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2021年01月07日
不動産売買の豆知識

浸透しつつある「契約不適合責任」売主様に再認識して欲しい「瑕疵担保責任」との違いと注意点

旧民法の「瑕疵(かし)担保責任」に変わり、民法改正で「契約不適合責任(けいやくふてきごうせきにん)」が制定され、買主から売主への請求権の範囲がより広くなりました。

また、売主は売買対象の不動産について、その状態を契約書に詳細に記載する必要が出てきました。

さらに、契約解除の要件緩和など買主の救済手段が増えているので、売主様にとっては「何に注意し、何を気を付けなければならないのか?」など、頭を痛める人が少なくありません。

 

そこで今日は、「浸透しつつある「契約不適合責任」売主様に再認識して欲しい「瑕疵担保責任」との違いと注意点」について書いてみたいと思います。

今後の売買においてトラブルにならないようにしてください。

筆、新築一戸建て購入応援「仲介手数料・無料・0円・ゼロ・サービス」の加古川の不動産売買専門会社、未来家不動産(株)みらいえふどうさん代表、清水 浩治

 

契約不適合責任とは?

売主は、売買契約の内容に適合した不動産(目的物)を、買主に引き渡す義務を負います。

「契約不適合責任」とは、売買契約において売主が買主に引き渡した不動産(目的物)が、その種類・品質・数量にかかわらず「契約内容に適合していない」と判断された場合(債務不履行)売主が買主に対して負う責任のことです。

 

「契約不適合責任」は「瑕疵担保責任」の概念を引き継ぐものですが、売主の責任範囲は、かなり広くなっていますので、注意が必要になります。

 

契約不適合責任で売主に対する買主の権利

契約不適合責任における売主に対する買主の権利は、

◆追完請求(修補や代替物引渡しなどの履行)

◆損害賠償請求

◆契約の解除

◆代金減額請求

 

買主の権利買主に責任あり双方に責任なし売主に責任あり
追 完 請 求請求できない請求可能請求可能
損害賠償請求請求できない請求できない請求可能
契 約 解 除解除できない解除可能解除可能
代金減額請求請求できない請求可能請求可能

 

 瑕 疵 担 保 責 任契 約 不 適 合 責 任
追 完 請 求請求できない請求可能
損害賠償請求請求可能請求可能
契 約 解 除解除可能解除可能
代金減額請求請求できない請求可能


「瑕疵担保責任」では、

売買の目的物に「隠れた瑕疵」がある場合、買主は売主に対して損害賠償請求や契約解除を求めることができました。

しかし、修理の請求や代金減額はできませんでした。

ただし、売買の対象物件が新築住宅なら、住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)が適用され、瑕疵部分の補修請求については可能になっていました。

さらに、その瑕疵により契約の目的を達することができない場合に限り、買主に契約の解除が認められていました。

 

一方、「契約不適合責任」では、

売買の対象物件が「契約の内容に適合しない」とき、買主が売主に対し、補修などの追完請求をすることができます。

また、もし売主が追完に応じないときや追完が不可能なときは、代金減額請求も可能で、追完請求や代金減額請求とは別に、損害賠償請求も認められています。

さらに、不適合内容が軽微でなければ、買主は契約を解除をすることもできます。

 

売主が責任を負う要因が、瑕疵担保責任が「隠れた瑕疵」であるのに対し、契約不適合責任では「契約の内容に合致しない場合」になります。

買主が請求できる権利は瑕疵担保責任よりも増えていることが分かっていただけると思います。

 

契約不適合責任での注意点

「契約不適合責任」で売主様に注意をして欲しい内容です。

「契約不適合責任」では、「瑕疵担保責任」と比べて買主が請求できる権利が増えています。

瑕疵担保責任では、契約解除、損害賠償請求の2つでしたが、

契約不適合責任では

◆契約解除 ◆損害賠償請求、に加えて

◆追完請求 ◆代金減額請求

◆無催告解除 ◆催告解除、が可能になっています。

 

追完請求(補修請求)

追完請求(補修請求)は、

建物に不具合があったのに、契約内容にその内容が記載されていなければ、買主は引き渡し後に売主に対して不具合の補修請求をすることができます。

瑕疵担保責任では、不具合を知っていたかどうかが争点になっていましたが、

契約不適合責任では、契約の内容に記載がなければ、直ぐに請求することができます。

 

民法第562条

 

1.引き渡された目的物が種類、品質又は数量に関して契約の内容に適合しないものであるときは、買主は、売主に対し、目的物の修補、代替物の引渡し又は不足分の引渡しによる履行の追完を請求することができる。ただし、売主は、買主に不相当な負担を課するものでないときは、買主が請求した方法と異なる方法による履行の追完をすることができる。

 

2.前項の不適合が買主の責めに帰すべき事由によるものであるときは、買主は、同項の規定による履行の追完の請求をすることができない。

 

代金減額請求

代金減額請求は、

もし、買主が上記の追完請求をしたにもかかわらず、売主が追完に応じてくれないときや、追完ができないときは、代金減額請求が可能になります。

はじめに追完請求を行い、応じてくれない場合に代金減額請求をする流れです。

 

民法第563条



1.前条第一項本文に規定する場合において、買主が相当の期間を定めて履行の追完の催告をし、その期間内に履行の追完がないときは、買主は、その不適合の程度に応じて代金の減額を請求することができる。

 

2.前項の規定にかかわらず、次に掲げる場合には、買主は、同項の催告をすることなく、直ちに代金の減額を請求することができる。

一.履行の追完が不能であるとき。

二.売主が履行の追完を拒絶する意思を明確に表示したとき。

三.契約の性質又は当事者の意思表示により、特定の日時又は一定の期間内に履行をしなければ契約をした目的を達することができない場合において、売主が履行の追完をしないでその時期を経過したとき。

四.前三号に掲げる場合のほか、買主が前項の催告をしても履行の追完を受ける見込みがないことが明らかであるとき。

 

3.第一項の不適合が買主の責めに帰すべき事由によるものであるときは、買主は、前二項の規定による代金の減額の請求をすることができない。

 

 

損害賠償請求

契約不適合責任では、買主に「損害賠償請求」の権利も認められていますが、売主に責任がない場合は、売主は損害賠償義務を免れます。

瑕疵担保責任でも買主は損害賠償請求ができましたが、売主に故意や過失が無くても、損害賠償の責任を負う必要がありました。

契約不適合責任では、売主に帰責事由がない限り、損害賠償は請求されないことになります。

 

民法第415条

 

1.債務者がその債務の本旨に従った履行をしないとき又は債務の履行が不能であるときは、債権者は、これによって生じた損害の賠償を請求することができる。ただし、その債務の不履行が契約その他の債務の発生原因及び取引上の社会通念に照らして債務者の責めに帰することができない事由によるものであるときは、この限りでない。

 

2.前項の規定により損害賠償の請求をすることができる場合において、債権者は、次に掲げるときは、債務の履行に代わる損害賠償の請求をすることができる。

一.債務の履行が不能であるとき。
二.債務者がその債務の履行を拒絶する意思を明確に表示したとき。
三.債務が契約によって生じたものである場合において、その契約が解除され、又は債務の不履行による契約の解除権が発生したとき。

 

また、瑕疵担保責任の損害賠償請求の範囲は「信頼利益」に限られていましたが、契約不適合責任の損害賠償請求の範囲は「履行利益」も含みます。

信頼利益とは、

契約が不成立・無効になった場合に、それを有効であると信じたことによって被った損害です。例えば、登記費用などの契約締結のための準備費用が「信頼利益」となります。

 

一方で、履行利益とは、

契約が履行されたならば債権者が得られたであろう利益を失った損害です。例えば、転売利益や営業利益などが履行利益に該当します。

つまり、売主が契約不適合責任で損害賠償しなければならない範囲は、瑕疵担保責任と比較して格段に広くなっているのです。

 

無催告解除

契約不適合責任では、買主に「無催告解除」という権利も認められています。

無催告解除は、契約不適合により「契約の目的を達しないとき」に限り行うことができます。

逆に、若干の不具合で修補ができ、契約の目的が達成できる場合には「無催告解除」は認められないことになります。

 

民法第542条



1.次に掲げる場合には、債権者は、前条の催告をすることなく、直ちに契約の解除をすることができる。
一 債務の全部の履行が不能であるとき。
二 債務者がその債務の全部の履行を拒絶する意思を明確に表示したとき。
三 債務の一部の履行が不能である場合又は債務者がその債務の一部の履行を拒絶する意思を明確に表示した場合において、残存する部分のみでは契約をした目的を達することができないとき。

 

以下省略

 

催告解除

契約不適合責任では、買主に「催告解除」も認められています。

催告解除は、追完請求をしたにも関わらず、売主がそれに応じない場合に買主が催告して解除できる権利です。

つまり、売主が追完請求に応じない場合、買主は「代金減額請求」と「催告解除」の2つの選択肢を持っていることになります。

売主が追完請求に応じない場合は代金減額では済まされず、契約解除もあり得るので、買主の追完請求はとても強い権利と言うことです。

 

民法第541条



当事者の一方がその債務を履行しない場合において、相手方が相当の期間を定めてその履行の催告をし、その期間内に履行がないときは、相手方は、契約の解除をすることができる。ただし、その期間を経過した時における債務の不履行がその契約及び取引上の社会通念に照らして軽微であるときは、この限りでない。

 

さらに売主様に注意して欲しいこと

◆契約不適合責任では、瑕疵担保責任での「隠れた瑕疵」という概念が無くなっていますので、売主は、売買の対象物件の現状を細部まで把握し、不動産会社の担当者に全て伝えておくことが大切になります。

◆売買契約で重要なことは、売主が把握している対象物件の現状を売買契約書等に明記することです。

◆買主が知っている不具合であっても「契約書等に記載されているか」が重要になります。

◆対象物件に不備があるときには、売買契約書に不備の詳細と、その不備に対して責任は負わない旨を明記してください。

◆対象物件の不備が売買契約書に明記されているかが非常に重要になるので、売主は、契約書はもちろん、その他の添付資料にも必ず目を通し、売買の対象物件の現状が明記されているかを確認してください。

◆売買契約書は、不動産会社の担当者が作成しますが、人任せにしないで契約内容のチェックは必ず行ってください。

 

まとめてみました!

「契約不適合責任」と「瑕疵担保責任」との大きな違いは、「隠れた瑕疵」ではなく「契約の内容に適合しないもの」が問題になります。

また、買主の請求権が増えたことで、今までにはなかった、追完請求、代金減額請求、損害賠償請求、催告解除、無催告解除などの内容を理解しておくことが大切です。

 

責任範囲についても、売買契約書に明記してあるか否かが判断する上で重要になりますので、対象物件の現状については、「インスペクション」などをうまく活用しながら、信頼できる不動産会社に依頼し、安心・安全な取り引きを実現させてください。

 

◆「契約不適合責任」に有効性が高いインスペクション

 

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この記事を書いた人
清水 浩治 シミズ コウジ
清水 浩治
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