土地の境界線トラブルが起こってしまう原因と解決方法
土地の境界線のトラブルは、
不動産の取引において、一番多く起きるトラブルと言っても過言ではありません。
土地の境界線トラブルに巻き込まれてしまうと、売主様、買主様、不動産屋さん、隣の土地の所有者、その他にも、たくさんの人たちが、頭を抱えることになるのです。
そこで今日は、土地の境界線トラブルが起こってしまう原因と解決方法について書いてみたいと思います。
土地境界線のトラブルをそもそも起こさないために、また土地境界線のトラブルに巻き込まれてしまったときに、どのような解決方法があるのでしょうか?
土地境界線のトラブルって、なぜ起きるの?
「くいをのこして、くいをのこさず⇒杭を残して、悔いを残さず」のブログでも書きましたが、土地境界線のトラブルが起きる最大の原因は、「そもそも、土地の境界線が分かっていない、あるいは、勘違いをしている」ということあげられるのです。
自分の土地は「ここから、ここまでです!」と正確に答えられる売主様の方が少ないのです。
売主様のはとんどが「自分の土地を売却しよう!」と思って、不動産屋さんに相談をして初めて、「土地の境界線がこんなに重要なんだ」と知ることが多いのです。
売主様の土地境界線についての「勘違い」
売主様によくある土地境界線の勘違いとして多いのが、以下の三つです。
イ.隣の土地との境界線が、塀の位置だと思っている
ロ.隣の土地との境界線が、古い杭の位置だと思っている
ハ.隣の土地との境界線が、動くわけがないと思っている
以上の3つは本当によくある勘違いなのです。
その「勘違い」とは、どのようなもの?
イ.は、なぜ勘違いなのでしょうか?
塀の位置はあくまで目安にしかなりません。
そもそも、その塀は、売主様のもの、お隣のもの?
古い塀などは、昔の職人さんが経験と勘で作っていることも多いので、境界線上に設置されているとは限らないのです。
塀の位置で土地の境界線を判断するのは、とても危険なことなのです。
ロ.は、なぜ勘違いなのでしょうか?
杭があるから安心だと思い込むのも危険です。
その杭は、いつ設置されたものでしょうか?
昔の測量技術は、今と比べるとお粗末なものです。
当時の測量技術を信じて、土地の境界線を判断するのも、とても危険です。
ハ.は、なぜ勘違いなのでしょうか?
境界線は動かないものだと思っていませんか?
知らないうちに杭の位置が動いてしまうこともあるのです。
車に踏まれたりして動いてしまうことや、地震でずれてしまうことや、お隣の人が勝手に位置を変えてしまった、など境界線は動くのです。
あなたの土地が、知らないうちに小さくなっていた、なんてことにならないように、細心の注意が必要です。
売主様のちょっとした勘違いで、大きなトラブルにならないためにも、土地境界線に関する知識を身につけるようにしてください。
実際に起きたトラブルと、その解決方法
ここからは、実際に起きた土地境界線のトラブルと、どのように解決したのかを簡単にご紹介します。
土地の売買契約が終わって、引渡しに向けて測量を行った結果、隣の屋根の一部が、こちらに越境していることが判明しました。 売主様は、そのままで引渡しをしたいと言い、買主様は、隣の屋根の一部を撤去して欲しいと主張! トラブルになりました。
実際の解決方法は、お隣に屋根の越境の事実をお伝えし、売主様の費用と負担で屋根を一部解体、雨仕舞の補修させて頂きました。その補修費用は、かなりの出費になりましたが、引渡しまでに解決ができたことが、不幸中の幸いでした。
お隣が、すぐの解体や補修することを了承してくれない場合の解決方法としては、覚書を交わす、或いは、土地を分筆してお隣に譲る、などの方法もあります。 もちろん土地面積が減った分は、売買価格を減額します。
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