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2020年07月10日
ブログ「未来の家」

相続物件の空き家の売却 譲渡所得の3,000万円特別控除

平成30年10月1日現在における総住宅数は6242万戸で、平成25年と比べると179万戸の増加となっています。

そのうち、「空き家」は846万戸と,平成25年の820万戸から26万戸(3.2%)の増加となっていて、総住宅数に占める空き家の割合(空き家率)は13.6%で、平成25年から0.1ポイント上昇していて過去最高となっています。

 

そのため、治安や景観の悪化、災害時の倒壊などが大きな社会問題となっていて、空き家対策が急がれています。

そこで今日は、平成28年度に税制改正で設けられた「空き家の譲渡所得の3,000万円特別控除」について書いてみたいと思います。

 

空き家をめぐる近年の動き

空き家については、それぞれの自治体が条例などで対応してきました。

 

そして、地域住民の生命、身体、財産の保護、生活環境の保全、空き家等の活用を目的として、平成27年に「空き家等対策の推進に関する特別措置法」が施行され、

相続、または、遺贈により取得した被相続人の居住用家屋、または、被相続人の居住用家屋の敷地等を、平成28年4月1日から令和5年12月31日までの間に売った場合で、

一定の要件に当てはまるときは、譲渡所得の金額から最高3,000万円まで控除することができます。

 

これが「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例」です。

 

空き家の譲渡所得の3,000万円特別控除の概要

相続日(亡くなられた日)から起算して、3年を経過する日の属する年の12月31日までに、被相続人(亡くなられた人)の居住の用に供していた家屋(自宅)を相続した人が、その家屋(※)または、取壊し後の土地(更地)を譲渡した場合には、その家屋、又は土地の譲渡所得(売却利益)から、3,000万円を控除するというものです。

(※)自宅が耐震性のない建物の場合は、耐震リフォームする必要があります。

 

この特例を適用した場合の、譲渡所得(売却利益)の計算式です。

 譲渡所得 = 譲渡価額 - ( 取得費 + 譲渡費用) - 特別控除3,000万円

わかりやすく言い換えると、

 売却利益 = 売却価格 - ( 購入費+ 売却費用) - 特別控除3,000万円

※取得費、購入費とは、購入したときの価格と、購入にかかった費用の合計です。

 

つまり、3,000万円の控除が適用されれば、

 税額に換算すると約600万円(※)の税額が、軽減できるのです。

(※)長期譲渡所得の場合の税率は

 (所得税15.315%)+(住民税5%) = (合計20.315%)となりますので、

 3,000万円 × 20.315% = 6,094,500円が譲渡税です。

 

空き家の譲渡所得の3,000万円特別控除の適用ポイント

この特例の適用要件と適用に際して、特に気を付けて頂きたい点は、

 

 相続開始直前において、被相続人(亡くなられた人)が、1人で住んでいたこと

なお、要介護認定等を受けて老人ホームに入所するなど、特定の事由で相続開始の直前に被相続人が住まなくなった場合で、一定の要件を満たすときは、住まなくなった直前まで被相続人の自宅だった家屋は、「被相続人居住用家屋」に該当します。

 

 昭和56年5月31日以前に建築された家屋であること

(区分所有家屋(マンション)を除く)

 

 相続の時から譲渡の時まで、

事業の用、貸付の用、又は居住の用に供されていないこと (空き家のまま)

相続後に、空き家にしておくのは、もったいないので賃貸にする人や月極駐車場にする人もいますが、その場合、要件を満たさなくなります。

 

 譲渡価額(売却価格)が、1億円以下であること

1億円ギリギリに売却価格を設定する場合は注意が必要です。不動産の売買では固定資産税等の清算を行いますが、その清算金は、譲渡価格に含まれますので、清算金を含めることで、1億円を超えてしまうかもしれませんので注意をしてください。

 

 相続日から起算して、3年を経過する年の12月31日までに譲渡すること

例えば、令和2年8月17日に亡くなられたとしますと、3年目は、令和5年8月17日となり、その年の年末である、令和5年12月31日まで、となります。この制度の適用期限も、この日までです!

 

 平成28年4月1日から令和5年12月31日までの間に譲渡(売却)すること

適用期限にも、注意が必要です。

 

 家屋を取り壊さずに譲渡する場合には、家屋が新耐震基準に適合していること

なお、取り壊してから売却する場合は、解体前の写真など、証拠になるものが必要になります。解体後に気が付くなど、手遅れとならないようにしましょう。

 

また、この特例の適用は、家屋が主体になります。

家屋全部を長男が相続し、土地を長男と次男が共有で相続し、その後、譲渡(売却)した場合、家屋の所有者である長男にのみ、この特例が適用され、土地のみの次男には適用されません。特例適用を満たすためには、遺産分割の協議時点から気を付けましょう。

 

このように、適用要件がたくさんあり、用意する書類もたくさんありますので、この特例を受ける可能性がある場合は、早めに準備することをお勧めします。

 

◆詳しくは、国土交通省のホームページを参考にして下さい。

 

平成31年度税制改正ポイント

これまでは、相続開始の直前まで、被相続人が家屋に居住している場合のみが適用
対象でしたが、

平成31年4月1日以降の譲渡について、要介護認定等を受け、被相続人が相続開始の直前まで老人ホーム等に入所していた場合も、一定要件を満たせば適用対象となります。

 

被相続人居住用家屋等確認書申請における確認事項及び提出書類

まとめてみました!

空き家は、維持管理の面からも、遺された人たちの負担になります。

早めに、ご家族で話し合いをして、空き家になった場合の対策を立てておくことをお勧めします。

 

そのためには、税理士などの専門家の助言も役立ちます。

未来家不動産では、税理士による『住まいの無料税務相談』を行っておりますので、必要であれば、是非ご利用ください。

 

相続で取得した空き家を、何とかしなければと、思いながらも、多くの場合、そこは、自分たちが生まれ育った、思い出の深い実家です。

処分するにも、なかなか決心がつかない、というのが現実ではなのでしょうか。

 

その意味では、適用要件を整えるだけではなく、遺された、ご家族の気持ちの整理も、必要なのかもしれません。

 

この記事を書いた人
清水 浩治 シミズ コウジ
清水 浩治
◆ブログ「 未来の家」では、私の住む街「加古川」の魅力を紹介、不動産に関する豆知識や、トラブル解決など、情報発信を日々行っております。◆「家や土地の物件情報も大切です。しかし、もっと大切な情報があるはず!」と、私は、いつも考えています。◆加古川市で暮らしていただくうえで、大切な子育てや、お役立ち地域情報、不動産の取扱いについて知っていて欲しいことを最優先で発信しています。
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