甚大化する豪雨被害に対して今からでもできる自宅の備え!
異常気象によって、梅雨前線の活動が活発化して記録的なが豪雨になり、広い範囲で水害が甚大化していて、心配ななっている人も多いと思います。
線状降水帯による長時間の集中豪雨が起きると、地形によってリスクも異なりますが、急傾斜地や渓流付近では「土砂災害」、河川の周辺では氾濫による「洪水」、都市部で周辺の土地より低い場所では「浸水」するリスクが大きくなります。
そこで今日は、今からでもできる甚大化する豪雨被害に対する自宅の備えについて書いてみたいと思います。
一気に高まる水害リスクに注意してください
水害のリスクは、雨の強さと降り方が関係しています。
「1時間に10mmの降水量」は、雨水が別の場所に流れず「1時間に10mmの高さまで溜まる」降水量を意味しています。
10mmなら大したことは無いとおもうかもしれませんが、天気予報では「やや強い雨」と表現され、このレベルの雨でも長く降り続けば注意が必要になるのです。
「強い雨」や「激しい雨」になると、水害のリスクが高くなり「注意報」が発表されることもあります。
気象庁は、大雨で災害が起こるおそれのあるときには「大雨注意報」や「洪水注意報」を、重大な災害が起こるおそれのあるときは「大雨警報」や「洪水警報」を、
さらに重大な災害が起こるおそれが著しく大きいときは「大雨特別警報」を発表します。
また、数十年に1度しか発生しないような短時間の大雨には「記録的短時間大雨情報」を発表され、必要なら避難をすることになります。
豪雨による土砂災害のリスクに注意してください
土砂災害は、斜面にたまった土砂が水と一緒に一気に流れ落ちる「土石流」や、地面にしみ込んだ水分で土の抵抗力が弱まり、斜面が突然崩れ落ちる「崖崩れ」などが発生することです。
早いスピードと強い破壊力で流れ込む土砂は、最悪の場合、住宅を押し潰します。
一戸建ての場合の「床下浸水」「床上浸水」
河川が氾濫するなどして、一戸建ての住宅に浸水した場合、
比較的浸水が浅い床下浸水(基礎~50cm未満)では、床下に汚泥が流入し、自動車やバイクが駐車している場合は、それも浸水してダメージを受けます。
可能であればあらかじめ、家財などを上階に移動させたり、自動車を高台に移動させたりして被害を軽減する方法をとる必要があります。
床下浸水してしまった場合は、被災後に床下を掃除して泥を除去し、消毒する対応が発生する。
次に、床上浸水(50cm以上〜1m未満)すると、畳やフローリングが浸水し、床や壁の断熱材が吸水してしまい、家具家電なども使えなくなり、コンセントが浸水すると漏電や停電する場合もあります。
被災後は、家屋内を清掃して消毒したうえで、床・壁・床を取り替えなければならなくなり、街には土砂や災害ごみが大量発生すると、衛生状態が悪化する場合もあります。
さらに床上浸水が深くなると、天井やあらゆる設備機器が浸水してしまい、避難生活を余儀なくされ、水の勢いで住宅が流されると、仮住まいや転居の必要もでてきます。
マンションの場合の「床下浸水」「床上浸水」
マンションの場合では、半地下住戸や1階住戸が浸水した場合は、一戸建てと同じような事態になり、特に、共用部分への浸水が大きな問題になるでしょう。
マンションによって異なりますが、地下に駐車場や受水槽、エレベーターの機械室などが設置されている場合は、浸水すると被害が大きくなります。
地下に電気設備があったために、浸水で電気が停止してしまい、大きな被害を受けた高層マンションもりました。
これを受けて国土交通省では、「建築物における電気設備の浸水対策のあり方に関する検討会」を設置し、2020年6月19日に「建築物における電気設備の浸水対策ガイドライン」をとりまとめています。
生活インフラにかかわる共用施設が浸水して稼働しなくなると、マンション全体が停電してしまい、エレベーターが停止したり、給水が停止したりして、居住者全員の生活に支障を来すことになるのです。
自分の住戸は高層階だから大丈夫、という問題ではないのです。
自宅周辺の水害リスクの有無や程度を知ること
まずは、自宅周辺の水害リスクの有無や程度を知ることが大切です。
国土交通省の「ハザードマップポータルサイト」や、住んでいる自治体のハザードマップで、洪水や内水、土砂災害などの危険性や、避難場所も確認するようにしてください。
自宅から避難場所に行くまでのルートや、道路防災情報で通行規制がかかる道路、冠水する道路などを事前に調べておけば、いざというときにスムーズに避難場所に行くことができるでしょう。
水害への事前の備えとして、雨が降る前に家の外回りの安全確認をしておくことをお勧めします。
戸建ての場合は国土交通省の「家庭で役立つ防災」に詳しい説明がある。それによると、確認すべきポイントは次のとおり。
雨が降る前に家の外回りの安全確認を
水害への事前の備えとして、雨が降る前に家の外回りの安全確認を忘れないでください。
一戸建ての場合は、国土交通省の「家庭で役立つ防災」に詳しい説明があります。それによると、確認すべきポイントは次の通りです。
◆雨どいに破損がないか、落ち葉や土砂の詰まりがないか確認する
◆瓦やトタンのひび・割れ・ずれ・はがれはないか確認する
◆外壁に亀裂等はないか 確認する
◆窓ガラスにひび割れ、 窓枠のガタツキはないか確認する
◆雨戸にガタツキやゆるみはないか確認する
◆鉢植えや物干し竿などの 飛散の危険はないか確認する
マンションの場合も、雨水がきちんと排水されないと浸水リスクが高くなるので、バルコニーの排水口を掃除し、外に置いた物が飛散しないように室内に移動したり、固定することが必要になります。
家の中については、非常用品や水の準備に加えて、物が飛んで窓ガラスが割れたときに破片が飛び散ってケガをしないように、飛散防止フィルムを貼ったり、カーテンやブラインド、雨戸を締めるようにしてください。
また、強い雨が降って水害リスクが高まったら、土嚢(どのう)で玄関からの浸水を防いだり、水嚢を作って(ゴミ袋などに水を入れて作る)トイレや浴室の排水口の上に置いて下水からの逆流を防ぐことも忘れないでください。
水害に遭ってしまったら?
もし、水害で被災してしまった場合は、まずは、生活再建までの見通しを立てなければなりません。
そのためにも、様々な支援を受けるために、被害程度を残しておくことが大切になります。罹災(りさい)証明書を申請するときや、保険金を請求するときに役に立つよう、被害の様子(浸水した深さや室内の被害の状況)が、後でも分かるように写真を撮るようにしてください。
加入している火災保険の保険会社はもちろん、一戸建てなら分譲会社や施工会社に、マンションなら管理会社などに被災したことを連絡し、自治体に被災したことを申し出て、罹災証明書についての相談をするようにしてください。
浸水した住宅については、使えなくなった家具や家電などを片付けなければならないので、被災ゴミの捨て場所を確認し、マスクやゴム手袋を身に着けて、感染症を予防しながら、できるペースで片付けるようにしてください。その際、うがいや手指の消毒も忘れずに。
床下など浸水被害は、全て自分だけでやろうとすると気が遠くなりますので、遠慮しないで、工務店やリフォーム会社、ボランティアなどの力も借りて、床下の泥の除去や乾燥、消毒などの作業を行うようにしてください。
何故なら、乾燥や消毒が不十分だと、湿気が取れずカビが発生するなどして、住宅が傷むことになるからです。
まとめてみました!
甚大化する豪雨被害に対して今からでもできる自宅の備えについた書いてきました。
こうした説明をしていくと、不安になるかもしれませんが、
まずは、ハザードマップを利用して自宅周辺の水害リスクを確認し、リスクが低ければ、雨水の排水や飛散防止など最低限の備えで十分な場合もあります。
なにより、水害に関する正しい情報を多く集めること、そして、そのリスクに対する事前の備えを怠らないこと、これに尽きると思います。
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