改正民法「契約不適合責任」売主様の責任を免責(全部なし)にする特約の有効性
改正民法「契約不適合責任」に対する売主様の責任を免責(全部なし)にする特約の有効性について考えてみました。
改正民法「契約不適合責任」がスタートしたことで、瑕疵担保責任から契約不適合責任に変り、売主様の責任は、残念ながらさらに重くなりました。
逆に買主様は、より安心して購入ができる内容となっています。
前回のブログでは
買主ができる5つの請求!売主が不要な責任を負わないための対策!
について書きました。
そこで今日は、「売主の責任を免責(全部なし)にする特約の有効性」について書いてみたいと思います。
筆、新築一戸建て購入応援「仲介手数料・無料・0円・ゼロ・サービス」の加古川の不動産売買専門会社、未来家不動産株式会社 代表 清水浩治
免責(全部なし)特約の有効性を考えてみました
旧民法の瑕疵担保責任も、改正民法の契約不適合責任も、その規定は「任意規定」となりますので、契約当事者が合意すればその特約は有効になります。
瑕疵担保責任では「全部免責」という便利な特約方法がありましたが
契約不適合責任では「全部免責」には無理が生じてしまいます。
何故なら、契約不適合責任を全部負わないということは、売主は売買契約書に記載されている全ての取決めに適合しなくても責任を負わないということになってしまうからです。
改正民法の契約不適合責任も任意規定ですので、売主の負担を軽減する特約を組み入れて契約を締結しても有効になりますが、免責する部分を一つずつ明記することが必要になります。
免責特約は容認事項を一つずつ明記すること
改正民法の契約不適合責任での売主の免責特約は、売買契約書の特約条項に容認事項を一つずつ全てを明記することが最も重要になります。
契約不適合責任では、目的物が何かをはっきりさせる必要があるため、特約条項欄に「対象物件がどのようなものであるか」を全て明記することになります。
契約不適合責任は、不動産売買契約書で全部免責という方法が取れないので、売主としては、気になることは全て特約条項に書きだし、契約内容と物件の現状を適合させることが重要になるのです。
個人間売買では代金減額請求権の条項は設けない
不動産業界では、契約不適合責任の「代金減額請求権」と「契約解除または損害賠償請求」が両立しえないのでは、と言う考えがあります。
代金減額請求は、契約に効力があることが前提に行われるので、代金減額している時点で契約を肯定しいるのに契約をなかったものとする契約解除には矛盾が生じるのです。
また、代金減額するということは損害を解消しているので、さらに損害賠償請求もするということにも矛盾が生じます。
代金減額請求権には微妙な矛盾が潜んでおり、今後の運用と民事の判例が積み上がっていかないと分からないというのが現状です。
そこで、不動産業界内では個人間売買の売買契約書の雛形には、代金減額請求権の条項は設置しない方向です。
これは、買主が安易に代金減額請求を行ってしまい、後から契約解除や損害賠償ができなくなると言う無用の混乱を避けるためです。
ただし、宅建業者(不動産会社)が売主の場合は、売主がプロであるため、契約書の中に代金減額請求権が織り込まれます。
売主は設備に関する責任は一切負わない
不動産の売買では、設備も売却の対象ですが、中古住宅の設備は多少の不具合があることがむしろ一般的で、設備にも厳密に契約不適合責任を適用すると、円滑な取引を阻害することになります。
そこで、設備に関しては一切の契約不適合責任を負わないようにすることを契約条文に記載することが重要になり、
すでに、売買契約書の雛形には「付帯設備の故障や不具合については、修補・損害賠償その他一切の責任を負わないものとする」と明記しています。
インスペクションを利用すれば安心
契約不適合責任では、売買契約書に目的物の内容を明記するために、「対象物件がどのような状態なのか」という点を事前に明確にする必要があります。
例えば、対象物件が「傾いている家なのか、傾いていない家なのか」「雨漏りが有る家なのか、雨漏りが無い家なのか」ということが事前に明確になっている必要があるということです。
そこで、目的物の内容を明確にするために、事前にインスペクションを行うことが望ましい対応となるでしょう。
まとめてみました!
契約不適合責任では、買主が「追完請求」「代金減額請求」「催告解除」「無催告解除」「損害賠償請求」の5つを請求できるようになり、売主の責任は一層重くなりました。
契約不適合責任で売主様が不要な責任を負わないためには、契約書に売却物件の内容が「明記されているかどうか」が非常に重要になります。
民法改正後の不動産売買でも、売却活動を始める前に売却する不動産の状況をしっかりと把握し、物件状況確認書に明記することが必要になってくるのです。
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