【逆浸透膜浄水器】ミネラルウォーター・ペットボトルブームの火付け役
「おいしい水」「ないなにの名水」「どこそこの霊水」「ミネラルウォーター」と、今や水は買って飲む時代です。
でも、冷静になって考えてみてください。
これらの「おいしい水」と称するものが、果たして本当に安心して飲用できるのでしょうか?
つまり「おいしい水」イコール「安全な水」なのでしょうか。
市場にはたくさんのペットボトルが氾濫していますが、各機関から種々のペットボトルの試験データーが発表されています。
そのほとんどが、何ら水道水と変わらないか、それ以上に有害物質が多いという結果になっています。
はたして、どれだけの人がこの実態をご存じなのでしょう。
ミネラルウォーターと言えば、誰もががミネラルの入った水だと思ってしまいますが、
中には、ミネラルのないミネラルウォーターも販売されているのです。
そこで今日は「ミネラルウォーター・ペットボトルブームの火付け役」について書いてみたいと思います。
ミネラルウォーターの売上増は水道水への不信感
水道水への不安感・不信感からミネラルウォーターの売り上げは伸びてきましたが、
はたして本当にその不安不信を払拭できるものなのでしょうか。
ミネラルウォーターの売上が増えたのは、水道水のトリハロメタン問題や、琵琶湖や霞ケ浦のアオコの発生、
及び、水道水源の水質悪化による臭い水などがマスコミに取り上げられるようになった1970年代後半からです。
それに、ハウス食品の「六甲のおいしい水」の売出しです。
1980年代に入り、環境庁の「名水百選」の発表と相まってマスコミが大々的に取り上げ、
ミネラルウォーターの商品名をどんどん並べ、あれも売れている、これも売れていると新聞やテレビで報道したのです。
消費者は、マスコミに登場する商品に安心感を抱き、消費量はうなぎのぼりに上がっていったのです。
さて、この裏には、新聞業界がこれだけ報道してやっているのだから、
ミネラルウォーター業界ももっと新聞報告を出せと紙上要求をしたという、おかしなことまであったのです。
さらに、日本人の長年にわたる誤ったミネラル神話や迷言で「ミネラルと言えば特別なもの」という有難がる傾向があります。
これに乗じて、先の話のようなマスコミの要求もあって、
ミネラルウォーター業界も宣伝に継ぐ宣伝で煽り立てて売上はうなぎ上りでした。
ミネラルウォーターとは
ミネラルウォーターとは、科学的には「水溶性の無機物ミネラルが溶けている水」といえます。
電解質が溶けている水では、ナトリウムのような「陽イオン」があれば、
その電荷に見合った塩素イオンのような「陰イオン」が必ず存在し、片方だけが単独で溶け込んでいる水は存在しません。
ミネラルウォーターも「陽イオン」としては、カルシウム、マグネシウム、ナトリウム、カリウム、鉄、マンガンなどが一般的です。
「陰イオン」としては、塩素イオン、重炭酸イオン、硫酸イオン、リン酸イオン、硝酸イオンなどが含まれています。
このように、ミネラルを含む水がミネラルウォーターだとすれば、自然界の水はすべてミネラルウォーターということになります。
では、そのミネラルウォーターに肝心かなめのミネラルが少ないとしたらどうなるでしょう。
国民生活センターをはじめ各地の試験場での成分分析の結果、ミネラル成分は水道水や地下水よりも低いと発表されています。
しかも、フッ素イオン、臭素イオンが含まれていたり、
なかにはトリハロメタンが検出されたり、ベンゼンが出てきたりするものまでありました。
そもそもミネラルウォーターの品質表示自体は「清涼飲料水」に分類されていて、いかに適当に扱われていたかが分かります。
そこで農林水産省はあらたに品質表示ガイドラインを打ち出しましたが、あくまでも清涼飲料水の一部です。
「生命の源」であるはずの「ミネラルウォーター」が、サイダーやジュースと同列なのです。
ミネラルウォーター類の分類
下図は農水省の、いわゆる「ミネラルウォーター類の分類」です。
ミネラルウォーター類は、食品衛生法で「水のみを原料とする清涼飲料水をいう」と定義されています。
平成2年3月30日、農林水産省の品質表示ガイドラインにより、
「ナチュラルウォーター」「ナチュラルミネラルウォーター」「ミネラルウォーター」「ボトルドウォーター」の4つに分類され、
ミネラルウォーター類の原水としては、表にあるように、地下水を使用しているものと、水道水などを使用しているものがあります。
品名 | 原水 | 処理方法 |
①ナチュラルウォーター | 特定水源より採水された地下水 | 沈殿・ろ過・加熱殺菌以外の物理的・化学的処理を行わないもの |
②ナチュラル ミネラルウォーター | 特定のうち、地表から浸透し、地下を移動中または地下に滞留中に地層中の無機塩類が溶解した地下水 | |
③ミネラルウォーター | ナチュラルミネラルウォーターを原水としたもの | 沈殿・ろ過・加熱殺菌以外に、複数のナチュラルミネラルウォーターの混合やミネラル分の調整、ばっ気処理などが行われたもの |
④ボトルドウォーター (または飲用水) | ①〜③以外のもの(純水・蒸留水・河川の表流水・水道水) | 処理法の限定なし |
表でお気づきの通り名称が何であれ、
ミネラルウォーターとミネラル成分に関係はなく、極端な話、ミネラル分がなくてもミネラルウォーターといえるのです。
表の①~④のどれかに当てはまればミネラルウォーターと表示できるのです。
③と④にいたっては、天然の水でない「加工品」でもミネラルウォーターと表示していいのです。
そして、ミネラル成分の基準については表のどこにもありません。
実際の商品を見ても水道水よりもミネラル含有量が少ないものが大半です。(国民生活センター「たしかな目」)
また、ミネラルウォーターは医薬品ではなく「清涼飲料水」と同じ取り扱いなのに、
何病によい、とか、痩身にきく、とか、健康長寿に効く、とか、様々なことを言う人がいますが、一切その根拠はないのです。
もし、ミネラル成分を売り物にするのであれば、その内容を評価できるようにきちんと発表するべきです。
そうしないのであれば、単に「びん詰め水」とか「パック水」と称して販売するべきでしょう。
水道水への不安感は払拭できたのか?
さて、水道水の有害物質の不安感からミネラルウォーターへの依存度が増えたのですが、
肝心のミネラルウォーターは、この不安に応えることはできません。
農水省のガイドラインでは、原材料名や採取地、製造年月日の記入を求めていますが、遵守されていません。
それどころか、「どこどこの名水」と称しながら、その地域とは全く関係のないところで原水を採取製造しているものが多いのです。
さらに、ミネラルウォーター原料水基準は水道水基準値とほぼ同一です。
つまり、ミネラルウォーターそのものの水質基準は無いに等しいのです。
水道水と同じ基準値でミネラルウォーターがつくられているのですから、汚染もまた同一になります。
現にミネラルウォーターを分析試験すると、いろいろな有害物質が検出されています。
このようにミネラルウォーターは水源不明、採取日不明、水質検査義務なし、工場管理実態不明、
そんな水質保証のない水が危険な水道水の代替え手段になり得ません。
ミネラルウォーターの実態に無関心で有名人を起用した宣伝に踊らされないためにも、もう一度説明します。
ミネラルウォーターの中身は、たとえ原水が湧水であったとしても、なんらかの加工処理をした「人口の水」なのです。
まず、「消毒のための加熱殺菌、85℃以上で沸かす」となっています。
水は沸かせば溶存酸素がなくなり「死に水」になります。
まずくて、しかも酸欠の水が体にいいはずがありません。
このため、溶解成分を持つ鉱石の抽出液や炭酸ソーダ、苛性ソーダなどを混入します。
そもそも、飲み水にいろいろな添加物を加えて価値を高めようとする発想が問題だと思います。
価値が高まるどころか、ますます悪化しているのです。
つまり「おいしい水」≠「安全な水」で「安全な水」=「おいしい水」なのです。
ミネラルウォーターの実態は「湯冷ましの水」
いくら大自然の清澄な水のイメージや、大企業のブランドに訴えようとも、
ミネラルウォーターの実態は「清涼飲料水という加工食品」であり、
つきつめれば「湯冷ましの水」に食品添加物や無機物を投げ込んだだけの「人口の処理水」なのです。
これだけのものに過ぎないミネラルウォーターから、カルシウムを摂取しようというのですから、さらにわけがわからなくなります。
日本のミネラルウォーター200ミリリットルのミネラルの平均値は4ミリリットルです。
人が一日に必要とするカルシウムをミネラルウォーターから取ろうとすれば、トラム缶で2~3本も飲まなければなりません。
たとえ「鰯の頭は信心から」と言っても誠にナンセンスです。
こうして見てくると、
水に対する不安感からくる「安全でおいしい水」を求める意識と、
膨大なミネラルウォーターの消費量とは、とこか違和感を抱かざるをえません。
神水、霊水、おいしい水は、前述したように安全性にはすべて疑問符が付きます。
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