不動産売買の仲介手数料について、知っておくべきこと!【rewrite】
不動産を売買するときに「仲介手数料」という言葉を聞かれると思いますが、その内容や相場、そして、同じ売買価格なのに不動産会社によって仲介手数料の額が違うのはなぜなのか? 気になっている人は多いと思います。
私も時々「仲介手数料は値引きできますか?」というご相談を受けることがありますし、最近では、「仲介手数料を無料にします」という不動産会社さんもいますので、逆に「値引きや無料にして問題はないのですか?」という点も気になるところだと思います。
そこで今日は「不動産売買の仲介手数料について知っておくべきこと!」についてお話をしたいと思います。
下の目次が「仲介手数料」について今日お話をする内容です。
項目が多いように感じるかもしれませんが、内容は広く浅く的になっていますので、最後まで聞いていただければ、これから不動産の売買を検討される人にはきっとお役に立つと思います。
【rewrite】2022.007.09 【Original posting】2018.11.03
仲介手数料とは?
仲介手数料とは、不動産の売買や賃貸借契約の際に「仲介」をしてくれた不動産屋さん支払う報酬のことです。
ただし、不動産の仲介手数料は取引が成立したことに対する「成功報酬」になりますので、物件の売却や購入、あるいは、賃貸借の仲介を依頼したとしても、売買契約や賃貸借契約が成立しなかった場合は支払う必要はないものです。
それが不動産の仲介手数料になります。
ここでは、不動産の仲介手数料は「成功報酬」ということを覚えておいてください。
仲介手数料を支払わなくてもいいケースとは?
不動産売買において、仲介手数料を支払う必要がない場合があります。仲介手数料を支払う必要があるかどうかは、物件の「取引様態」つまり不動産会社の立場によって変わります。
不動産会社の取引態様は大きく分けて「売主」「代理」「媒介(仲介)」の3つになります。
(1)売主
取引態様の「売主」は、不動産会社が所有する物件を、自らが売主として直接取引することを言います。
実際のケースで言うと、新築マンションや新築一戸建て、リノベーション済みマンションなどの事業を行う不動産会社が「売主」の取引態様を取る場合が多いです。
不動産会社が自ら所有している土地や建物の売却に直接あたりますので、仲介手数料は発生しません。なぜなら、そこには仲介業者の介入が無いからです。
不動産業者が自ら売主になり直接取引を行う場合は、仲介手数料は不要、と覚えておいてください。
(2)代理
「代理」の取引態様は、売主から代理権を与えられた不動産会社が、売主に代わって販売から契約までの業務を行うことを言います。
買主が代理権を持つ不動産会社と締結した売買契約は、法的にも売主との契約と同等に扱われるため、買主側からすれば、「売主」の取引態様の場合と形式は変わりませんので基本的に仲介手数料は発生しません。
ただし、取引内容によっては手数料が発生することもあるので、念のため事前に確認することをおすすめします。
代理は売主と同等に扱われるので、基本的には仲介手数料は不要、と覚えておいてください。
(3)媒介(仲介)
取引態様として最も多いのがこの「媒介」になるでしょう。
これは、売主と買主の間に立って、不動産仲介会社が取引に関わる業務を行うことを言います。一般的には「仲介」と呼ばれることのほうが多いですね。
仲介手数料については、契約から引き渡しまでの一連の業務を仲介会社がサポートしてくれますので、そのための報酬として発生するものだと思っていただければ大丈夫です。
複数の物件で迷っている場合で、仲介手数料を節約したいとお考えであれば「売主物件」 を選ぶか、はじめから仲介手数料を無料にしてくれて、なおかつ、ちゃんとお仕事をしてくれる不動産会社を探すことをおすすめします。
不動産業界的仲介手数料の仕組みについて
売買の場合は、大きく分けて2つのケースがあります。
(1)一つの売買に仲介業者が1社のケース
仲介業者が1社の場合、売主様と買主様の両方から仲介手数料をもらうことが出来ます。業界では「両手取引」「両手仲介」と呼ばれ、仲介業者としては一番ありがたいケースです。
(2)一つの売買に仲介業者が2社のケース
売主側と買主側にそれぞれ担当の仲介業者がおり、売主担当は売主様から、買主担当は買主様から手数料をもらうことになります。業界では「片手取引」「片手仲介」と呼ばれています。
両手取引、片手取引と言う言葉は後の説明にも出てきますので覚えておいてください
仲介手数料の計算方法は?
宅地建物取引業法では、売買金額により「手数料の上限額」が定められています。
<不動産の売買価格と手数料の上限>
200万円以下 ・・・・・・・・5%
200万円超400円以下・・・4%+2万円
400万円超・・・・・・・・・3%+6万円
ですので、1,000万円の物件を売買した際の「仲介手数料の上限」は1、000万円×3%+6万円=36万円(消費税別)となります。
ポイントは、法律で定められているのはあくまで宅建業者が受け取ることができる「上限額」のみです。
ですから、上限額が36万円の場合、それを20万円にしても10万円にしても0円にしても法律上、問題は無いということになります。
ちなみに1,000万円の「両手取引」の場合は上限で倍の72万円になる、ということです。
仲介手数料はいつ支払う?
一般的には、国土交通省の通達に従い、
契約締結時に仲介手数料50%を支払い、
取引完了時に残りの50%を支払うことが多いですね。
ただ決まっているわけではないので、
あなたと不動産仲介業者との間で了承すれば、
契約締結時、あるいは取引完了時に全額支払いでも問題ありません。
仲介手数料無料は問題ないのですか?
先ほど答えを書いてしまいましたが、
仲介手数料は、あくまでも法律で「上限額」が定められているだけですので、不動産会社により、仲介手数料を半額やゼロ円に調整することは可能です。
つまり、
不動産会社の判断で、仲介手数料をゼロ円にしても問題はない、ということです。
仲介手数料の計算上の注意点
仲介手数料を計算するときの基礎となるのは「消費税を含まない売買価格」になります。これを「成約本体価格」と言います。
たとえば、売主が不動産業者で課税業者の場合は、建物価格に消費税が含まれます。
この場合は、売買価格から消費税を引いた「成約本体価格」で計算することになりますので、覚えておいてください。
ちなみに土地には消費税は課税されません。
売買契約の解約時の仲介手数料は?
仲介手数料は成功報酬ですので、売買契約が成立していなければ支払う必要はありませんが、契約解除の場合は、一旦契約が成立していますので、仲介手数料の支払いは、どうなるのか、気になるところだと思います。
一般的には契約成立後に解除が考えられるケースとしては、
(1)手付解除
(2)違約解除
(3)融資利用の特約による解除
(4)滅失毀損による解除
があります。その場合の仲介手数料はどうなるでしょう。
(1)手付解除・(2)違約解除
この場合は、売買契約が一旦成立しておりますので、不動産業者には仲介手数料の請求が認められています。
したがって、仲介手数料を支払わなければならない場合があります。
(3)融資利用の特約による解除
これは、買主が物件購入にあたり融資を利用する場合、万が一金融機関による住宅ローンの審査が通らなかった場合、契約を白紙に戻すことができる、という特約です。
白紙にもどすとは、白紙解除のことで、契約時点に遡って、この契約が無かったことにしますので、この場合、仲介手数料は支払う必要はありません。
(4)滅失毀損による解除
これは、売買の対象不動産が引渡し完了前に天災地変や、売主、買主いずれの責任でないことで、対象不動産が滅失または毀損して売買契約をすすめることができなくなったときに、互いに書面により相手方に通知することで、売買契約を解除することができるのですが、この場合も白紙解除になりますので仲介手数料を支払う必要はありません。
仲介手数料は値引き交渉できますか?
現実としては、値引きに応じてくれる不動産業者は、それほど多くないと思います。
先に書いた通り「両手取引」で手数料を倍もらっている不動産屋さんなら、交渉しやすくなるかもしれませんが、応じてくれる可能性は低いと思っていた方がいいでしょう。
交渉することで手数料が安くなることは、いいことかもしれませんが、安くしたことで仕事の手を抜かれてしまっては本末転倒です。
ですから、値引きに応じてくれたとしても、ちゃんと仕事をしてくれる不動産会社、あるいは、はじめから仲介手数料を値引きや無料にしてくれて、なおかつ、当り前の仕事を当たり前にしてくれる不動産会社を探した方がいいかもしれませんね。
仲介手数料を値引きや無料にしてくれる不動産会社の探し方は、Googleなどで「〇〇市 不動産会社 仲介手数料無料」「〇〇市 新築一戸建て 仲介手数料無料」などと検索すれば、けっこうな数の不動産会社さんが見つかりますので、その会社のホームページにしっかり目を通して納得のいく会社を選ぶようにしてください。
YouTube 動画もご覧ください
関連した記事を読む
- 2024/10/09
- 2024/02/19
- 2023/03/27
- 2022/08/25