目的別の土地価格の調べ方!売却、相続、税金
土地を売却したいので、いくらで売れるのか相場を知りたい!
土地を相続したときの税金を計算したい!
売却にしても相続にしても、何回も経験することではないと思います。
ましてや、初めてのことだと何をどうやって調べたらいいのかわからないと思います。
そこで今日は、目的別の土地価格の調べ方について書いてみたいと思います。
目的別とは、売却、相続、税金、などです!
筆:加古川の不動産売買専門店、未来家不動産株式会社 代表取締役 清 水 浩 治
土地の価格は目的によって異なるのです!
「公示地価」や「路線価」という言葉を耳にしたことがあるかと思いますが、実は同じ土地でも、その目的によって異なる価格があるのです。
土地の価格には「公示地価」「路線価」の他に「実勢価格」「固定資産税評価額」の4つの価格があり、これを「一物四価(いちぶつよんか)」と言います。
このように異なる価格があるのは利用目的が違うからです。
一物四価のうち実勢価格以外の3つは、国や公的機関が発表する公的な価格になります。
それでは、目的別に「公示地価」「実勢価格」「路線価格」「固定資産税評価額」について書いていきます。
自分で調べることができるように検索ページも記載します。
土地を売りたい人は「公示地価」と「実勢価格」
土地の売却を考えている人にとって、売りたい土地の価格を調べるのに参考になるのが、「公示地価」と「実勢価格」です。
土地の相場を知ることは、
不動産会社が算出した土地の査定価格が妥当かどうかを判断するためと、不動産会社と相談して売出価格を決めるときに役立ちます。
土地売却の検討に入ったときには、まずこの2つの価格を調べることをお勧めします。
公示地価
公示地価は、もっとも代表的な土地評価額で、
地価公示法にもとづき、全国で選定された3万数千地点の「標準地」について、毎年1月1日時点を基準日として各標準地につき2名以上の不動産鑑定士等の鑑定評価を求め、その正常な価格を国土交通省土地鑑定委員会が判定し、毎年3月下旬に1㎡あたりの価格が公表されます。
地価公示によって評価された公示地価は、一般の土地取引価格の指標となるだけでなく、公共用地の取得価格の算定基準になっています。
また、公示地価は「地価公示」や「地価公示価格」と呼ばれることもあります。国土交通省のWEBサイトでは「国土交通省地価公示」という名称が使われています。
公示地価は、国土交通省のWEBサイト「土地総合情報システム」で調べることができます。
地図上で、都道府県→市区町村で絞り込んで、地価情報、調査年などを選択→「検索」ボタンを押すと、該当する地価情報が表示されます。
公示地価を補完する「基準地価」
公示地価は国(国土交通省)が毎年1月1日時点の地価を3月下旬に公表するものですが、
「基準地価」は都道府県が毎年7月1日時点の地価を9月下旬に発表する1㎡あたりの価格で、公示地価を補完する役割をもっています。
基準地価の目的は公示地価と同じで、土地取引の価格審査を適正かつ円滑に進めるために、土地の適正な価格を知るための指標として使われます。
公示地価が1月1日時点の価格であるのに対し、基準地価は7月1日時点の価格と半年遅れることから、地価に動きがあってもこの2つの価格を比べることで、おおよその動向が分かるようになっています。
一物四価に「基準地価」を加えて「一物五価(いちぶつごか)」と呼ぶこともあります。
実勢価格
実勢価格は、売主と買主との間で合意に達し、売買契約が成立した取引価格のことです。
取引事例、成約事例、相場、という言葉で呼ぶこともあります。
土地の売却を考えている人は、
不動産会社の価格査定も、
過去の取引事例や近隣の類似する土地の取引価格を参考にする「取引事例比較法」を用いることが多いのです。
国土交通省のWEBサイト「不動産取引価格情報検索」は、不動産取引を行った人を対象にしたアンケート結果をデータベース化したサイトです。
土地だけでなく、土地と建物、中古マンションなど実際に売買された価格(実勢価格)の閲覧が可能です。
土地を相続した人は「路線価」
路線価(相続税路線価とも呼ばれます)は、相続税や贈与税における基礎となる価格で、国税庁が毎年1月1日時点の地価を7月初旬に1㎡あたりの価格を公表します。
路線とは、その土地(敷地)が接している道路のことで、路線(道路)によって価格が設定されるのでそう「路線価」と呼ばれています。
相続税や贈与税を計算するときの評価額で、路線(道路)に面した土地1㎡あたりの価格に、面積を掛け合わせ、土地の形状についてほ補正を加えて算出します。
なお、路線価格は公示地価の80%が目安になっています。
路線価格を調べるには、国税庁の「財産評価基準書 路線価図・評価倍率表」を利用しましょう。
サイト内に路線価格を閲覧する手順が詳細に紹介されていますので参考にしてください。
土地にかかる税金を知りたい人は「固定資産税評価額」
固定資産税、都市計画税、不動産取得税、登録免許税など、土地にかかる税金の計算の基礎となるのが「固定資産税評価額」と言います。
各市町村により、3年ごとの1月1日時点で価格が見直されます。
これを「固定資産の評価替え」と言います。
土地や建物を所有している人は、毎年送られてくる「納税通知書」に添付されている課税明細書に固定資産税評価額が記載されているので確認してください。
また、固定資産税評価額は、土地や建物がある地域の役所で「固定資産課税台帳」を閲覧したり「固定資産評価証明書」を取得して調べることもできます。
なお、固定資産税評価額は公示地価の70%が目安となっています。
まとめてみした!
土地の価格には、その目的に応じて種類が異なります。
土地を売るときの目安となるには、
国土交通省が発表する「公示地価」や
都道府県が発表する「基準地価」、
実際に成約に至った「実勢価格」が参考になります。
相続の場合は、国税庁が発表する「路線価」 、
固定資産税を調べるときは、市町村が公表する「固定資産税評価額」になります。
実際に土地の売却をお考えの人には「公示地価」と「実勢価格」は、相場を知るために目安になります。
ただ、売りたい土地の近くに公示地価の標準地が在るとは限りません。また、土地は間口や奥行、形状など、一つ一つに個性がありますので価格を決めるのが非常に難しいのです。
本当に売却を検討しているなら、必ず複数(3社から4社)の不動産会社に査定を依頼し算出された査定価格の根拠をしっかり聞き、信頼できる不動産会社に依頼することが大切になるでしょう。
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