不動産の登記には「申請義務が有る登記」と「申請義務が無い登記」が有るってご存知ですか?!
不動産の登記には「申請義務が有る登記」と「申請義務が無い登記」が有るってご存知ですか?!
登記には、「表示の登記(表題部登記)」と「権利の登記(権利部登記)」の2種類があります。
このうち、「表示の登記」には不動産登記法上の申請義務がありますが、「権利の登記」には申請義務がないのです。
「表示の登記」と「権利の登記」とは?
表示の登記とは、
土地については、その所在や地番、地目、地積、
建物については、その所在や家屋番号、種類、構造、床面積等の物理的現況を記録する登記のことです。
権利の登記とは、
所有権に関する登記と抵当権等の所有権以外の権利に関する登記のことです。
登記が持つ意味
不動産は、専有しているだけでは、その所有者が誰なのかが分からないと言った特徴があります。
例えば、分譲マンションの1室に住んでいる人は、所有者なのか借主なのか、外見だけでは分からないですよね。
登記が持つ意味は、外見からでは分からない権利関係を当事者以外の第三者に示すことができると言う意味があります。
買主や不動産会社といった第三者が、その不動産の所有者を把握できれば、例えば借主である居住者からその家を間違って買うようなトラブルを防ぐことができます。
登記とは、第三者に権利関係を明示することで、取引の安全を図ることができる制度なのです。
権利の登記はしなくても良いのですが・・・でも
法律上は、不動産売却を行っても所有権移転登記や抵当権抹消登記といった権利の登記はしなくても良いことになっています。
「しなくても良い」と言うことは「しても良い」と言うことです。
法律のスタンスは「自分の権利を守りたい者が登記すれば良い」という考え方です。
法律上の申請義務はなくても、登記は自分の権利を守るために必要な手続きです。
不動産の売買の最終段階で買主が残代金を支払うときに、所有権移転登記の登録免許税を買主が支払うのは、買主が自分の所有権を守るために登記をするからです。
売買契約書の「所有権移転登記の申請」の条項に
第●条 売主は、売買代金全額の受領と同時に、買主の名義にするために、本物件の所有権移転登記申請手続きをしなければならない。
2 所有権移転登記の申請手続きに要する費用は、買主の負担とする。
と明確に書かれています。
この自分の権利を守る力を、登記「対抗力」と言います。
登記の「対抗力」とは?!
「対抗力」とは、
当事者以外の第三者に対してその権利を主張できることを言います。
例えば、売買契約することで、その不動産の所有権は売主から買主に移転できます。
しかし、売買契約そのものは売主と買主の当事者しか知りえないので、所有権が買主に移ったことが第三者には分かりません。
そこで、所有権移転登記をすることで、権利の変動を当事者以外の第三者にも主張できるようになるのです。
登記は自分の権利を守るために行うものです。
自分の権利を守りたいのであれば、必ず登記をするようにしてください。
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