家を売却するときの「片手仲介」と「両手仲介」の違い!お客様目線と業者目線でのメリット、デメリット
家を売るときには、ほとんどの人が
不動産業者に売却の仲介を依頼するのではないでしょうか。
ですから、不動産業者が実際どのような活動をしているのかを
詳しく知ることはないと思います。
ただ、売主様も、少しだけでも不動産業者の内情を理解しておかないと
不利益を被るかもしれないので注意が必要です。
そこで今日は、「家を売却するときの「片手仲介」と「両手仲介」の違い!お客様目線と業者目線でのメリット、デメリット」について書いてみたいと思います。
筆、新築一戸建て購入応援「仲介手数料・無料・0円・ゼロ・サービス」の加古川の不動産売買専門店 未来家不動産株式会社 代表 清水浩治
「片手仲介」と「両手仲介」の違いとは?
仲介手数料は「成約報酬」で、売買契約が成立しないと依頼主から受け取ることができません。また、仲介手数料の額は宅地建物取引業法で受け取ることができる上限が定められて、売買価格が高額になるにつれて、その額も大きくなる仕組みです。
では、仲介手数料を受け取ることができる依頼主とは誰でしょう?
1.売主からのみ・・・片手仲介
2.買主からのみ・・・片手仲介
3.売主と買主の両方から・・・両手仲介
となります。
片手仲介、共同仲介
たとえば、
売主A様は、B不動産業者に売却の依頼をしています
買主C様は、D不動産業者に物件探しを依頼しています
B不動産業者とD不動産業者の「共同仲介」で、
売主A様と買主C様の売買契約が成立すれば、
B不動産業者は、売主A様からのみ仲介手数料を受け取ることができます
D不動産業者は、買主C様からのみ仲介手数料を受け取ることができます
このように、売主様か買主様の、
どちらか一方からしか仲介手数料を
受け取ることができないのが「片手仲介」「共同仲介」と言います。
たとえば、3,000万円の売買が共同仲介で成立した場合の
B不動産業者とD不動産業者が受け取る仲介手数料は
3,000万円×3%+6万円+消費税で「105万6千円」になります。
両手仲介、単独仲介
たとえば、
売主E様は、F不動産業者に売却の依頼をしています
買主G様は、F不動産業者から紹介された売主E様の家を気に入りました
F不動産業者の「単独仲介」で
売主E様と買主G様の売買契約が成立すれば
F不動産業者は、売主様E様と買主G様の
両方から仲介手数料を受け取ることができます
このように、売主様と買主様の両方から仲介手数料を
受け取ることができるのが「両手仲介」「単独仲介」と言います。
たとえば、3,000万円の売買が単独仲介で成立した場合の
F不動産業者が受け取る仲介手数料は
(3,000万円×3%+6万円+消費税)の2倍で「211万2千円」になります。
不動産業者から見た「片手仲介」と「両手仲介」
不動産業者からみると、
「片手仲介」では売主か買主のどちらか一方からしか仲介手数料を受け取ることができないので、できれば、両方から受け取れ倍の利益となる「両手仲介」を目指そうとします。
片手仲介でも両手仲介でも、売主様としては買主様が見つかりさえすれば、それほど影響が無いようにも思えます。
しかし、実際には「片手仲介」にも「両手仲介」にもメリットとデメリットがあり、ケースによっては売主様にとって好ましくない影響が出ることもあります。
次は、売主様から見たメリット、デメリットについて書いてみたいと思います。
売主から見た「片手仲介」のメリット、デメリット
◆売主様から見た「片手仲介」のメリットは、
不動産業者は売主様の意向のもと活動しますので、信頼できる会社であれば基本的には「できるだけ高く売りたい」「できるだけ早く売りたい」と言う売主様の要望を叶えるために動いてくれます。
不動産業者は買主の味方になる必要が無いので、売主からすれば「自分だけの味方」になるわけです。
◆売主様から見た「片手仲介」のデメリットは、
売買契約に向けての交渉は買主担当の不動産業者を介して行うことになるので、詳細な打合せには時間が掛かり、当事者の意向や要望を正確にくみ取る営業力が必要になります。
また、「片手仲介案件」の他、「両手仲介案件」を多く進めている大手不動産会社などの場合、2倍の利益が得られる「両手仲介案件」に注力する傾向があります。
ただ、「片手仲介」が決定的なデメリットではなく、信頼できる不動産会社であれば売主様の要望を十分に叶えてくれる仕事をしてくれます。
一方で「両手仲介」の場合は、少し事情が違ってきます。
メリットが大きくなることも、デメリットが大きくなることもあるので、不動産業者の内情を良く理解しておく必要があります。
売主様から見た「両手仲介」のメリット
売主様から見た「両手仲介」のメリットは、
不動産業者に登録している購入見込み客が多くいる場合、すぐに買主が見つかる可能性が有るので早期売却の確立が高くなります。
特に大手不動産業者の場合、購入希望者が多く登録しているので、条件が合えば数週間で売買が成立することもあります。
また、「両手仲介」は担当する不動産業者が1社だけでので、「片手仲介」のように他社を経由しなくていいので、当事者間の契約に向けての交渉がスムーズに進みます。
これは可能性の問題ですが、「両手仲介」では仲介手数料が「片手仲介」の2倍になりますので、交渉次第では仲介手数料を値引きしてくれるかもしれません。
ただし、大手不動産業者の場合は、宅地建物取引業法で定められている上限額で請求はすれども、値引きに応じてくれない会社がほとんどですので、値引き交渉が無駄になる可能性は大です。
売主様から見た「両手仲介」のデメリット①
売主様から見た「両手仲介」のデメリット①は、
不動産業者に登録している購入見込み客が少ない場合は、買主が見つかるまで時間が掛かり、早期売却の可能は低くなるでしょう。
「片手仲介」の場合は「少しでも高く、少しでも早く売りたい」と希望する売主だけの味方ですが、「両手仲介」の場合は「少しでも安く買いたい」と希望する買主の味方でもあります。
この相反する両者の希望の間に立って契約に向けての交渉を行うことになり、売主だけの味方になってくれる可能性は低くなります。
たとえば、他に高く買ってくれる買主がいても、月末契約と倍の手数料取得と言う会社都合を優先に、売主に厳しい値引き交渉を入れ強引に契約を交わそうとすることもありますので、注意してください。
・・・・この傾向は大手不動産業者に多いパターンです。
売主様から見た「両手仲介」のデメリット②
売主様から見た「両手仲介」のデメリット②
「両手仲介」の最大のデメリット、問題点は「囲い込み」のリスクです。
「囲い込み」とは、売主様から依頼を受けた売却物件情報を他の不動産業者に情報を出さない行為のことです。
なぜ「囲い込み」行為をするかと言うと、他の不動産業者に情報を出さなければ、自社でゆっくり買主を探すことができ「両手仲介」で2倍の仲介手数料がもらえいるからです。
また、情報を開示したとしても、他社経由で購入希望者が現れても、その交渉を受け付けないことも「囲い込み」行為になります。
この行為は、売主様の「少しでも高く、少しでも高く売りたい」と言う希望を阻害し、売却のチャンスを逃すことにもなるのです。
両手仲介は、こうした弊害や利益相反行為にあたるので、海外の多くでは禁止されているのですが、日本では禁止されていないのが実情です。
こちらも併せてご覧ください!
◆やってはいけない物件を隠す「囲い込み」それは不動産業界の悪しき習慣!
まとめてみました!
「片手仲介」と「両手仲介」のメリット、デメリット、不動産業者の内情などにつて書いてきました。
それぞれにメリット、デメリットがありますが、信頼できる不動産会社が担当してくれればメリットしかありません。
デメリットになるのは、会社の意向や利益優先で営業している不動産業者に当たってしまった場合で、「囲い込み」行為など断じて許されるものではありません。
「囲い込み」行為のように売主様にとってリスクでしかないことが起きているのも現実ですので、自己防衛のためにも、このブログの内容を参考にしてください。
なにより、売主であるあなたのことを「他人(ひと)事ではなく、自分事として」考えてくれる信頼のおける不動産会社とその担当者に巡りえることが、何よりも重要になるのです。
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