少しでも早く買主に巡り会うための売出し価格の設定方法とは?
家を売却するときは、不動産会社に依頼して査定価格を出してもらいますが、売主様のほとんどは、提示された査定価格のまま売りに出すのだと思っています。
査定価格のまま売りに出したことで、すぐに売れてしまった人や、なかなか売れずに苦戦している人がいます。
そこで今日は、早く買主様が現れて、かつ、できるだけ納得できる価格で売却するための「売出し価格」の設定の方法について書いてみたいと思います。
失敗事例、査定価格を鵜呑みにしたことで後悔
このブログを読んでいただいている人の中には、すでに不動産会社に査定を依頼して、媒介契約も結び「売却活動スタート!」という段階の人がいるかもしれません。
あるいは、家の売却を検討していて、不動産の売買の流れについて勉強中の人もいるかもしれませんね。
ここで少し、不動産会社の査定価格を鵜呑みにしてしまい後悔した事例をご紹介します。
◆初めて不動産を売却された人のお話です。誰にも相談せず、相場もわからず、近隣成約事例も調べないまま、不動産会社の査定価格を運身にして売却活動を始めました。
不動産会社が提示した査定額で売り出しただけあって、買主様が数日で見つかり売却は完了したのですが、後になって調べてみると相場よりもかなり安い値段だったのです。
◆希望通り、あるいは、希望以上の査定価格を提示されたことに喜んでしまい、その価格で売り出したものの、内覧希望者はもちろん、問合せ自体が全くない状況が続き、値引きを繰り返し、結局相場以下の価格でしか売れなかったのです。
不動産業者の見え隠れする悪意
失敗事例を紹介しましたが、そこには、不動産業者の見え隠れする悪意が存在します。
例えば(分かりやすく極端な表現をします)
◆不動産業者の担当者が、依頼を受けた物件が、市場から見て人気が無い物件だと判断すると、営業活動に余計な経費をかけるより、何もせずに買主が見つかり、すぐに売却できるような価格を設定して方が得策と考えるかもしれません。
◆専任媒介契約や専属専任媒介契約の締結を優先する目的で、不動産会社が意図的に相場よりも高く、あるいは、他社よりも高い査定価格を提示し、売れなければ後で徐々に値引きをしていけばいいと考えているかもしれません。
分かりやすく極端な表現をしましたが、これに近い事例が有るのも事実です。
ですから、実際に家を売ることを決めたのであれば、不動産会社に査定を依頼する前には、必ず近隣事例の確認が必要なのです。
すでに不動産会社を決めようとしている人で、まだ調べていないのであれば、ここで一度、相場や事例を確認することをお勧めします。
買主が魅力を感じない売出価格は意味がありません!
相場や事例が分かれば、不動産会社の査定価格を基に「売出し価格」を決めて行きますが、ここで注意をして欲しいことが有ります。
例えば、あなたがマンションを売ろうとしたら、同じマンション内に別の部屋がすでに売り出されていた場合、その部屋の価格を大きく上回るような価格設定は、買主から見ると「なぜ、こんなに高いの」と疑問を感じてしまいます。
もし、あなたが、安くてもいいから早く売りたいと思ったとしても、相場よりも極端に安い価格を設定すると「何か事件や事故が起こった物件かもしれない」と不安を与え敬遠されるかねません。
つまり、売出し価格は、売主の希望価格を優先するよりも、相場の範囲に収めることが良い結果に繋がるの設定の仕方なのです。
このように買主に違和感を与えず「この価格なら内覧してみたい」と思っていただけることが大切です。
内覧者が来なければ、いつまでたっても売れないままです。それでは、売りに出した意味が有りません。
買主の立場になりながら、あなたの希望額と査定価格を基に不動産会社と相談して売出し価格を設定してください。
内覧者も問い合わせも無い場合は・・・・
適切と思われる売出し価格を設定したはずなのに、2ヵ月も3ヵ月も内覧希望者が現れず、ましてや問合せ自体も無い、と言う状況になることも有ります。
売出し時期のタイミングや、近隣に類似の売出し物件が多いとか、この度のような新型コロナウイルスでの自粛ムードのようなことが原因にあります。
最悪、売れなくてもいい、という売主様なら強気で価格を維持しても良いと思いますが、ほとんどの売主様は「必ず売りたい」と思っています。
そのような状況の中でも、売らなければならない場合は、買主に魅力を感じてもらえる価格設定の見直しが必要になるのです。
その場合、まずは、いくらまでなら値段を下げてもいいのか試算をしてみて下さい。
ただし、ほとんどの買主様は値引き交渉をしてくる可能性がありますので、それに対して拒否するのではなく、多少は応じられる余裕を持った最低額とすることをお勧めします。
値引き交渉に応じることで、買主様には「自分のために譲歩してくれた」という良い印象を持ってもらえる可能性があり、話を進めやすくなります。
住宅ローンの残債などの現実的な理由で売出し価格を下げることができない場合もありますが、最終的な目標が「売れること」である以上、内覧者が現れなければ何も進まないのです。
買主はいつもあなたの物件を見ています!
例えば、
買主が「この地域で、こんな物件を探したい」との思いで物件を探し始めたところ、その希望にあなたの家が該当したとします。
買主は「この地域に、こんな物件が在るんだ」と、あなたの家に関心を示します。
買主は、他にも希望に合う物件はないかと、何週間も何か月間も希望地域の類似物件を検索し続けます。
検索の度に、あなたの家がヒットして掲載しているのを見たら「この物件って、まだ売れ残っているけど何か問題があるのかな?」と、段々と敬遠することになるのです。
売出し価格にこだわりすぎて長期そのままの状態でいると、さらに買主を遠ざけることになりるのです。
そうならないためにも、不動産会社と市場の傾向などを相談しながら、売出価格の見直しを行うことをお勧めします。
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