土地売買で必ず出てくる「3つの測量図」!その種類と信頼度を知ることでトラブルを回避できます!
土地売買で必ず出てくる「3つの測量図」!
その種類と信頼度を知ることでトラブルを回避できます!
土地の測量図といえば、
一般的には土地の面積や形状、辺長(寸法)などが記載された図面を指します。
実は、この測量図には「確定測量図」「現況測量図」「地積測量図」の3つの種類があるのですが、
それぞれの内容や測量の仕方、信頼度を理解していないと
土地売買では「思わぬトラブル」に発展しかねないのです。
そこで今日は、重要事項説明書でも説明する「3つの測量図」について書いてみたいと思います。
公簿売買の場合、説明を省略する不動産業者もいますので、事前に理解していただくことで、トラブルに遭わないようにしてください。
3つの測量図とは?!
土地の測量図には「確定測量図」「現況測量図」「地積測量図」の3種類があります。
土地の売買では、取引の基となる土地の面積や形状の根拠となる測量図が、どの種類なのかを確認することが必要になります。
また、土地によってはどの種類の測量図も存在しない場合もあるのです。
その場合、公簿売買(登記簿に記載されている面積で売買すること)で契約することも可能ですが、
公簿面積と実際の面積に差がある場合が多く、後々のトラブルを回避するためには、
「確定測量図」を作成しておいたほうがいいでしょう。
それでは、3つの測量図について詳しく書いていきます。
確定測量図とは全ての境界が確定したもの
確定測量図とは、対象の土地に接している全ての隣地所有者と立会いを行い、境界について異議なく確定されたものを言います。
確定測量を行う場合は、隣接している民有地だけではなく、その土地が接している道路の所有者(官有地)とも立会いを行い「道路との境界」の確定も行います。
これを「官民査定」「道路査定」と言います。
接する道路が公道の場合で、すでに道路境界が確定している場合は、立会いの代わりに「道路境界証明」を管理者(国、都道府県、市町村等)から発行してもらう場合もあります。
このように、民有地の他、官有地も含めた全ての境界を確定していくのが「確定測量図」です。
確定測量図の特徴と注意して欲しいこと!
全ての境界が隣接地所有者との立ち会いによって確定していますので、後々の境界トラブルを避けるためには最も適した測量図です。
注意点としては、道路部分(官有地)を含めた隣接地全ての所有者と立ち会わなければならないので、測量費用が高額になることに加え、時間もかかります。
さらに、費用と時間をかけても隣接地所有者との同意が得られなければ、境界確定ができない場合もあります。
現況測量図とはあるがままに測量したもの
現況測量図とは、対象地の現況をあるがままに測量したものをいいます。
例えば、ブロック塀やフェンスの内側、あるいは外側、またはその中心など、「ここが境界だと思う」と言う土地所有者の主張位置で測量した図面になります。
あくまでも、所有者の主張位置で測量していますので、隣地所有者との立会いは行いませんので、境界が確定されることはありません。
現況測量図の特徴と注意して欲しいこと!
現況をあるがままに測るだけなので、隣接地の所有者と立ち会う必要も無く、費用も時間も少なくて済みます。
注意点としては、境界の位置について土地所有者と隣接地所有者との意見に相違がある場合、後々トラブルが発生する可能性があることです。
◆官民査定(道路査定)を省略した現況測量図
民有地のみ隣地の所有者の立ち合いのもとに境界確認を行って作成された測量図です
境界トラブルのほとんどが、隣接する民有地の所有者間で発生するので、境界トラブル回避のためには、官民立ち合いを省略したこの測量図が利用されることが多いです。
地積測量図とは法務局に備え付けられたもの
地積測量図とは「登記を所管する法務局に備え付けられている測量図」のことです。
法務局に備え付けられた地積測量図は、土地の所有者に限らず、誰でも閲覧したり図面の交付を受けることができます。ただし手数料は必要です。
地積測量図は、分筆登記、合筆登記、地積更正登記など、土地に関わる登記の申請を行う場合には必ず添付しなければならない図面なのです。
過去に、分筆登記、合筆登記、地積更正登記などの登記を行った土地については、この地積測量図が法務局に備え付けられているということになります。
逆に、これまでそのような登記を行っていない土地には地積測量図が備え付けられていません。
分筆登記:1筆の土地を2筆以上に分ける登記
合筆登記:2筆以上の土地を1筆にまとめる登記
地積更正:公簿面積を実測面積に更生する登記
地積測量図の特徴と注意して欲しいこと!
法務局に備え付けられており関係者以外でも自由に閲覧することができるので、いわば「公的な測量図」と言ってもいいと思います。
注意点としては、その地積測量図が備え付けられた年代によって、
測量方法や精度などが著しく変化・進歩していますので、
過去の測量と最近の測量では、精度の違いから地積や寸法などに大きな誤差が生じている場合があると言うことです。
まとめてみました!
土地の売買をする場合、契約方式が実測売買(1平米あたりの単価を決めて売買)であれば、費用や時間がかかっても確定測量図の作成は必須となります。
公簿売買(登記簿に記載された面積で売買)の場合は、現況測量図や地積測量図を用いて、地積や境界の根拠とする場合もあります。
土地の現状や契約内容は、物件や取引ごとに違います。
現状の境界の位置や、トラブルに発展するかもしれない可能などを勘案して「この売買で適している測量図はどれか?」を判断しなければならないのです。
購入したい土地の境界が不明瞭で、問題点が明らかな場合には、確定測量図の作成を求めることをお勧めします。
関連した記事を読む
- 2024/10/09
- 2024/02/19
- 2023/03/27
- 2022/08/25