売買契約前の買主様の心構えと注意点!売主様のこともちょっとだけ含まれています
家の売却やマイホームの購入する人は、売買契約書に署名押印するまでにいろいろな不安や疑問を持たれることは、当たり前のことだと思います。
経験することが少ない不動産の売買ですので、何に注意をしたらいいのか、どのような気持ちで臨んだらいいのか、不安ばかりです。
そこで今日は、あなたの不安を少しでも取り除くことができればと思い、売買契約に臨む前の基本的な心構えと注意点について書いてみたいと思います。
日常では「売ります・買います」の意思表示だけで売買が成立してます
普段の日常生活の中にも売買契約がたくさん存在します。
例えば、八百屋さんで野菜を売っています。
奥様が、その野菜を買います。
これもれっきとした売買契約です。
民法では「売ります」「買います」の意思表示だけで売買が成立するのです。
何気ない日常の中にも契約が成立しているのです。
不動産の売買契約は口約束だけでは成立しません
ところが、不動産は唯一無二の貴重な存在ですので、売買契約条件も物件ごとで多岐にわたります。また、高額な財産ですので、野菜のようにその場でキャッシュで買う人はほとんどいません。
ですから、口約束だけでの契約では将来にトラブルになることも少なくないのです。
そのため、契約前の交渉内容や条件を契約書に明記することで、売主も買主も確認ができ、契約内容の解釈で疑義が生じないように余談のない文言にする必要が有るのです。
売る側と買う側とでは相反する利害を持っていますので、自分に都合のいいように判断してしまうとトラブルに発展します。ですから、不動産取引の専門家である宅地建物取引業者(不動産会社)が双方の間に入って、物件ごとの取引きに応じた売買契約書を作成するのです。
そして、売主も買主も契約内容で分からないことや曖昧なことは不動産会社に説明を求め、十分に理解したうえで売買契約に臨んでいただきたいと思います。
売主の契約前の注意点、物件の範囲と告知義務
売買契約では、対象となる不動産が特定されていることが重要になります。つまり、売主は、何を売るのかをはっきりさせなければならないのです。
簡単に「売るのは土地と建物です」と考えてはいけません。
土地なら、隣地との境界を確定させ、その範囲と面積を、建物なら、その面積や種類、物件の状況などを明確にしなければならないのです。
また、重要になるのが、買主が売買価格について誤った判断をしないように、不動産に関する内容は全て包み隠さず告知することです。
後になって「その内容を知っていたら買わなかった」と言われることのないように、いいことばかりではなく悪いところも告知をしてください。
これが売主の告知義務で、これを怠ると、後になって買主から損害賠償を請求されたり売買契約を解除されることもあり得るのです。
売却物件には、不動産業者では分からない、売主にしか知りえない内容が有ります。ですから、売主は告知しなければならないことや引き継ぐべき内容について、売買契約前に不動産業者と十分な打ち合わせを行ってください。
そして、打合せ内容は、後で「言った、言わない」のトラブルにならないように重要事項説明書や売買契約書に明記してもらうようにしてください。
買主の契約前の注意点、購入理由、希望物件、資金計画
家(マイホーム)の購入では、買主様には資金計画や物件の選択、購入の決断までは、十分な時間を使って、あなたのペースで進めていただきたいと思います。
時には、不動産業者から購入の決断を急がされることも有ると思いますが、物件を見たときに、いくら気に入っていても焦って購入を決断すると、後で後悔することも少なくありません。
気持ちの持ち方とすれば「他の人に買われてしまうのであれば、この物件にはご縁が無かったのだ!」と思えるくらいの余裕も持ってください。
そのためにも、あなたの購入理由、希望する物件の内容、資金計画について、再度確認をする必要があるのです。
住宅ローンの事前審査は物件を探し出す前に!
全額自己資金(キャッシュ)で購入する人には関係のない内容ですが、住宅ローンを利用して購入する場合は、物件を探し出す前に、金融機関の事前審査を受けていただくことをお勧めします。
住宅ローンの事前審査は、実際に融資申し込みをするのと同じ内容で借り入れができるかを審査するものです。
あなたの年齢、年収、勤務先、勤続年数、そして、他の借入状況、過去の履歴などの個人信用情報を用いて審査をします。
そのためにも、あなたの購入理由を基本に、将来のライフスタイルや生活設計を確定させておくことが大切になってくるのです。
そして、事前審査の結果、融資承認がおりれば資金計画は、ほぼ確定しますので、その範囲内を購入予算として物件を探せば、気に入った物件に巡り会えたときに、資金計画を気にせず決断することができるのです。
これは不動産業界の「あるある」なのですが、あなたが気に入った物件を見つけると、同じ物件を検討する人が、あなたと同じタイミングで現れる、と言うことがよくあります。
購入したい物件が見つかると、その売主様に対して買付証明書(購入申込書)を提出して条件交渉を行います。ところが、他の人と同時期に申込書を提出することになってしまったときの優先順位の決め方の一つに、資金計画が確定していることが重要になるのです。
Aさんは、事前審査の融資承認がおりている(資金計画が確定している)
Bさんは、これから事前審査を初めて受ける(本当に購入できるか未定)
この差は売主様にとっても大きいと言うことです。
購入物件の内容と契約条件の確認
物件の内容は、不動産会社が作成する「物件資料」や「重要事項説明書」で確認し、契約内容は「売買契約書(案)」や「付帯設備表」「物件状況確認書」で確認ができます。
ですから、重要事項説明書や売買契約書などの契約関連書類は、契約締結日の数日前に、その写しをもらって事前に確認し、理解できないことや曖昧な内容は契約までに説明を受けるようにしてください。
ここで注意をして欲しいことは「重要事項説明書の説明は売買契約締結前に行うこと」とされているため、契約当日に説明をする不動産会社が多いことです。
それでなくても、契約関連書類は専門用語や法律的な内容で理解しずらいのに、契約当日に行き成り説明されても多分「ちんぷんかんぷん」だと思います。
だからこそ、事前に書類の写しをもらって確認し、分からないことは契約までに説明を受けるようにしてください。
売主と買主が直接対面で契約することをお勧めします!
売主様と買主様が直接対面せずに不動産業者が契約書類を持ちまわることで契約調印するケースがありますが、本来は売主様、買主様双方が顔を合わせて契約調印することが望ましいのです。
事前にもらった契約関連書類では、売主様にしか分からない内容が有り、直接確認することが安全な取引の第一歩になりますので、持ち回りでの契約調印は、あまりお勧めできません。
そして大切なことは、契約書類への署名押印は、それぞれの書類の文言を一つひとつ確認し理解のうえ、あなた自身の手で確実に行うようにしてください。
売買契約よりも売買契約前の方が重要!
不動産の売買契約は、契約そのものよりも、契約前の段階が重要になるのです。
なぜなら、売買契約は契約前の交渉内容、条件や約束事を書面に明記して、その内容を売主と買主が確認し合うものだからです。
契約前の不安や疑問、曖昧な内容は、そのままにしないで不動産会社の担当者や売主に確認し納得のうえ売買契約に臨んでください。
関連した記事を読む
- 2024/10/28
- 2024/10/27
- 2024/10/26
- 2024/04/09