2024年01月30日
不動産売買契約書の解説
不動産売買契約書の解説 第7条「引渡し」
第7条「引渡し」
売主は、買主に本物件を標記の期日(C)までに売買代金全額の受領と同時に引渡す。
この条項「引渡し」は、
所有権移転の具体的な内容として、売主は買主に対して合意によって定めた引渡日までに、対象物件を引渡さなければならないことを定めた内容です。
民法の原則、同時履行
民法では、原則として、
売主は、買主の売買代金全額の提供があるまで、
対象物件の引き渡しを拒むことができるとしています。
つまり、
売買代金全額の支払と物件の引渡しは、
同時履行の関係にあるということです。
売主は、買主が売買代金全額の支払いをしない限り
引き渡しを拒否しても
債務不履行にはならない、ということです。
引渡し猶予と使用貸借
しかし、
売買代金支払と引渡しが同時でない場合があります。
それが「引渡し猶予の特約」になります。
買主が売買代金全額を支払った後に
一定の期間(一週間程度)
所有者ではない者(売主)が、
他人(買主)の物(対象不動産)を使用する状態になり、
その間の使用料を支払うかどうかが問題になります。
このような場合に使用料を支払うかどうかは、
当事者の協議に委ねられますが、
所有権移転(代金支払)が先行して、
引渡しが後になるときには、
後日の引渡しに際して、
引き渡しを拒否する理由が起きないためにも、
使用料の授受は行わないこと(使用貸借)をお勧めします。
使用料を支払うことで居住権が発生し
引渡しを拒否できることにもなりかねないのです。
以下は、土地建物公簿取引用(売主一般消費者)の売買契約書の各条項の一覧です。
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土地建物公簿取引用(売主一般消費者用)の各条項
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