家の解体で「解体費用が変わる要因」と「解体工事を依頼するときの注意点」
前回のブログでは、「家の解体費用って、いくらくらい掛かるのですか?解体費用相場と解体工事見積から工事完了までの流れ!」について書きました。
今日は、前回に続くシリーズとして、解体費用は現場の状況によっても金額が変わることと、解体工事を依頼するときの注意点について書きたいと思います。
前回のブログと併せて読んでいただけると、家の解体工事の全体像が、ご理解いただけると思います。
家の解体費用が変わる要因とは?!
1.施工条件(現場の状況)
解体費用は施工条件によって、大きく金額が変わります。
解体工事で安くできるのは、例えば、広い敷地なのに建物は小さく、周りに家が無くて、尚かつ、前面道路の幅が広くて重機も搬入しやすい現場です。
一方で、閑静な住宅街で、比較的狭い敷地に建物がぎりぎりに建っていて、前面道路が狭くて、重機の搬入が難しい現場では、機械作業ができる部分を手作業でしなければならないので、解体費用は高くなります。
また、現場の近くにスクールゾーンなどがあれば、危険防止のためガードマンを増員しなければならないので、人件費が増え解体費用も割高になります。
2.解体するための重機の保有
解体工事も下請け構造となっていて、末端の会社になるほど工事費は安くなります。末端の会社は自社で解体重機を保有しているので、解体費用が安くなるのです。
一方で、下請けに発注する会社や、重機をレンタルする会社は、解体工事費用が割高になります。
一般の人には重機の保有の有無までは分かりませんが、解体工事会社とのつながりがある不動産会社や新築請負工事会社であれば、重機を保有している会社を把握しています。
解体工事を依頼するときの注意点とは?!
1.家庭ゴミは自分で処分する
解体工事を依頼するときは、家庭ゴミは処分して、空き家の状態で依頼しましょう。
家庭ゴミは「一般廃棄物」に、解体工事で出る建材等は「産業廃棄物」に分類され、収集運搬には、それぞれ別の免許が必要となります。
通常、解体工事会社は産業廃棄物の収集運搬は可能ですが、一般廃棄物の収集運搬の免許を持っていないことがほとんどなので、家庭ゴミが残っていると、搬出することができないので解体自体ができなくなるのです。
2.固定資産税の課税 1月1日を意識する
固定資産税は、毎年1月1日の状態で、1年間の税額が決定されます。そのため、解体工事は、1月1日を意識することが重要になります。
「固定資産税」は、土地や建物を所有している限り、毎年かかる税金で「評価額」が基準となります。
建物が無い更地は、「評価額」がそのまま「課税標準額」になり、標準税率の1.4%を掛けた金額が「固定資産税」になります。
一方、土地に住宅があると、
小規模住宅用地(住宅1戸当たり200㎡までの部分)は、固定資産税が「6分の1」に、一般用住宅地(住宅地の200㎡を超える部分)は、固定資産税が「3分の1」になります。
もちろん、建物は解体すれば固定遺産税は掛かりませんが、建物の固定資産税が無くなるのと、土地の固定資産税が上がるのを計算して、解体の時期を決めてください。
3.ご近所への配慮を十分に行う
解体工事は、新築工事よりも騒音や振動、ホコリが多く発生します。そのため、ご近所トラブルが非常に多いのです。
解体工事期間中は、近隣への配慮を十分過ぎるくらいに行ってください。
具体的には、工事を依頼するときには、現場の工事長に、「近隣には十分に配慮してください」と念を押すようにしてください。その際に、工事の工程表も作ってもらってください。
近隣挨拶の際は、現場の工事長と一緒に回り、同時に工事工程について説明してもらいましょう。そして、トラブルが発生したときには、工事長に迅速に対応してもらうためにも、工事工程表には工事長の連絡先も明記してもらいましょう。
最後に「マニフェスト伝票」と「賠償責任保険」
解体工事の依頼先を選ぶ際には「安ければそれで良し」では無く、「本当に信頼できる業者かどうか」という確認も重要です。
特に、解体工事でトラブルが起こった場合には、あなたにも責任を追及される場合がありますから重要なポイントです。
確認するべきポイントは「マニフェスト伝票を保管しているか?」と「賠償責任保険に加入しているか?」です。
マニフェスト伝票は、廃棄物をどのように処分したかを記した履歴書で、解体業者は現場ごとに発行し、5年間の保管義務があります。正しい廃棄物処理をしている業者であれば必ず保管している書類です。
そして、ご自身の工事に関する伝票は必ず受け取るようにして下さい。マニフェスト伝票には「A票~E票」までありますが、最も大切なのは最終処分先の書かれている「E票」です。
ご自身でも廃棄物の処理が合法に行われたか確認することで、施主としての確認責任を果たしましょう。
また、賠償責任保険は、万が一、工事中事故が起こって、ご近所に迷惑をかけた場合にそれを補償するものになります。少なくとも5000万円以上の保険には加入しているべきでしょう。
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