不動産売買で「売主様が遭遇するトラブル」Worst5とその対処方法<対買主編>Part4
今日は、不動産売買で売主様が遭遇するトラブルとその対処方法について書いてみたいと思います。私の30年以上の不動産取引の経験の中で多いと感じているWorst5トラブルです。
不動産の売買では、昔からトラブルが頻繁に起きやすいと言われています。
事前に頻繁に起きるトラブルの内容とその対処方法を知って、トラブルを回避してください。
前回は、買主様とのトラブルのうち
「1.土地の境界を巡るトラブル」
「2.設備に関するトラブル」
「3.瑕疵担保責任に関するトラブル」について書きました。
今日は、
「4.手付金に関するトラブル」について書きます。
売主様が遭遇するトラブル Worst5<買主編>
私の30年以上の不動産取引の経験の中で、
売主様が買主様との間で遭遇したトラブルWorst5は次の通りです!
1.土地の境界を巡るトラブル
2.設備に関するトラブル
3.瑕疵担保責任に関するトラブル
4.手付金に関するトラブル
5.契約解除に関するトラブル
それでは、今日は「4.手付金に関するトラブル」につて書きます。
4.手付金に関するトラブル
売買契約締結時には、買主から売主へ手付金を支払います。
一般的には、この手付金は「解約手付」として取り扱われ、売買契約締結の証として支払われます。
物件引渡し時には、売買代金の一部に充当されますが、
売買契約を解除したい場合は、
売主は、手付金の倍額を買主に支払(手付倍返し)うことで、
買主は、手付金の返還請求を放棄する(手付放棄)ことで解除ができます。
このように、売主も買主もお互いに
契約の解除権を有していることが「解約手付」の意味です。
手付解除には条件があります
解約手付だからと言って、いつでも契約を解除できるわけではありません。
手付解除を行うには「相手方が契約の履行に着手する迄」である必要があります。
不動産取引の場面では、例えば売主が契約条件として建物の解体を始めたり、買主が手付金以外の中間金を支払った場合は、手付解除はできない可能性が高くなります。
実際には「契約の履行に着手」したかどうかは、争いになることも多く、最終的には司法の判断を受けることになるでしょう。
いずれにしても、解約手付としての設定でも、いつでも自由に契約解除ができるわけではないことに注意してください。
手付の額と解除期日の設定
「契約の履行に着手」の見極めが難しいため、一般の方同士の売買では手付解除ができる期日を契約上で定めることが多いです。
例えば「手付解除ができるのは令和〇年〇月〇日まで」と決めて行きます。
この期日の設定には、FRKなどの指針がありますので、不動産会社の担当者に確認をするようにしてください。
次に気になる手付の額ですが、これは法的な決まりがありませんので、当事者間で決めることができます。
以前の商慣習では、売買代金の1割程度が相場ですので、これを基準にする場合もありますが、安過ぎると買主からの解除がし易くなりりますので、不動産会社の担当者に額の交渉もお願いするようにしてください。
また、額が高すぎると、売主が解除したい場合に、その分負担が高まりますので、他の条件交渉と合わせて可能な範囲で設定することが必要でしょう。
手付の額や契約解除期日についての条件設定は、当事者間で意識を共有しておかないとトラブルにつながるので注意してください。
次回は「5.契約解除に関するトラブル」です
次回は、私の30年以上の不動産取引の経験の中で、
売主様が買主様との間で遭遇したトラブルWorst5のうち
5.契約解除に関するトラブル
について書きますので、併せてお読みください。
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