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2019年07月10日
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40年ぶりに民法の「相続法」が変わります! 相続の何が、どう変わるのでしょうか?

平成30年7月に相続法が、約40年ぶりに大きく改正されました。

 

この改正により、例えば、残された配偶者が安心して安定した生活を過ごせるようにするための「配偶者居住権」「自筆証書による遺言書の保管制度」など、新たな制度が設けられました。(民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律)

 

今回の改正により、自分が亡くなったとき、あるいは家族が亡くなったときに、遺族が避けて通ることができない相続に関して、どのような点が、どのように変わったのかを書きたいと思います。

 

相続について、どのような点が変わったのでしょうか?

民法では、相続に関するトラブルを防ぐために、相続の基本的なルールが定められています。この民法の相続について規定した部分を「相続法」と言います。

相続法が、高齢化の進展など社会環境の変化に対応するため、約40年ぶりに大きく見直しが行なわれました。

 

今回の相続法の改正の主な内容は次のとおりです。

1.配偶者居住権を創設
2.自筆証書遺言に添付する財産目録の作成がパソコンで可能になります
3.法務局で自筆証書による遺言書が保管可能になります
4.被相続人の介護や看病で貢献した親族は金銭要求が可能になります
5.自宅の生前贈与が特別受益の対象外になります
6.遺産の分割前に被相続人名義の預貯金が一部払戻しが可能になります

などです。

 

1.配偶者居住権を創設

「配偶者居住権」は現在住んでいる家に、配偶者がそのまま住み続けられる権利です。

現状の制度でも、配偶者が自宅の所有権を相続すれば住み続けることは可能ですが、その分遺産分割で得られる他の財産は少なくなってしまいます。

新設される配偶者居住権を利用すれば、自宅に住み続けることもでき、生活資金も確保できるのです。

 

上記の図は、現行の遺産分割と民法改正後の遺産分割の違いを表しています。

被相続人の財産が「2,000万円の自宅」と「3,000万円の預貯金」で、相続人が配偶者(妻)と子の二人で、相続割合が、1:1 妻2,500万円、子2,500万円の場合、現行制度では配偶者が自宅の所有権を相続すると、預貯金は500万円しか得られません。

しかし、配偶者居住権の創設により、所有権より低い割合で自宅に住み続けることができ、浮いた分は預貯金を相続できるのです。

 

2.自筆証書遺言に添付する財産目録の作成がパソコンで可能になります

「自筆証書遺言」は手書きで作成しなくてはならないため、財産目録も手書きの必要がありました。つまり、自分で全て書かなければならないのです。

改正法では、その負担を軽減するために、全文を自書する要件が緩和され、自筆証書遺言に添付する財産目録」については自筆でなくても良いことになりました。

 

具体的には、次のような方法で遺言書が作成できるようになりました。
・パソコン等で作成した目録を添付する
・銀行通帳のコピーや不動産の登記事項証明書等を目録として添付する

この場合においては、

財産目録の各頁に署名・押印をしなければならないので、偽造も防止できます。

 

3.法務局で自筆証書による遺言書が保管可能になります

被相続人が作成した自筆証書遺言は、自宅で保管するか、弁護士に預かってもらうしかできませんでした。

特に自宅での保管していると、せっかく作成しても紛失したり、捨てられてしまったり、書き換えられたりする恐れがあるなどの問題があり、トラブルに発展する恐れもありました。

改正法では、 作成した自筆証書遺言を法務局で保管してもらうことができます。これにより、紛失や偽造のリスクは少なくなると思います。

 

4.被相続人の介護や看病で貢献した親族は金銭要求が可能になります

被相続人の生前に介護や看病で貢献した親族に考慮した制度の創設です。

法定相続人ではない親族(例えば子の配偶者など)が、被相続人の介護や看病をするケースがありますが、

現行法ではこの場合の当該親族は遺言がない限り、介護や看病に対しての何らかの報酬を受けることはできませんでした。

改正法では、相続人ではない親族も、無償で被相続人の介護や看病に貢献し、被相続人の財産の維持、または増加について特別の寄与をした場合には、相続人に対し、金銭の請求をすることができるようにしました。

ただし、あくまで親族が対象で、家政婦などが介護や看病をした場合は含まれません。

 

5.自宅の生前贈与が特別受益の対象外になります

改正前には、被相続人が生前、配偶者に対して自宅の贈与をしても、遺産の先渡しとして取り扱われ、配偶者が遺産分割において受け取ることができる財産の総額が、その分、減らされていたのです。

そのため、自分の死後に配偶者が生活に困らないようにと生前贈与をしても、原則として配偶者が受け取る財産の総額は、結果的に生前贈与をしないときと変わりませんでした。

 

改正法では、結婚期間が20年以上の夫婦間で、配偶者に対して自宅の遺贈、または贈与がされた場合、原則として、遺産分割における計算上、遺産の先渡し(特別受益)として取り扱う必要がなくなります。

そのため、自宅についての生前贈与を受けた場合でも、配偶者は結果的により多くの財産を相続して、生活を安定させることができるようになる、と言うことです。

 

6.遺産の分割前に被相続人名義の預貯金が一部払戻しが可能になります

被相続人の遺産は、亡くなられた時点で相続人全員の共有財産になります。

そのため、原則銀行などの金融機関は、遺産分割協議の前に被相続人の預金口座の払戻や名義変更に応じない「口座凍結」状態になり、勝手に預金を引き出すことはできませんでした。

 

相続発生後、生活費の確保や葬儀費の支払いに支障を来すケースも多くあります。相続人の誰かが一時費用を負担したり、兄弟で分担したりと手間がかかりました。

しかし、改正法では遺産分割前でも、預貯金債権のうち一定額については、家庭裁判所の判断を経ずに金融機関で払戻しができるようになりました。

 

この記事を書いた人
清水 浩治 シミズ コウジ
清水 浩治
◆ブログ「 未来の家」では、私の住む街「加古川」の魅力を紹介、不動産に関する豆知識や、トラブル解決など、情報発信を日々行っております。◆「家や土地の物件情報も大切です。しかし、もっと大切な情報があるはず!」と、私は、いつも考えています。◆加古川市で暮らしていただくうえで、大切な子育てや、お役立ち地域情報、不動産の取扱いについて知っていて欲しいことを最優先で発信しています。
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