?
事業者が事業として行う取引とは、
事業者が「対価を得て行う」資産の譲渡等を繰り返し、継続かつ独立して行うこと。
法人は事業を行うことを目的に設立されているので、活動の全てが事業になります。
例えば、個人の中古車販売業者が行う中古車の売買は、事業になりますので、消費税の課税対象となります。
一方、サラリーマンなどの給与所得者が、自分の自家用車を手放すことなどは、事業として行う売買にはあたりませんので、自動車を売却した対価には消費税は課税されません。
それでは、不動産を売却するときの消費税課税対象は?
消費税の仕組みを踏まえて、不動産の売買時の課税対象について書きます。
具体的な課税対象は次の通りです。
●不動産会社へ支払う仲介手数料
●司法書士や土地家屋調査士に支払う報酬
●金融機関の融資事務手数料
●リフォーム費用
●課税事業者(不動産会社)が売主になる建物対価
不動産会社へ支払う仲介手数料や、司法書士の報酬などは、「対価を得て行うサービスの提供」ですので、消費税の課税対象になるのです。
売主が、課税事業者である不動産会社の場合は、消費税の納税義務者に該当します。そのため、不動産会社が販売する中古住宅やマンションについては消費税が課税せれます。
一方、サラリーマンなど、一般消費者が中古住宅を売った場合には、事業者でない個人ですので、課税されません。そのため、サラリーマンが中古住宅を売却しても消費税を納める義務は発生しないのです。
ただし、投資用マンションやテナントの売買を不動産賃貸の事業者である個人が売却した場合には、不動産賃貸事業などを事業として行っている個人事業主になりますので、消費税の納税義務が発生します。
不動産の売却で消費税が非課税となるものがあります!それは土地の売買です!
一方、不動産売却で非課税になるのは土地の売買です。
「土地は建物と異なり消費されるものではない」と考えられているので、土地取引に関する消費税は非課税です。
不動産の売買で消費税についての注意ポイント!
①不動産の販売価格は「税込」で表示されています。
広告などで表示される不動産価格については、「不動産の表示に関する公正競争規約(表示規約)」で「消費税等の額を含む」と規定されています。
そのため、不動産(建物部分)は消費税を含めた価格で表示をしています。
②仲介手数料は販売価格から消費税を引いた金額で計算します。
不動産価格は消費税込みで表示されますが、不動産会社の仲介手数料は、物件そのものの価格(成約本体価格)に対して報酬額を算出することになっています。
土地は非課税ですので、そのままの金額で手数料を算出しますが、建物価格に消費税が含まれている不動産の売買では、建物金額から消費税額を差し引いた全体金額(土地+建物)で仲介手数料を計算します。
消費税が含まれている不動産の仲介手数料の計算
売却価格:5000万円
内訳:土地価格:2,250万円① 建物価格:2,750万円② 建物消費税:250万円③
成約本体価格:①+②-③=4,750万円
仲介手数料:4,750万円×3%+6万円=1,485,000円
仲介手数料には消費税が課税されますので
1,485,000円×1.1(消費税)=1,633,500円となります。
この計算は、仲介手数料の上限額ですので、不動産会社と交渉することで値引きしてもらえる可能性は残しています。
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