不動産業者の仲介手数料(報酬)について知らないと損をするかもしれません!
不動産業者(宅地建物取引業者)は、仲介(媒介)により売買の成立に寄与したときは、売買価格による仲介手数料(報酬)をいただくことができます。
中には「仲介手数料の額は法律で決まっています!」と嘘をつく不動産業者もいます。
もちろん、仲介手数料の額は「宅地建物取引業法」と言う法律で決まっていますが、決まっているのは上限金額だけです。
そこで今日は、不動産業者がいただく仲介手数料の額は「本来どのように決められているのか」「いつの段階で請求されるのか」などについて書いてみたいと思います。
不動産業者の仲介手数料(報酬)について知らないと損をするかもしれませんので、是非お読みください。
仲介手数料は成功報酬主義です!
不動産業者の仲介手数料請求権は、成功報酬主義が取られています。
分かりやすく言うと、契約が成立して初めて仲介手数料を請求することだでき、契約が成立しなければ、どれだけ労力を費やしても1円ももらえないのです。
しかし、契約が成立すると請求権は発生しますので、一旦成立した契約が、たとえば当事者の債務不履行等によって解除された場合、その解除の原因について不動産業者に責任がない限り、仲介手数料を請求することができます。
これは、手付解除でも同様で、一旦契約が成立した後に、売主の手付倍返しや買主の手付放棄で契約を解除しても、仲介手数料は請求されることを知っていてください。
◆ここで注意をしていただきたいのは、
買主様が支払う手付金が少額の契約です。詳しくはこちらをご覧ください。
契約時に仲介手数料の請求権が発生しないケース
契約が成立すれば仲介手数料の請求権が発生すると書きましたが、
停止条件付の契約の場合は、契約は成立していても、その条件が成就しないと効力が発生しないので、条件が成就したときに仲介手数料の請求権が発生します。
例えば、売主が「転勤が確定したら家を売ります」と言う条件を付けて契約した場合、契約時点では、まだ転勤が確定していないので、契約は成立しても、その効力が発生していません。
この場合、転勤が確定した時点で契約の効力が発生し、仲介手数料の請求権も発生しますが、転勤辞令が出ないことが確定すれば契約は解除になり、仲介手数料の請求権も発せしないのが「停止条件付契約」です。
受領している仲介手数料を全額返還するケース
次に、住宅ローン特約が付いている契約の場合、買主のローンが金融機関から否認や減額され、売買契約が解除になったときは、すでに仲介手数料を受領していれば、不動産業者は遅滞なくその全額を返還しなければいけません。
これは、ローン特約が解除条件型でも解除権留保型でも同様です。
仲介手数料計算の基礎となる売買代金
仲介手数料の額は、大雑把にいうと売買代金の何%というような形で決まります。
売買代金が高額になるとともに仲介手数料の額も大きくなるわけです。
この計算の基礎となる売買代金ですが、新築物件や不動産業者が売主の場合、売買代金には消費税が含まれていますが、この場合は、消費税を抜いた本体価格で計算することを知っていてください。
仲介手数料は売買代金によってパーセントが異なります。
宅地建物取引情報の条文通り説明しますと、以下のようになります。
◆200万円以下の金額1:100分の5(5%)
◆200万円を超え400万円以下の金額:100分の4(4%)
◆400万円を超える金額:100分の3(3%)
例えば、
売買代金が1,050万円(消費税50万円含む)の場合、消費税抜きの本体価格は1,000万円です。そして、上記のパーセントの意味は、
1,000万円のうち、200万円は5%=10万円、さらに「200万円を超え400万円以下」に該当する200万円分は4%=8万円、残りの600万円は3%=18万円、合計36万円の仲介手数料が受領できると言う計算です。
これを速算式で表すと、1,000万円(成約本体価格)×3%+6万円=36万円になります。
ただし、これは400万円を超える売買代金の場合の速算式です。
ちなみに、売買代金が200万円を超え400万円以下の場合の速算式は、
成約本体価格×4%+2万円です。
仲介手数料には消費税がかかります
不動産業者がが受領する仲介手数料には消費税がかかります。
消費税は「役務の提供」にもかかるからです。「役務」という言葉は、法律でよく使われますが、簡単に言うと「サービス」という意味です。
普段、私たちは物を買う場合だけでなく、サービス(役務)の提供にも消費税はかかるので、不動産業者の契約成立に向けて尽力するという役務の提供にも消費税がかかるのです。
仲介手数料の上限を常に請求できるでしょか?
不動産業者が受領できる仲介手数料について書いてきましたが、これはあくまで不動産さん業者が受領できる仲介手数料の「上限」と言うことです。
そして、中には「仲介手数料の額は法律で決まっています!」と嘘をついて、当り前のように常に「上限額」を請求している不動産業者もいます。
宅地建物取引業法は、あくまで上限を示しているだけで、仲介手数料をそれ以下にすることは何ら問題は無く、値引きしてもらうこともできると言うことです。
判例も
宅地建物業者は、告示によって計算された最高額を当然に請求しうるものではなく、依頼者の受けた利益、仲介の難易、業者の払った努力の程度、及び費用等諸般の事情を考慮し、最高限度額の範囲内で、社会的、客観的に相当と認められる金額のみを請求しうるものと解するのが相当である
としています。
上限額はあくまでも請求することが可能な金額で、上限額=仲介手数料ではありません。
仲介手数料の額や支払時期は、あなたと不動産会社とが事前に話し合って決めることができるものですので、不動産売買の仲介を依頼するときには、この点も含めて相談することをお勧めします。
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