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2019年05月17日
ブログ「未来の家」

営業マンも意外と知らない、宅建業法第35条の2の規定「供託所」に関する説明と保証制度

不動産の重要事項説明書の1ページ目に、宅地建物取引業法第35条の2の規定として「供託所等に関する説明」という項目があります。

 

これは、不動産業者の営業マンでも意外に知らない人が多いのです。もちろん、あなたにとっても耳慣れない言葉だと思います。

 

この供託所は、不動産の取引きでは極めて重要な意味を持っていて、知らなければ大きな損失にもつながりかねないのです。

 

そこで、今日は「供託所」とは、どんな場所で、何故、重要事項説明書で説明するのかを書きたいと思います。

 

供託所とは?

まず、「供託」には金銭・有価証券・物品などを渡して預かってもらうという意味があります。そして、そうしたものを預かってもらう場所が「供託所」です。

 

それでは、どこが預かってくれるのでしょうか? それは、法務局や地方法務局、およびその支局などになります。つまり、一般的に「供託所」といえば「法務局」のことを言うのです。

 

また、供託にはいくつかの種類がありますが、不動産取引においては「保証供託」「弁済供託」がそれにあたります。

 

不動産の取引で、何故、供託所の説明が必要なのでしょうか?

不動産の取引では、トラブルによって損害が発生する場合があります。たとえば、売買契約を解除したにも関わらず、買主が手付金を返してもらえないなどといったケースです。

 

このような場合に顧客を保護できるように、宅建業者は開業前にあらかじめ営業保証金として供託所に一定のお金を預けるルールになっています。これが「保証供託」です。

 

営業保証金と弁済業務保証金分担金、納める金額は?

営業保証金の金額は、本店事務所で1000万円支店事務所で500万円です。たとえば、本店1店舗、支店2店舗の営業を始める場合には、2000万円の営業保証金が必要となります。もちろん、支店が増えれば、その都度500万円を預けなければなりません。

 

しかし、大手不動産会社ならともかく、これから開業する新しい会社にとって、1000万円は大きな負担です。そこで、国土交通大臣が指定した「保証協会」に加入して「弁済業務保証金分担金」を納めれば、営業保証金は免除されるという制度があります。

 

「弁済業務保証金分担金」の額は、本店事務所で60万円支店事務所で30万円となるため、営業保証金と比べて負担はかなり軽減されます。

 

宅建業者に義務付けられている「供託所に関する説明」

この供託金は、宅建業者と取引をした消費者が、なんらかの損害を受けた際の弁済に用いられます。

 

ただ、消費者側が、供託金の制度や、供託所の存在そのものを知らなければ、せっかくの制度を利用することすらできずに、大きな損害を被ることになります。

 

そのため、不動産取引をする際には、重要事項説明において、必ず供託所についての説明をすることが義務付けられているのです。

 

ほとんど説明されない「弁済の請求方法と請求先」!

不動産の取引で損害が発生した場合は、重要事項説明書に記載されている「供託所」に損害の弁済を請求することができます。

 

ただし、重要事項説明書に「保証協会の名称」が記載されている場合は、直接供託所へは請求できません。

 

まずは「保証協会」に申出をし、保証協会の仲裁で話し合いが行われることになります。その結果、和解すれば問題はないのですが、話がこじれ、解決の目途が立たないといったことも少なくありません。

 

その際、業者側に責任があると認めた場合は、保証協会が「認証書」を発行してくれますので、それを添付して「供託所」に請求すれば、弁済金を支払ってもらえるのです。

 

供託所に請求できる金額は、いくらになるのでしょう?

供託所に対して損害額を請求するときに気をつけなければならないのは、補償には上限があるという点です。

 

そもそも、損害額は業者が供託したお金の中から支払うため、その金額を超えた部分は補償ができないという理屈になります。

 

つまり、その業者の事業所が本店しかなければ、弁済金額は1000万円までです。本店に加えて支店が2つあれば、「1000万円+500万円×2店舗」で、上限は2000万円になると言うことです。

 

保証協会の場合は、弁済金は減額されるのですか?

多くの不動産業者は、「営業保証金」よりも負担の軽い保証協会の「弁済業務保証金分担金」を選択しています。確かに、保証協会を選択すれば、納付する額は本店で60万円、支店で1店舗30万円とかなり少額です。

 

その場合、事務所が本店だけなら、弁済額の上限は60万円にまで減ってしまうのでは、と不安に思う人もいるかもしれません。

 

しかし、その心配は不要です。

保証協会では、加入している業者から弁済の負担を分担する形で納付を受けていますので、補償をしなければならないときには、複数の業者から集めたお金を使って支払うことになります。

 

つまり、保証協会に加入している場合でも、営業保証金と同額の補償を受け取ることができるのです。

 

万が一のためにも、供託所は知っておきましょう!

不動産の取引に関するトラブルは、起こらないに越したことはありませんが、大きなお金が動くため、万が一の備えは必要です。その備えの一つとして存在しているのが「供託所」です。

 

供託所を活用すれば、思わぬ金銭トラブルに巻き込まれた場合でも、損失を免れる、あるいは軽減だできます。ただ、その制度を知らなければ、有効に活用することもできません。

 

安心して不動産の取引を行うためにも、このブログを参考にしていただき、供託所のことを頭の片隅に置いておいてください。

この記事を書いた人
清水 浩治 シミズ コウジ
清水 浩治
◆ブログ「 未来の家」では、私の住む街「加古川」の魅力を紹介、不動産に関する豆知識や、トラブル解決など、情報発信を日々行っております。◆「家や土地の物件情報も大切です。しかし、もっと大切な情報があるはず!」と、私は、いつも考えています。◆加古川市で暮らしていただくうえで、大切な子育てや、お役立ち地域情報、不動産の取扱いについて知っていて欲しいことを最優先で発信しています。
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