少額の手付金には注意!手付解約時に仲介手数料を請求され赤字になることも!
「手付金」は、不動産の売買契約時に買主から売主に支払われる金銭のことです。
この「手付金」には「証約手付」「違約手付」「解約手付」の意味があるのですが、
少額の手付金が「解約手付」の場合、売買契約が解除(解約)しやすいこと、
契約解除になっても、不動産会社から仲介手数料の支払いを請求されることについて書きたいと思います。
売主様や買主様には、予期せぬ損害を被らないために、今日の内容については十分に注意をしていただきたいと思います。
不動産売買での手付金の意味とは?
不動産の売買で授受される手付金には、原則として「証約手付」「解約手付」として取り扱われます。
証約手付とは、契約が成立したことを証明するために支払う手付のことです。
解約手付とは、契約の相手方が履行の着手(あるいは、予め決められた期日)までであれば、買主は手付金を放棄することで、売主は手付金の倍額を支払うことで、売買契約を解除できます。
※「違約手付」については説明を省きます。
手付金の額には法的な取り決めがありません!
手付金の額には法的な取り決めがありません!
昭和の時代では、住宅ローンを利用する人は、売買価格の1割から2割の額と諸経費を合わせた自己資金が無いと借入れができませんでした。
ですから、その頃の手付金の額は売買代金の1割が慣習でした。
しかし、今の住宅ローンは、売買価格に諸経費を含めた額でも借入れが可能ですので、自己資金が少なくてもマイホームが購入できます。
すると、手付金の額が少額になる傾向になり、極端な事例ですが、
3,000万円の物件に対して10万円の手付金で契約することもあるのです。
ただ、少額の手付金であること、それが解約手付になることを、売主様も買主様も、不動産会社から十分に説明を受け納得されているのであれば問題は無いのですが、
そのことを詳しく説明をしない不動産会社がいることに注意をして欲しいのです。
では、少額手付で注意して欲しいことについて書いていきます!
少額手付は売買契約を解約しやすい、されやすい!
契約の相手方が履行の着手(あるいは、予め決められた期日)までであれば、買主は手付金を放棄することで、売主は手付金の倍額を支払うことで、売買契約を解除できます。
例えば、
3,000万円の物件を10万円の手付金で契約した後で、他にもっと良い物件が出てきたら、買主は10万円の手付金を放棄したら今の契約を解約して、他の良い物件を買うことができます。
売主の場合では、契約した後で、3,200万円で購入してくれる買主が表れたら、手付金の倍額を買主に支払えば、今の契約を解約して、3,200万円で売ることができます。
このように、手付金が少額の場合、その契約は簡単に解約することができるのです。
少額手付で売買契約が解約になっても仲介手数料の支払いを請求されます
3,000万円の物件の場合、消費税込の仲介手数料上限額が、1,056,000円になります。
例えば、
買主が10万円の手付金を放棄して契約を解除してきた場合、売主の手元には10万円が残るだけです。
それに加えて仲介手数料の支払いを請求されると大きな損害になります。
売主が手付金の倍額を支払っても、買主の手元には10万円しか残りません。
同様に仲介手数料の支払いを請求されると大きな損害になります。
不動産会社のお客様に対する仲介手数料の請求権は、売買契約時に発生しますので、手付解除となった場合でも、請求権は継続することを覚えておいてください。
少額手付の場合は不動産会社の説明に注意してください
少額手付の場合、
契約が解約されやすいこと、
解約になっても不動産会社は仲介手数料の支払いを請求すること
を十分に説明しない不動産業者がいます。
そのことを十分に説明しない、契約のみを優先する不動産会社には注意してください。
もちろん、少額手付での売買契約は違法ではありません。
ただ、そのことで売主様や買主様が損害を被ることだけは避けたいので、このブログを読んでいただくことで、ご自身を守っていただきたいと思います。
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