逆浸透膜浄水器に対する誤解と疑問
逆浸透膜(RO膜)フィルターの最大の特徴は、水分子より大きいサイズの物質は、95%~98%という「濾過能力」があり、
水中の溶存有毒物質のほとんどが通過できない、安全な純水を造ることができます。
逆浸透膜(RO膜)浄水器は、老若男女を問わず赤ちゃんからお年寄りまで安心して安全でご利用いただける浄水器です。
ただ、逆浸透膜浄水器の紹介ページやブログなどでご説明をしている内容以外に、
いろいろなご質問や疑問をお聞きすることがございます。
そこで、ここでは「逆浸透膜浄水器に対する誤解と疑問」についてQ&Aを用いながら書いていきたいと思います。
バクテリアやウイルス、クリプトスポリジウム
一つの疑問は、水中のバクテリア、やウイルスの問題です。
従来の浄水器フィルターの孔は一般的に約1ミクロンで、精密濾過といわれる中空糸膜でも0.1ミクロンです。
ところが、バクテリアやウイルスは1ミクロン以下で、普通の大腸菌は1ミクロンですが、
O₋157や、その仲間は0.01ミクロン以下ですから、何の障害もなく集団でフィルターを通過していきます。
市販の浄水器で説明しなければならないのは、一つは水道水中のクリプトスポリジウムです。
埼玉の越生町に端を発し、神奈川の平塚市などで大勢の被災者がでて、入院する騒動がおき、
毎年のように繰り返されクリプトスポリジウムによる集団下痢症は記憶に残っていると思います。
クリプトスポリジウムは通常の浄水処理では除去できず、また塩素に耐性があり浄水場の塩素消毒でも死滅しないのです。
いったん原水に入ればお手上げの状態です。
クリプトスポリジウムを飲み水から摂取すれば、
健常者は下痢程度の被害ですみますが、病弱の人や免疫不全の人は死にいたります。
このクリプトスポリジウムの大きさは、O₋157と同じ0.01ミクロン前後ですから市販の浄水器では除去できないのです。
水道水中に溶け出したヒ素や鉛の問題
さらに、水道水中に溶け出したヒ素や鉛の問題があります。
ヒ素といえば、森永ヒ素ミルク事件を思い出すでしょう。
水源付近に休廃鉱山、ましてや現業の鉱山があれば、なおさらその汚染は心配されます。
ヒ素は物質代謝、神経系、細胞を毒し、しかも、発癌性物質です。
これほどの有害物質の水質基準値があいまいなのです。
鉛の問題も深刻です。
現在では鉛管は水道管として敷設されませんが、古い管はいまだにたくさん残されています。
また、管の継ぎ手に鉛や鉛溶接を用い水道水の鉛濃度を高くしているのも少なくありません。
鉛は毒性の強い重金属です。
なかでも、造血臓器である骨髄への侵襲が顕著であり、その他もろもろの健康障害が発生します。
特に、妊産婦や乳幼児は深刻な影響を受けます。
ヒ素にしても、鉛にしても人間には猛毒です。
ところが、加工食品の添加物や塗料、 電池、ハンダ、ガソリンなどに含まれていて、
慣れ親しんでおり、日常生活のなかでの広範な使用状況から、とかく過小評価しがちな毒性物質です。
有害物質に対しての浄水場の水質基準
これほどの有害物質に対して、厚生省の水質基準は0.05mg/ℓです。
WHOが0.01mg/ℓ、アメリカは0.015mg/ℓ(目標は0)です。
実のところ、この奇妙な基準の根拠は、初めにこの「数値ありき」なのです。
0.05mg/ℓのポーダーラインをクリアしている浄水場は55カ所、クリアできていないのが4カ所です。
WHOの0.01mg/ℓでは、ほとんどの浄水場がクリアできないので、水道事業体との妥協の結果から生まれた数値なのです。
「生命の源」としての水政策であるはずなのですから、「国民の安全第一」を視点に据えるのが、本来あるべき行政の姿ではないでしようか。
しかし、実態は現状の施設に合わせて基準値を決めるという、安易な政策が優先されているのです。
トリハロメタンなどでも同様に、その基準値は決められてきたのです。
原水から浄水場、浄水場から蛇ロ、蛇口からあらゆる生活環境、見渡せばすべてが水質汚染原因になっています。
簡単で安易な浄水器で、これらの恐るべき有害毒物が、取り除かれるはずがありません。
ところが、逆浸透膜の孔は0.0001ミクロン。
前述のバクテリアは勿論、塩素有機化合物トリハロメタン、TOX、MXを除去し、ヒ素や鉛、
その他の有害発癌物質は100%除去してしまいます。
産業用の大型プラントメンブレンは別にして、
通常の家庭用・小型業務用メンブレンは、無機塩類(無機ミネラル)は95%~98%の除去率です。
逆浸透膜に付着した不純物はどうなるのですか
もうひとつの疑問は、膜に付着した不純物はどうなるかという点です。
水道水が水圧によって膜に強く押し付けられときに、
膜は水とともに強く振動して分離作用を起こし、水分子のみが膜孔を通過します。
このとき膜孔を通過できない不純物は膜の振動によってはしき返されて、
残りの水で激しく洗浄され、水圧によって廃棄されます。
このセルフクリーニング作用でメンブレンは常に清潔です。
逆浸透膜にとって、この捨て水は重要な役割をはたしているのです。
もう一つ重要な点は水圧です。
メーカーの設定水圧は4.2kg/ⅽ㎡ですが、日本の-般家庭ではこれ以下のところが大多数です。
水圧が基準値以下であれば、専用加圧器で水圧を上げてやらなければなりません。
次に メンプレンの耐用年数は、連続使用で一般的に3年~5年ですが、設置地域の原水の良否によって左右されます。
原水の汚染度が高ければ高いほど耐用年数は短くなり、低ければ長くなります。
もう一つの要因に、プリフィルターの汚れがあります。
プリフィルターの耐用年数は一般的に1年前後ですが、
これも原水の汚染度が高ければ短くなり、低ければ比較的長期にわたって使うことかできます。
水質汚染度の比較的に高い地域や、地下水を使用している地域では、
プリフィルターに、微生物が繁殖し半透明なゼリー状になって、付着することがあります。
これを「バイオフィルム」と言います。
これができると浄水性能が低下し、フィルターは交換しなければなりません。
気になるフィルターの交換費用と維持費
逆浸透浄水システムは、最初にセデイメントフィルターに水を通し、粗ゴミや、スカルなど5ミクロン程度のものまでを除去し、
ニ番目のカーボンフィルターで塩素や若干のバクテリアを取り除き、メンブレンに送ります。
フィルターの交換費用を気にする人も中にはいますが、年間20,000円前後です。
一般の浄水器でも最低3ヵ月に一度、平均5,000円、年間20,000円以上、中には70,000円以上というものまであります。
それでも、効果があればよいのですが、単に水を通すだけであれば随分と高いものになりませんか。
それに比べ、安全で安心して使用できるRO浄水器の維持費は安いものだと思います。
いまは水が出ているからと言って、プリフィルターの交換を怠ると、フィルター内に滞留した不純物がメンブレンに流入し、
メンブレンの寿命を縮めることになり、浄化率も低下させ、RO水の質も低下します。
やがては、メンブレンの故障にもつながります。
したがって、メンブレンの性能を維持するためには、定期的なプリフィルターの交換が必要になります。
ごく一部の逆浸透浄水器をよく知っているという人達の間で、いくつかの誤解があります。
また、水及び浄水器の偏った情報をうのみにしてRO水を誤解している人もいます。
次は、そのQ & Aです。
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