不動産売買契約書の解説　第２４条「特約条項」

第２４条「特約条項」

別記特約条項のとおりとする。

特約条項とは、

標準的な売買契約書の雛形（約款）に記載されている基本的な項目とは違い、「雛形条項以外の特別な約束事」になります。

つまり、売主と買主間の取引条件に沿っての約束事が明記される特別なもので、場合によっては雛形条項を一部や全部を打ち消すこともあります。

ただし、特約条項はどのような内容でも効力を持つわけではなく、公序良俗に反する内容や、対象となる不動産取引の公平性が欠如するようなものは、認められないことを付け加えます。

※売買契約書（土地建物公簿用）の見本は、こちら

特約条項の内容は、売主と買主の自由な意思によって定められるべきというのが、民法の考え方です。

そのため、原則として売主と買主の合意により契約書の雛形約款と異なる特約をすることができるのです。

しかし、公序良俗に反する合意内容は認められません。

不動産売買ではありませんが、極端な内容としては、覚せい剤の売買契約は、公序良俗に反するので無効です。

また、消費者契約法や宅地建物取引業法などで消費者に不利になる内容は、特約に記載しても無効になります。

契約書の内容はもちろん、特約条項の内容が不明確で理解できていなくても、売買契約書に署名捺印してしまうと、原則として契約書内容について売主と買主が合意したものと判断されてしまいます。

そのため、売買契約書や特約条項、付帯設備表や物件状況確認書（告知書）などは、売買契約締結前にコピー（写し）を事前にもらって、内容を確認することをおすすめします。

内容が不明確でよく分からない箇所があったり、その内容に納得できない場合は、契約前に相手方や不動産業者に確認する必要があります。

また、記載内容が不明確な場合は明確にしてもらったり、納得できる内容にしてもらうなど、修正を求めることも必要になると思いますので、必ず契約前の事前確認を行うようにしてください。

以下は、土地建物公簿取引用（売主一般消費者）の売買契約書の各条項の一覧です。

「Click or Tap」していただくと、そのページをご覧いただけます。

第１条（売買の目的物及び売買代金）

第２条（売買対象面積）

第３条（手付）

第４条（境界の明示）

第５条（売買代金の支払時期及びその方法）

第６条（所有権移転の時期）

第７条（引渡し）

第８条（所有権移転登記の申請）

第９条（物件状況の告知）

第10条（付帯設備の引渡し）

第11条（負担の消除）

第12条（印紙代の負担）

第13条（公租・公課の負担）

第14条（収益の帰属・負担金の分担）

第15条（手付解除）

第16条（引渡し前の滅失・損傷）

第17条（契約違反による解除）

第18条（反社会的勢力の排除）

第19条（融資利用の場合）

第20条（契約不適合責任）

第21条（諸規約の承継）

第22条（協議事項）

第23条（管轄の合意）

第24条（特約条項）