実家を相続で取得します 処分したいのですが、何から何をどうしたらいいのですか? Part2「遺言書」が無いとき!
「親が亡くなり、実家を引く継ぐことになったけど、今の自宅からは遠いし、将来的にも利用することもないので処分したい。でも、何をどうしたらいいのか、何から始めればいいのか、教えて欲しい。」
この相談をお受けすることは、少なくありません。
実家が、今のお住まいから遠方だと、親御様が亡くなり、相続で取得することになっても、利用することもなく、管理だけが大変で、不動産が負動産になってしまいます。
前回は、相続が発生したら、まず「遺言書」を探すことについて書きました。
今日は、「遺言書」を探したけれど存在しない場合に、何をしなければならないのか、について書いてみたいと思います。
最後までお読みいただき、実家売却の一助にして頂けると幸いです。
遺言書がない場合、遺産をどう分割するかは自分たちで決める
「遺言書」を探したけれど無い場合、遺産をどう分割するかは自分たちで決めることになります。
将来的にも使用することが無い実家の場合、その分割方法としては、「現物分割」と「換価分割」の2つがあります。
「現物分割」は、相続人の特定の人に実家の所有権を移すという方法です。
それに対して、「換価分割」は、相続人全員の共有のまま実家を売却し、現金を分けるという方法です。
遺産の「現物分割」
「現物分割」をすれば、相続人のうち一人が単独で所有するので、いつでも自分の意思だけで売ることがで、売却はしやすくなるというメリットがあります。売却だけでなく、活用する場合でも、自分の意思だけで決めることができます。
また、単独所有であれば、二次相続や三次相続が発生した場合でも、共有者がどんどん増えてしまい、分割協議がまとまらないという心配も少なくなります。
相続が発生し、いずれの手続きもせず共有状態のまま放置してしまったために、ごく一般的な一戸建ての名義人(相続人)が20人以上の共有で所有されているという事例もあります。
このように、共有名義人が多くなると、全員の意思が一致せず、売却自体が困難になってしまいます。
そうならないためにも、すぐに処分しない実家であれば、誰か一人に承継させ、単独で所有とすることをお勧めします。
ただし、「現物分割」を選択すると、実家の価値にもよりますが、ほとんどの場合、相続人の間で分割される遺産額が平等にならないというデメリットがあります。
遺産の「換価分割」
「換価分割」をすれば、遺産を相続人の間で平等に分けることができるというメリットがあります。
現金であれば1円単位で遺産を分けることができるため、分割で公平性を保つことができます。 遺産分割協議書の作成費用も不要なため、コストも安いです。
「現物分割」をしない場合には、実家は法定相続分での共有状態となります。
不動産は、売るタイミングによって、高く売れることも、安く売らざるを得ないこともあります。
そのため、共有者で頑張って高く売れば、実質的な相続財産が増え、分け前も増えます。一方で、値下がりしているタイミングで売ってしまうと、実質的な相続財産は減ってしまいます。
ただし、共有物を処分するには、共有者全員の同意が必要ですので、共有不動産は売りにくいというデメリットがあります。
もちろん、共有者の一人でも売却に反対すれば、売ること自体ができなくなります。
※次回は、Part3「売却する前にすること」について書きたいと思います。
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